材料力学通論

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料力学通論
科目番号 K1801 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御・情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布
担当教員 奥山 彫夢

到達目標

1)応力とひずみの概念を説明できる。
2)応力成分が垂直応力とせん断応力に分けられることが説明でき、主応力を求めることが出来る。
3)公称ひずみと公称応力、公称ひずみと真ひずみ(対数ひずみ)の違いを応力—ひずみ曲線から説明できる。
4)たわみの微分方程式を導出し、積分法を使ってはりのたわみが計算できる。
5)外力によってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できる。
6)カスティリアノの定理により変位、たわみ角を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力とひずみの概念を説明できる。応力とひずみの定義を説明できる。応力とひずみの定義を説明できない。
評価項目2応力成分が垂直応力とせん断応力に分けられることが説明でき、主応力を求めることが出来る。応力成分が垂直応力とせん断応力に分けられることが説明できる。応力成分が垂直応力とせん断応力に分けられることが説明できない。
評価項目3公称ひずみと公称応力、公称ひずみと真ひずみ(対数ひずみ)の違いを応力—ひずみ曲線から説明できる。公称ひずみと公称応力、公称ひずみと真ひずみ(対数ひずみ)の違いを説明できる。公称ひずみと公称応力、公称ひずみと真ひずみ(対数ひずみ)の違いを説明できない。
評価項目4たわみの微分方程式を導出し、積分法を使ってはりのたわみが計算できる。積分法を使ってはりのたわみが計算できる。積分法を使ってはりのたわみが計算できない。
評価項目5引張・圧縮、曲げによってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーを計算できる。引張・圧縮、曲げによってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できる。引張・圧縮、曲げによってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できない。
評価項目6カスチリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できる。カスチリアノの定理を理解し、基本的な問題を解くことができる。カスチリアノの定理による基礎的な問題を解くことができるない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程 B-3 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
本科で学んだ応力の数学的扱いを理解し、2次元の主応力を求め、その物理的意味をできること、およびエネルギ法の一つであるカスチリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できることを目指す。
授業の進め方・方法:
適宜配布するプリントに従って講義を進める。
注意点:
授業時間以上の自学自習を行うことを忘れないように。不明な点などあれば随時質問に訪れること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点から連続体へ 2質点の相互作用から物質の微視的構造を無視できるレベルの連続体の概念が説明できる。(MCC)
2週 静力学 材料力学に必要な静力学の基本的事項を復習。(MCC)
3週 応力とひずみ 外力と内力の関係、内力と応力、伸びとひずみの関係を理解する。材料力学で扱う微小変形での応力とひずみが比例すること(フックの法則)を理解し、その比例定数である弾性係数(縦弾性係数、横弾性係数)を説明できる。(MCC)
4週 丸棒の変形 丸棒に荷重を負荷した場合の応力計算ができる。応力作用面の符号を理解し、軸力を受ける棒(断面が一様でない場合を含む)の応力、ひずみ、伸び、自重が無視できない棒の任意の断面の応力と変位を求めることができる。垂直ひずみと横ひずみの大きさの比であるポアソン比について理解する。(MCC)
5週 丸棒の不静定問題 軸力を受ける両端固定棒、剛体板で結合された3本棒などの不静定問題について、各棒に生じる応力を計算できる。(MCC)
6週 応力の座標変換と主応力 3次元の応力とひずみの定義を理解する。3次元の応力成分は9成分あり、モーメントのつり合いからせん断応力の共役関係を導出できる。応力は座標変換出来る事を二次元応力成分で理解し、主応力、最大せん断応力の計算ができる。(MCC)
7週 中間試験
8週 中間試験の返却と解説
2ndQ
9週 曲げを受けるはり内部に生ずる曲げ応力、曲げモーメント、せん断力、せん断応力 曲げを受けるはり内部に生ずる曲げ応力、曲げモーメント、せん断力、せん断応力に関する式を導出し利用できる。(MCC)
10週 単純支持はりの変形 単純支持はりに集中荷重、分布荷重、モーメント荷重がそれぞれ作用するときの変形図をイメージし、その変形図からせん断力線図と曲げモーメント線図をイメージできるようになる。(MCC)
11週 せん断力線図と曲げモーメント線図 力のつり合いとモーメントのつり合いから、仮想断面に作用するせん断力と曲げモーメントを求め、せん断力線図と曲げモーメント線図を描くことが出来る。(MCC)
12週 たわみ曲線の微分方程式 たわみ曲線の微分方程式を導出し、積分法を使って各種条件のはりのたわみを計算できる。(MCC)
13週 不静定はり 不静定はりの問題を積分法で解くことが出来る。(MCC)
14週 ひずみエネルギー 物体に外力が作用し変形した場合に、外力のなした仕事量に相当するひずみエネルギーが物体に蓄えられることを説明できる。ひずみエネルギーを外力のなす仕事からと内力のなす仕事から求めることが出来る。(MCC)
15週 カスティリアノの定理 カスティリアノの定理を理解し、片持ちはりのたわみをカスティリアノの定理を使って求めることが出来る。(MCC)
16週 ポートフォリオの発表

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3前12
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3前5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3前5
許容応力と安全率を説明できる。3前6
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3前10
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3前10,前11
多軸応力の意味を説明できる。3前14
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。3前14
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前12
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前12
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000