水理学Ⅱ(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水理学Ⅱ(前期)
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 虻川 和紀

到達目標

1.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.
2.管路における種々のエネルギー損失の原理を理解し,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを説明でき,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解し,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を概ね説明できる.層流と乱流の性質と流速分布の違いを理解せず,壁面摩擦抵抗が水流に与える影響を説明できない.
管路における種々のエネルギー損失の原理を理解し,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができる.管路における種々のエネルギー損失の原理を説明でき,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができる.管路における種々のエネルギー損失の原理を理解し,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示が概ねできる.管路における種々のエネルギー損失の原理を理解せず,ダルシー則を利用して流量・水頭の算出と動水勾配線・エネルギー線の図示ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は数学,物理学,水理学Ⅰ(3年次履修)の知識をもとに,流水の物理学的特性について学ぶ.
キーワード:基礎方程式(連続式,ベルヌーイの定理,運動量則,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式,レイノルズ方程式),層流と乱流,粘性底層,流体力と抵抗係数,管水路,水頭表示,ダルシー・ワイスバッハの法則,ムーディー図表,動水勾配線とエネルギー線,開水路,常流・射流・限界流,限界水深と等流水深,比力と比エネルギー,跳水,水面形決定問題,通水能,次元解析,無次元化と無次元量,バッキンガムのΠ定理,無次元レイノルズ方程式,フルード数・レイノルズ数・ストローハル数,フルード相似則とレイノルズ相似則,縮小モデル実験の設計
関連講義:水理学Ⅰ,水理学Ⅱ(後期),水理実験,生態環境工学,等
授業の進め方・方法:
授業形式:板書による説明を中心とし,問題演習を交えた授業を行う.適宜,プロジェクターによる参考資料・映像を提示する.
指定教科書:教科書は指定せず、講義資料を配布する.また,自学用の演習問題を適宜提供する.
評価方法:定期試験(前期2回)90%,レポート課題10%.
参考書:理解度を高める・基礎固めをするための参考図書を以下に挙げる.
 ・図説わかる水理学(井上和也他・学芸出版社):平易な説明と豊富な図説で初学者の基礎固めに適している.
 ・水理学の基礎(有田正光・東京電機大学出版局):複雑な数式を用いずに要点をまとめている.
 ・水理学Ⅰ(岩佐義郎他・朝倉書店):物理的・数学的に丹念な説明と式展開を行っている.より理解を深めたい学生向け.
 ・明解水理学(日野幹夫・丸善):高度な内容の大学生向け教科書だが,意欲のある学生は是非手に取ってほしい.
注意点:
水理学Ⅰの内容に加え,数学(特に偏微分とベクトル解析)や物理学(特に力学)を十分に復習し,実用上苦のないようにしておくことが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義説明
層流と乱流,粘性流体(1)
乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
2週 層流と乱流,粘性流体(2) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
3週 層流と乱流,粘性流体(3) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
4週 層流と乱流,粘性流体(4) 乱流の基礎方程式(レイノルズ方程式),層流と乱流の違いと流速分布形,分子粘性と渦粘性,粘性底層と境界層理論について学ぶ.
5週 流体力と抵抗(1) 流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
6週 流体力と抵抗(2) 流体中の物体が受ける力,抵抗係数とレイノルズ数との関係,摩擦抵抗の原理について学ぶ.
7週 管路と開水路 開水路と管路の定義と違いについて学ぶ.
8週 前期中間試験 試験時間90分.
2ndQ
9週 管路内の流れ(1) 管路流れの基本理論と流速分布形について学ぶ.
10週 管路内の流れ(2) 管路流れの基本理論,乱流現象について学ぶ.
11週 管路のエネルギー・水頭計算(1) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
12週 管路のエネルギー・水頭計算(2) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
13週 管路のエネルギー・水頭計算(3) 管路流れに関するエネルギーの水頭表示,ダルシー則,ムーディー図表の使い方,エネルギー線と動水勾配線の書き方について学ぶ.
14週 管路の設計(1) 管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
15週 管路の設計(2) 管路サイフォンの設計やポンプのエネルギー効率について学ぶ.
16週 前期定期試験. 試験時間90分.

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合900000010100
基礎的能力40000001050
専門的能力4000000040
分野横断的能力1000000010