この授業では「物体の運動」および「電気」の学習を通して,それらの中に見出される普遍的な自然法則を,物理量間の数学的関係を求めることで解き明かすことを目的としている.法則を知ることで,未知なる現象に対する予測することができるようになることを目標とする.物理学Ⅳでは,(1)典型的な力学現象に対して微積分を用いた解析ができる,(2)電場と電位の関係を理解する,(3)直流回路を流れる電流の大きさを求めることができることを目標にする.
概要:
前半は「微積分を用いた力学解析の基礎」として,典型的な力学現象に関する運動方程式(微分方程式)の立法及び解法を中心に学ぶ.後半は「電磁気学」の基礎として,電場と電位の関係,直流回路を流れる電流の大きさについて学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業は基本的に講義形式で進め,適宜関連する例題の解説に加えて問題演習を行う.
注意点:
物理現象を言葉によって正確に説明できるよう,常に心がけること.また分からないことがあれば質問すること.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
速度と加速度,力と仕事,力積,位置エネルギー |
微積分を用いて,各物理量を求めることができる.
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2週 |
速度ベクトルと加速度ベクトル |
ベクトルの微分を用いた等速円運動の解析ができる.
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3週 |
ニュートンの運動法則 真空中での自由落下
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ニュートンの運動の3法則を説明することができる.微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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4週 |
空気中での自由落下(粘性抵抗がある場合) |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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5週 |
単振動 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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6週 |
減衰振動1 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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7週 |
減衰振動2 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
電荷と電場 |
クーロンの法則を用いて電荷間に働く力を求めることができる.点電荷のまわりの電場を求めることができる.
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10週 |
電場と電位 |
電場と電位の関係を説明することができる.一様な電場および点電荷のまわりで静電気力がする仕事を求めることができる.
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11週 |
導体と誘電体,コンデンサー1 |
導体と誘電体を説明することができる.平行版コンデンサーの電気容量を求めることができる.
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12週 |
コンデンサー2 |
平行板コンデンサーの静電エネルギーおよび並列・直列接続時の合成容量を求めることができる.
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13週 |
直流回路1 |
直列・並列接続における合成抵抗を計算できる.キルヒホッフの法則を用いて回路を流れる電流を計算できる.
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14週 |
直流回路2 |
ホイートストーンブリッジ回路の原理を説明できる.コンデンサーを含む直流回路を流れる電流を求めることができる.
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15週 |
後期定期試験 |
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16週 |
後期定期試験の返却及び解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
電気 | クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |