到達目標
この授業では,「交流回路」「電磁波」や「原子」および微積分を利用した「力学」の学習を通して,それらの中に見出される普遍的な自然法則を,物理量間の数学的関係を求めることで解き明かすことを目的としている.法則を知ることで,未知なる現象に対する予測することができるようになることを目標とする.特に,(1)共振や電気振動,電磁波を説明することができる,(2)電子と光の2重性についてその典型的な現象について解析することができる,(3)水素原子のエネルギー準位を計算することができる,(4)典型的な力学現象に対して微積分を用いた解析ができることを目標にする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 交流に対する抵抗,コイル,コンデンサーの性質を理解し,インピーダンスを計算することができる. | インピーダンスを計算することができる. | インピーダンスを計算することができない. |
評価項目2 | 光電効果やコンプトン効果,電子線の干渉・回折などの現象を理解するとともに,これらに関係する問題を解くことができる. | 光電効果やコンプトン効果,電子線の干渉・回折などの現象に関係する問題を解くことができる. | 光電効果やコンプトン効果,電子線の干渉・回折などの現象に関係する問題を解くことができない. |
評価項目3 | 原子と原子核の関係を理解し,水素原子のエネルギー準位を求めることができる. | 諸公式を用いて,水素原子のエネルギー準位を求めることができる. | 水素原子のエネルギー準位を求めることができない. |
評価項目4 | 運動方程式を立てるとともに,それを解くことができる. | 与えられた運動方程式を解くことができる. | 与えられた運動方程式を解くことができない. |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程 2(1) 基礎知識と論理的思考能力
JABEE B-1 基礎知識と論理的思考能力
教育方法等
概要:
前半は「交流回路」「電磁波」「電子と光」および「原子と原子核」を中心に学ぶ.後半は「微積分を用いた力学解析の基礎」として,典型的な力学現象に関する運動方程式(微分方程式)の立法及び解法を中心に学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業は基本的に講義形式で進め,適宜関連する例題の解説に加えて問題演習を行う.
注意点:
物理現象を言葉によって正確に説明できるよう,常に心がけること.また分からないことがあれば質問すること.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,交流回路 |
交流に対する抵抗,コイル,コンデンサーの性質を説明することができる.
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2週 |
交流回路2 |
インピーダンス,共振,電気振動について説明することができる.
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3週 |
電磁波 |
電磁波の性質について説明することができる.
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4週 |
光の粒子性 |
光電効果やコンプトン効果を説明することができる.
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5週 |
X線,粒子の波動性 |
ド・ブロイ波長や電子線の干渉・回折を説明することができる.
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6週 |
原子と原子核 |
ラザフォードの原子模型,および水素原子のスペクトルを説明することができる.
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7週 |
原子と原子核2 |
ボーア理論に基づいて水素原子のエネルギー準位を計算することができる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
速度と加速度 |
微積分を用いて,速度と加速度を求めることができる.
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10週 |
ニュートンの運動法則 真空中での自由落下
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ニュートンの運動の3法則を説明することができる.微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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11週 |
空気中での自由落下(粘性抵抗がある場合) |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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12週 |
単振動 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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13週 |
減衰振動 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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14週 |
強制振動 |
微分方程式の形で運動方程式を立て,定常状態の解を求めることができる.
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15週 |
前期定期試験 |
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16週 |
試験返却,解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |