到達目標
1.流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定ができる.
2.流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる.
3.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.
4.管路における種々のエネルギー損失の原理を理解し,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定ができる. | 流体の物理的特性と基本的な物理量を説明でき,静水圧の算定ができる. | 流体の物理的特性と基本的な物理量を理解し,静水圧の算定が概ねできる. | 流体の物理的特性と基本的な物理量を理解せず,静水圧の算定ができない. |
流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる. | 流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を説明でき,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できる. | 流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解し,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が概ね算定できる. | 流体の基礎方程式として連続式,ナビエ・ストークス方程式,ベルヌーイの定理,運動量則を理解せず,流体中の物体に働く力やオリフィス・堰からの流出量が算定できない. |
層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる. | 層流と乱流の性質と流速分布の違いを説明でき,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる. | 層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を概ね説明できる. | 層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解せず,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義は数学,物理学の知識をもとに,静水と流水の物理学的特性について学ぶ.
キーワード:流体の物理学特性,完全流体と粘性流体,平面・曲面に作用する静水圧,流体の記述,基礎方程式(連続式,ベルヌーイの定理,運動量則,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式,レイノルズ方程式),オリフィスと堰の流出,層流と乱流,粘性底層,流体力と抵抗係数,管水路,水頭表示,ダルシー・ワイスバッハの法則,ムーディー図表,動水勾配線とエネルギー線,等
関連講義:水理学Ⅱ,水理実験,生態環境工学,等
授業の進め方・方法:
授業形式:プロジェクターを用いた資料呈示による説明を中心とし,問題演習を交えた授業を行う.
指定教科書:教科書は指定せず、講義資料を配布する.また,自学用の演習問題を適宜提供する.
評価方法:定期試験(通年4回)80%,レポート課題20%.
参考書:理解度を高める・基礎固めをするための参考図書を以下に挙げる.
・図説わかる水理学(井上和也他・学芸出版社):平易な説明と豊富な図説で初学者の基礎固めに適している.
・水理学の基礎(有田正光・東京電機大学出版局):複雑な数式を用いずに要点をまとめている.
・水理学Ⅰ(岩佐義郎他・朝倉書店):物理的・数学的に丹念な説明と式展開を行っている.より理解を深めたい学生向け.
・明解水理学(日野幹夫・丸善):高度な内容の大学生向け教科書だが,意欲のある学生は是非手に取ってほしい.
注意点:
数学(偏微分・ベクトル)や物理学(特に力学)を十分に復習し,実用上苦のないようにしておくことが望ましい.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
講義説明・水理学Ⅰの概説 |
講義の概要の説明と,水理学Ⅰの概説.
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2週 |
水の物理学的特性,次元・単位(1) |
水の物理学的特性,水の基本的な物理量,単位と次元について学ぶ.
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3週 |
水の物理学的特性,次元・単位(2) |
水の物理学的特性,水の基本的な物理量,単位と次元について学ぶ.
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4週 |
静水力学(1) |
水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
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5週 |
静水力学(2) |
水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
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6週 |
静水力学(3) |
水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
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7週 |
静水力学(4) |
水圧の性質,静水圧の計算,浮力,浮体の安定性,相対静止問題について学ぶ.
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8週 |
前期中間試験 |
試験時間60分.
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2ndQ |
9週 |
流体の記述と基礎方程式(1) |
水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
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10週 |
流体の記述と基礎方程式(2) |
水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
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11週 |
流体の記述と基礎方程式(3) |
水の流れの記述方法,基礎方程式(連続式,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式)について学ぶ.
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12週 |
流体のエネルギー保存則(1) |
ベルヌーイの定理の導出,応用(オリフィスの流出,堰の公式)について学ぶ.
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13週 |
流体のエネルギー保存則(2) |
ベルヌーイの定理の導出,応用(オリフィスの流出,堰の公式)について学ぶ.
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14週 |
流体の運動量保存則(1) |
微小区間の運動量保存則,流体が壁面へ加える力について学ぶ.
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15週 |
流体の運動量保存則(2) |
微小区間の運動量保存則,流体が壁面へ加える力について学ぶ.
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16週 |
前期定期試験 |
試験時間60分.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
層流と乱流,粘性流体(1) |
乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
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2週 |
層流と乱流,粘性流体(2) |
乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
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3週 |
層流と乱流,粘性流体(3) |
乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
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4週 |
層流と乱流,粘性流体(4) |
乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
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5週 |
流体力と抵抗(1) |
流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
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6週 |
流体力と抵抗(2) |
流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
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7週 |
管路と開水路 |
開水路と管路の定義と違いについて学ぶ.
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8週 |
後期中間試験 |
試験時間60分.
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4thQ |
9週 |
管路内の流れ(1) |
管路流れの基本理論と流速分布形について学ぶ.
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10週 |
管路内の流れ(2) |
管路流れの基本理論,乱流現象について学ぶ.
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11週 |
管路のエネルギー・水頭計算(1) |
管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
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12週 |
管路のエネルギー・水頭計算(2) |
管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
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13週 |
管路のエネルギー・水頭計算(3) |
管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
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14週 |
管路の設計(1) |
管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
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15週 |
管路の設計(2) |
管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
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16週 |
後期定期試験. |
試験時間60分.
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評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |