数値解析基礎論

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数値解析基礎論
科目番号 B2101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御・情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 和田 州平

到達目標

最先端の数値解析手法を独学するための数学的基礎力を養成する。具体的には、
1.連立一次方程式の数値解法を行うための代表的な手法(直接法としてLU分解、反復法としてガウス・ザイデル法)が理解できる
2.非線形方程式の解析的解法(ニュートン法、ラグランジュ補間)が理解でき、計算できる
3. 科学技術計算のための線形代数的手法(行列の固有値と標準形)が理解でき、計算できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1LU分解の計算ができ、三角行列の性質も理解できるLU分解の計算ができるLU分解の計算ができない
評価項目2(線形・非線形含めて)方程式の反復解法と共役勾配法の考察が出来る連立一次方程式の反復解法の収束判定ができる連立一次方程式の反復解法の収束判定ができない
評価項目3行列の対角化ができる。ジョルダン標準形を用いた考察が出来る行列の固有値・固有ベクトルが求められる行列の固有値・固有ベクトルが求められない

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程 B-2 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
最先端の数値解析手法を独学するための数学的基礎力を養成する。
線形・非線形の方程式の数値解法を学んだ上で、線形代数、特に行列論について解説する。
この科目は企業でアルゴリズム設計を担当していた教員が、その経験を活かし、アルゴリズム設計の基礎となる数学について、講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は講義+演習形式で行う、講義中は集中して聴講し、演習中はグループでの議論に積極的に参加すること
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 数値解析基礎論で学ぶ内容を理解し、概要を説明できる。
2週 連立一次方程式の直接解法(1) ガウスの消去法とLU分解について理解し、計算できる。
3週 連立一次方程式の直接解法(2) 行の交換を含んだLU分解について理解し、計算できる。三角行列の性質について理解し、計算できる。
4週 連立一次方程式の反復解法と共役勾配法 ヤコビ法とガウスザイデル法の収束条件を理解し、計算できる。共役勾配法について概要が理解できる。
5週 非線形方程式の反復解法 ニュートン法と縮小写像の原理、及び関数の不動点の求め方が理解でき、説明できる。
6週 関数近似問題(1) 関数空間の概念が理解できる。多項式近似の方法(ラグランジュ補間)について理解し、計算できる
7週 関数近似問題(2) 多項式近似の方法(ニュートン補間)について理解し、計算できる。第1週目からこの段階までの演習問題が解ける。
8週 演習 第1週目から第7週目までの応用問題を解くことができる。
2ndQ
9週 行列論(1) 有限次元ベクトル空間と線形作用素および表現行列について理解し、計算できる
10週 行列論(2) 行列の固有値と固有ベクトルおよび判別式について理解し、計算できる。行列の対称性、正規性、自己共役性、正定値性、直交性、ユニタリ性を用いて固有値を求める。
11週 行列論(3) スペクトル写像定理が理解でき、これを用いて行列を変数とする関数の計算ができる
12週 行列論(4) スペクトル写像定理を特殊な行列の固有値計算に応用できる。三重対角行列や巡回行列の固有値が求められる。
13週 行列論(5) 行列の標準形(対角化、三角化)が理解でき、その応用問題が解ける。ジョルダン標準形が理解できる。
14週 ハウスホルダー法 ハウスホルダー法が理解できる
15週 演習 第1週目から第14週目までの演習問題と応用問題を解くことができる。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
0000000
期末試験10000000100