水理学Ⅰ(通年)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 水理学Ⅰ(通年)
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 指定教科書なし,講義資料・演習問題を適宜配布
担当教員 島﨑 彦人,山田 真史

到達目標

1.流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定ができる.
2.流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる.
3.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.
4.管路における種々のエネルギー損失の原理を理解し,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定ができる.流体の物理的特性と基本的な物理量を説明でき,静水圧の算定ができる.流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定が概ねできる.流体の物理的特性と基本的な物理量を理解せず,静水圧の算定ができない.
流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる.流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を説明でき,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる.流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が概ね算定できる.流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解せず,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できない.
層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを説明でき,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を概ね説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解せず,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は数学,物理学の知識をもとに,静水と流水の物理学的特性について学ぶ.
キーワード:流体の物理学特性,完全流体と粘性流体,平面・曲面に作用する静水圧,流体の記述,基礎方程式(連続式,ベルヌーイの定理,運動量則,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式,レイノルズ方程式),オリフィスと堰の流出,層流と乱流,粘性底層,流体力と抵抗係数,管水路,水頭表示,ダルシー・ワイスバッハの法則,ムーディー図表,動水勾配線とエネルギー線,等
関連講義:水理学Ⅱ,水理実験,生態環境工学,等
授業の進め方・方法:
授業形式:板書による説明を中心とし,問題演習を交えた授業を行う.適宜,プロジェクターによる参考資料・映像を提示する.
指定教科書:教科書は指定せず、講義資料を配布する.また,自学用の演習問題を適宜提供する.
評価方法:定期試験(通年4回)80%,レポート課題20%.
参考書:理解度を高める・基礎固めをするための参考図書を以下に挙げる.
 ・図説わかる水理学(井上和也他・学芸出版社):平易な説明と豊富な図説で初学者の基礎固めに適している.
 ・水理学の基礎(有田正光・東京電機大学出版局):複雑な数式を用いずに要点をまとめている.
 ・水理学Ⅰ(岩佐義郎他・朝倉書店):物理的・数学的に丹念な説明と式展開を行っている.より理解を深めたい学生向け.
 ・明解水理学(日野幹夫・丸善):高度な内容の大学生向け教科書だが,意欲のある学生は是非手に取ってほしい.
注意点:
数学(偏微分・ベクトル)や物理学(特に力学)を十分に復習し,実用上苦のないようにしておくことが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義説明・水理学Ⅰの概説 講義の概要の説明と,水理学Ⅰの概説.
2週 水の物理学的特性,次元・単位(1) 水の物理学的特性,水の基本的な物理量,単位と次元について学ぶ.
3週 水の物理学的特性,次元・単位(2) 水の物理学的特性,水の基本的な物理量,単位と次元について学ぶ.
4週 静水力学(1) 水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
5週 静水力学(2) 水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
6週 静水力学(3) 水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
7週 静水力学(4) 水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
8週 前期中間試験 試験時間90分.
2ndQ
9週 流体の記述と基礎方程式(1) 水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
10週 流体の記述と基礎方程式(2) 水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
11週 流体の記述と基礎方程式(3) 水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
12週 流体のエネルギー保存則(1) ベルヌーイの定理の導出,応用(オリフィスの流出,堰の公式)について学ぶ.
13週 流体のエネルギー保存則(2) ベルヌーイの定理の導出,応用(オリフィスの流出,堰の公式)について学ぶ.
14週 流体の運動量保存則(1) 微小区間の運動量保存則,流体が壁面へ加える力について学ぶ.
15週 流体の運動量保存則(2) 微小区間の運動量保存則,流体が壁面へ加える力について学ぶ.
16週 前期定期試験 試験時間90分.
後期
3rdQ
1週 層流と乱流,粘性流体(1) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
2週 層流と乱流,粘性流体(2) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
3週 層流と乱流,粘性流体(3) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
4週 層流と乱流,粘性流体(4) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
5週 流体力と抵抗(1) 流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
6週 流体力と抵抗(2) 流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
7週 管路と開水路 開水路と管路の定義と違いについて学ぶ.
8週 後期中間試験 試験時間90分.
4thQ
9週 管路内の流れ(1) 管路流れの基本理論と流速分布形について学ぶ.
10週 管路内の流れ(2) 管路流れの基本理論,乱流現象について学ぶ.
11週 管路のエネルギー・水頭計算(1) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
12週 管路のエネルギー・水頭計算(2) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
13週 管路のエネルギー・水頭計算(3) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
14週 管路の設計(1) 管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
15週 管路の設計(2) 管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
16週 後期定期試験. 試験時間90分.

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力30000001040
専門的能力30000001040
分野横断的能力2000000020