国文学

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 国文学
科目番号 0090 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 坂口安吾『堕落論』(集英社、1990)(随時プリントも配布する。)
担当教員 加藤 達彦

到達目標

1.文芸作品の読解を通じて、固定観念にとらわれない柔軟な発想を展開することができる。
2.自らの思考を問い直しながら、社会が抱える諸問題について多角度から考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文章や映像による情報を正確に読み取り、自らの考えを深めながら理解することができる。文章や映像による情報を読み取り、おおむね理解することができる。文章や映像による情報を読み取ることができない。
評価項目2与えられたテーマについて、自らの考えを他者に強く訴える文章として書くことができる。与えられたテーマについて、自らの考えをまとめ、誤字や脱字のないように書くことができる。与えられたテーマについて、自らの考えを書くことができない。
評価項目3文芸作品を通じて人間や社会の諸問題について主体的・積極的に判断し、主張することができる。文芸作品を通じて人間や社会の諸問題を把握し、自分の意見を持つことができる。文芸作品を通じて人間や社会の諸問題を把握することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
対象作家に関する様々なテクストや映画等を読解・鑑賞し、そこから社会の諸問題について自分の意見を持つことを目標とする。
読み、書くことによって、ものの見方、感じ方、考え方を深め、ぜひ自らの問いを発見してほしい。
授業の進め方・方法:
①テキストとプリント等を使って授業を行う。
 配布するプリントは必ずファイルし、復習できるようにすること。
②授業のなかで課題を提示し、おおよそ隔週のペースで小レポートを書いてもらう。
 この小レポートも成績に反映されるので、未提出がないように気をつけること。
③レポートの講評と解説を組み合わせて講義するので、レポートには積極的に取り組むこと。
④中間試験は行わず、前期期末試験のみ行う。
注意点:
何事にも興味・関心を持つことが大切である。
文芸作品を単に読み流すのではなく、その読書体験をきっかけにして、自らの感覚を研ぎ澄まし、思考を深めることを心掛けてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の進め方、レポートの取り組み方等を把握し、対象作家に関する基本情報を理解する。
2週 (1)「風博士」を読解する。 Farceについて理解する。
3週 (2)「風博士」を読解する。 Farceについて理解し、小説の構造を分析する。
4週 (1)「ふるさとに寄する讃歌」を読解する。 「ふるさとに寄する讃歌」の構造について理解する。
5週 (2)「ふるさとに寄する讃歌」を読解する。 対象作家独自の〈ふるさと〉という概念について理解する。
6週 (1)『吹雪物語』を読解する。 『吹雪物語』のテーマについて理解する。
7週 (2)『吹雪物語』を読解する。 『吹雪物語』のテーマを1930年代の社会状況と関連させて分析する。
8週 (1)映画鑑賞 対象作家原作の映画を鑑賞し、そのテーマについて自分の意見をまとめる。
2ndQ
9週 (2)映画鑑賞 映画を踏まえ、〈戦争〉と〈性〉の関わりについて考察する。
10週 「日本文化」を撮影する。 写真を撮ることで日本文化に関する理解を深める。
11週 「日本文化私観」を読解する。 日本文化や伝統にまつわる〈対-形象化の論理〉を理解する。
12週 探偵小説の謎解きに挑戦する。 探偵小説を読解し、トリックの構造を理解する。
13週 「不連続殺人事件」を読解する。 探偵小説が孕んでいるアポリアを実感しながら「不連続殺人事件」の特質を理解する。
14週 「桜の森の満開の下」を読解する。 演劇や映画等に再編される「桜の森の満開の下」を〈ウツ・ロ・ヒ〉という着想から考察する。
15週 前期期末試験 今までの授業内容をふまえて、設問に対して正しく解答する。
16週 試験の解答と解説 試験問題を見直し、的確な解答のポイントを確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000