水理学Ⅱ(後期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 水理学Ⅱ(後期)
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 虻川 和紀

到達目標

1.開水路におけるエネルギー則・運動量則について理解し,定常流の水面形算出方法について説明できる.
2.次元解析の基礎理論を理解し,フルード相似・レイノルズ相似を使い分けた実験モデルの設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
開水路におけるエネルギー則・運動量則について理解し,定常流の水面形算出方法について説明できる.開水路におけるエネルギー則・運動量則について理解し,定常流の水面形算出方法について説明できる.開水路におけるエネルギー則・運動量則について概ね理解し,定常流の水面形算出方法について概ね説明できる.開水路におけるエネルギー則・運動量則について理解せず,定常流の水面形算出方法について説明できない.
次元解析の基礎理論を理解し,フルード相似・レイノルズ相似を使い分けた実験モデルの設計ができる.次元解析の基礎理論を理解し,フルード相似・レイノルズ相似を使い分けた実験モデルの設計ができる.次元解析の基礎理論を概ね理解し,フルード相似・レイノルズ相似を使い分けた実験モデルの設計が概ねできる.次元解析の基礎理論を理解せず,フルード相似・レイノルズ相似を使い分けた実験モデルの設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は数学,物理学,水理学Ⅰ(3年次履修)・水理学Ⅱ前期(4年次前期履修)の知識をもとに,流水の物理学的特性について学ぶ.
キーワード:基礎方程式(連続式,ベルヌーイの定理,運動量則,オイラー方程式,ナビエ・ストークス方程式,レイノルズ方程式),開水路,常流・射流・限界流,限界水深と等流水深,比力と比エネルギー,跳水,水面形決定問題,通水能,次元解析,無次元化と無次元量,バッキンガムのΠ定理,無次元レイノルズ方程式,フルード数・レイノルズ数・ストローハル数,フルード相似則とレイノルズ相似則,縮小モデル実験の設計
関連講義:水理学Ⅰ,水理学Ⅱ(前期),水理実験,生態環境工学,等
授業の進め方・方法:
授業形式:板書による説明を中心とし,問題演習を交えた授業を行う.適宜,プロジェクターによる参考資料・映像を提示する.
指定教科書:教科書は指定せず、講義資料を配布する.また,自学用の演習問題を適宜提供する.
評価方法:定期試験(後期2回)90%,レポート課題10%.
参考書:理解度を高める・基礎固めをするための参考図書を以下に挙げる.
 ・図説わかる水理学(井上和也他・学芸出版社):平易な説明と豊富な図説で初学者の基礎固めに適している.
 ・水理学の基礎(有田正光・東京電機大学出版局):複雑な数式を用いずに要点をまとめている.
 ・水理学Ⅰ(岩佐義郎他・朝倉書店):物理的・数学的に丹念な説明と式展開を行っている.より理解を深めたい学生向け.
 ・明解水理学(日野幹夫・丸善):高度な内容の大学生向け教科書だが,意欲のある学生は是非手に取ってほしい.
注意点:
水理学Ⅰ・水理学Ⅱ前期の内容に加え,数学(特に偏微分とベクトル解析)や物理学(特に力学)を十分に復習し,実用上苦のないようにしておくことが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義説明
開水路の基礎理論(1)
開水路の定常流におけるレジーム(常流・射流・限界流),限界水深と等流水深,比エネルギー・比力の関係について学ぶ.
2週 開水路の基礎理論(2) 開水路の定常流におけるレジーム(常流・射流・限界流),限界水深と等流水深,比エネルギー・比力の関係について学ぶ.
3週 開水路の漸変定常流(1) エネルギー保存則が成立する開水路漸変定常流での断面平均ベルヌーイの定理,水面形の基礎方程式,常流・射流と積分方向の関係について学ぶ.
4週 開水路の漸変定常流(2) エネルギー保存則が成立する開水路漸変定常流での断面平均ベルヌーイの定理,水面形の基礎方程式,常流・射流と積分方向の関係について学ぶ.
5週 開水路の急変定常流(1) エネルギー損失を伴う開水路急変流部での運動量保存則と比力の適用,比エネルギーの損失,跳水前後の水深の算定について学ぶ.
6週 開水路の急変定常流(2) エネルギー損失を伴う開水路急変流部での運動量保存則と比力の適用,比エネルギーの損失,跳水前後の水深の算定について学ぶ.
7週 開水路の水面形決定 開水路定常流の水面形決定問題とその解法について学ぶ.
8週 後期中間試験 試験時間90分.
4thQ
9週 次元解析の理論(1) 物理量と次元の関係,次元解析の利点と実例,バッキンガムのΠ定理について学ぶ.
10週 次元解析の理論(2) 物理量と次元の関係,次元解析の利点と実例,バッキンガムのΠ定理について学ぶ.
11週 無次元化と無次元量(1) 水理学の主要な無次元量(フルード数・レイノルズ数・ストローハル数)の物理的意味,レイノルズ方程式の無次元化について学ぶ.
12週 無次元化と無次元量(2) 水理学の主要な無次元量(フルード数・レイノルズ数・ストローハル数)の物理的意味,レイノルズ方程式の無次元化について学ぶ.
13週 相似則とモデル設計(1) 縮小モデル設計時の相似則の必要性,フルード相似則・レイノルズ相似則の適用範囲,実際のモデル設計方法について学ぶ.
14週 相似則とモデル設計(2) 縮小モデル設計時の相似則の必要性,フルード相似則・レイノルズ相似則の適用範囲,実際のモデル設計方法について学ぶ.
15週 水理学全体の振り返り 水理学Ⅰ・水理学Ⅱを通じて学んだ事項について,要素間の関係について復習を兼ねた整理をする.
16週 後期定期試験 試験時間90分.

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合900000010100
基礎的能力40000001050
専門的能力4000000040
分野横断的能力1000000010