応用数学特論

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学特論
科目番号 K0301 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御・情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 担当教員が作成した教科書(PDF)を無償配布する。ただし、個人的使用を除いて複製再配布を一切禁じる。
担当教員 関口 昌由

到達目標

線形空間、基底と次元、線形写像、表現行列、固有空間、ジョルダン標準形に関する諸概念を理解し、標準的な問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 線形空間、基底と次元様々な線形空間に対し、適当な基底を定められ、次元と任意のベクトルの成分表示を求められる。基底を正規直交化できる。所与の線形空間の基底に対する任意のベクトルの成分表示を求められる。所与の線形空間の基底に対する任意のベクトルの成分表示を求められない。
評価項目2 線形写像と表現行列所与の線形空間の間の線形写像を表現する行列を求めることができる。基底の交換に対応して表現行列を変換できる。所与の線形空間の間の線形写像を表現する行列を求めることができる。所与の線形空間の間の線形写像を表現する行列を求めることができない。
評価項目3 固有空間とジョルダン標準形固有値と一般固有空間を求めることができる。4次までのジョルダン標準形を求めることができる。固有値を求めることができる。3次までのジョルダン標準形を求めることができる。2次のジョルダン標準形を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科課程 B-1 説明 閉じる
JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科2、3年生のときに学んだ線形代数の内容をさらに抽象化したベクトル空間を学ぶ。具体的にはベクトル空間を土台として、基底、線形写像、階数などの諸概念や(一般)固有空間を通して、対角化やジョルダン標準形の意味とその計算方法を学ぶ。
使用言語として日本語と英語を想定している。
授業の進め方・方法:
(1) 前回までの理解・定着度の確認テスト:授業中の15分程度(Review Quiz)、出席状況を把握するために利用する。単に教室に存在しているだけでは出席と見なされない。
(2) 当日分の解説と質疑応答:      授業中の75分程度(Explanation, Q&A)
(3) 当日分の理解を定着させるための宿題:授業後の90分程度(Homework Assignment)、成績評価に反映させる。
注意点:
内容の理解と定着のため、教科書の熟読と問題演習に主体的に取り組むことが必要である。また、自ら関連図書を図書館等で検索し熟読するべきである。
内容が抽象的であるが、それを理由に学習を忌避してはならない。「抽象的=応用可能性が高い」ととらえ、意欲的に取り組んでほしい。
英語の使用にあたっては、受講者の受容度を確認しながら進めるので心配しなくてよいが、甘えることなく挑戦してほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、
本科の線形代数の復習(1)
空間直線・平面のベクトル方程式を求められる。連立一次方程式を解ける。線形写像による直線や平面の像を求められる。
2週 代数学的基礎(群、体、ベクトル空間)と例示 与えられた集合が群、体、ベクトル空間かどうか判定できる
3週 線形独立、基底、次元 与えられたベクトル空間の基底と次元を求めることができる。
4週 部分空間、ベクトル空間の和、直和分解、補空間 ベクトル空間の和を求めることができる。ベクトル空間を直和分解できる。部分空間の補空間を求めることができる。
5週 線形写像と線形変換 線形写像や線形変換における射影、拡大縮小、回転を例示できる。
6週 基底変換、線形写像の表現行列 与えられた線形写像の表現行列を求めることができる。
7週 線形写像の像、核、および次元定理 線形写像の像空間、核空間を求めることができる。
8週 中間試験 第7週までの範囲
4thQ
9週 本科の線形代数の復習(2) 固有値、固有ベクトルを求められる。行列を対角化できる。対称行列を直交行列で対角化できる。
10週 エルミート行列とユニタリ行列 エルミート行列をユニタリ行列で対角化できる。
11週 対角化可能性 重複実固有値の場合の対角化可能性を判別できる。非実固有値の場合の固有空間を求められる。
12週 内積と直交補空間 内積の公理的定義に基づきベクトルのノルムを求められる。直交補空間を求められる。
13週 一般固有空間 一般固有空間を求められる。
14週 ジョルダン標準形 2次、3次、4次の場合で、ジョルダン標準形を求められる。
15週 定期試験 第9週から第14週までの範囲
16週 答案返却、試験問題解説、および対角化の応用 (対角化の応用として)行列指数関数を理解できる。

評価割合

試験発表相互評価態度宿題その他合計
総合評価割合86000140100
基礎的能力86000140100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000