上下水道工学(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 上下水道工学(前期)
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 松尾知矩「水環境工学」オーム社/補助資料は必要に応じて配布
担当教員 上村 繁樹,大久保 努

到達目標

・基本的な水の化学的特性が理解できる
・水質指標,水環境の生態系と汚濁源,河川の自浄作用が理解できる
・上水道の基本計画,上水道施設の構成,浄水の単位操作が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
水環境化学,自浄作用応用課題を解ける教科書,学習ノートを見ながら課題を解ける教科書,学習ノートを見ても課題が解けない
上水道応用課題を解ける教科書,学習ノートを見ながら課題を解ける教科書,学習ノートを見ても課題が解けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は,人々の生活を直接に支える浄水の取水・供給(上水道)にかかわる施設の設計および管理に必要となる基礎知識と応用技術を中心に講義する.また,より基礎的な水環境科学の分野や水環境問題の歴史的展開についても補足する.
授業の進め方・方法:
講義は教科書の内容に沿って実施する.補助資料は必要に応じて配布する.
中間試験および定期試験を実施し,試験成績(4回の試験の平均点)を90%,レポート課題を10%として評価する.
注意点:
・化学,生物などの基礎知識も必要になるが,必要に応じて復習・確認を行う.水環境関連の報道などにも関心を持ち,環境関連施設の社会的意義について考える機会をもつこと.電卓を毎時間持参すること.
・授業90分に対して教材等で180分以上の予習,復習を行うこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水の化学 水の物理化学的特性(物質の三態)を理解
2週 水の化学/水資源 水の物理化学的特性(気体の性質)を理解/水資源の存在形態と存在量を理解
3週 水資源 自然界における自浄作用(ストリート・フェルプスの式,溶存酸素垂下曲線)を理解
4週 水質の指標 DO,BOD,CODに関わる指標
5週 水質の指標 窒素,りん,微生物,有害物質に関わる指標
6週 水環境の生態系 生態系,汚濁源と汚濁物質,汚濁負荷の流出過程
7週 前期中間試験 前期中間試験までの学習内容を理解
8週 上水道の役割 上水道整備の目的と歴史
2ndQ
9週 上水道の役割 水道水質基準の意義
10週 上水道の基本計画 上水道の考え方を理解
11週 上水道の基本計画 基本事項の決定
12週 上水道の基本計画 水需要予測を理解
13週 上水道施設 上水道施設の構成を理解(貯水,取水,導水,送水)
14週 上水道施設 ろ過方式(緩速ろ過,急速ろ過)を理解
15週 上水道施設 塩素処理の原理を理解
16週 前期定期試験 前期中間試験以降の学習内容を理解

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系環境環境問題の歴史を理解している。2前1,前2,前7
物質循環を理解している。2前2,前3,前7
地球資源問題を理解している。2前2,前3,前7
環境容量を説明できる。2前6,前7
環境と人の健康との関わりを理解している。2前5,前7,前8,前9,前16
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)を理解している2前8,前9,前16
水の物性、水の循環を理解している。3前1,前2,前7
水質指標を理解している。3前4,前5,前7,前9,前16
水質汚濁の現状を理解している。3前6,前7
水質汚濁物の発生源と移動過程を理解でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3前6,前7
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)を理解している。3前3,前7
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を理解している。3前6,前7
水道の役割、種類を説明できる。3前10,前16
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。3前11,前12,前16
水道施設(取水・導水・浄水・送水・配水・給水等)を理解している。3前13,前14,前15,前16,後1,後2
浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。3後3
浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。3後3
高度処理を理解している。3後4
下水道の役割と現状、汚水処理の種類を理解している。3後6,後9
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。3後7,後9,後10,後11
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を理解している。3後11,後12,後13
下水処理施設の設計を理解き、かつ計算できる。3後12,後13
高度処理を理解している。3後14
汚泥処理・処分を理解している。3後15
溶解度について理解している。2前1,前2
化学平衡について理解している。2前1,前2
反応速度について理解している。2前1,前2
反応速度を理解し、計算ができる。2前1,前2
熱力学を理解し、計算ができる。2前1,前2
生態系の構造と機能を説明できる。2前6
生物多様性の危機を理解している。2前6
生態系の保全手法を理解している。2前6
自然生態系を守るための施策を理解している。2前6
生命資源と資源の獲得を理解している。2前6
微生物の定義(分類、構造、機能等)を理解している。2前3
物質循環と微生物の関係を説明できる。2前3
エネルギー獲得機構を理解している。2前3
増殖速度、収率を理解している。2前3
酵素反応速度を理解している。2前3
自由エネルギーを理解している。2前3
環境倫理を説明できる。2後5
水環境を理解している。2後5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力301040
専門的能力30030
分野横断的能力30030