概要:
機械を設計するには、部品に適した材料を選択できなければならない。また、機械をメンテナンスするには、部品に使われている材料が使用環境から受ける影響や経時変化を知っていなければならない。これらに必要な材料学の基礎的な知識を学ぶ。予備知識として高校の化学、物理および関数の知識が必要である。材料学については何も知らないという前提で進める。
授業の進め方・方法:
【方法】講義、演習を組み合わせる。講義中も積極的に指名して質問を投げかける。
【内容】
固体の構造、格子欠陥、拡散など材料学の基礎事項を概観する。
材料の地図とも言える平衡状態図の読み方を学び、平衡状態図をもとに鉄鋼材料の熱処理を理解する。
20世紀における金属学の最大の成果とも言える転位について概観した後、転位の理解をもとに材料の強度とは何か、強度を高めるにはどうすればよいかを学ぶ。
注意点:
いくつかの概念が相互に説明しあっていることも少なくないので、1回の授業で説明されたことがその授業中に必ずしもすべて理解できなくても気にしなくてよい。そのかわり、理解できない事項があってもめげずに、とりあえずそこを保留にしたまま先へ進むことと、復習を十分行うこととが大切である。ジグソーパズルの欠けていた部分にあてはまるピースがずっと後で見つかるように、最後には「ああ、そういうことだったのか」と全体が理解できるようになるはずである。
授業90分に対して教科書・参考図書・配布物を活用して180分以上の予習・復習を行うこと
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 5 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 5 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 5 | |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 5 | |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 5 | |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 5 | |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 5 | |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 5 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 5 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 5 | |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 5 | |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 5 | |
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。 | 5 | |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 5 | |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 5 | |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 5 | |
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。 | 2 | |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 3 | |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 5 | |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 2 | |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 5 | |
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。 | 2 | |
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 5 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 5 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 4 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 5 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 5 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 5 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 5 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 5 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 5 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 5 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 5 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 5 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 5 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 5 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 5 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 5 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 5 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 4 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 4 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 5 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 5 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 5 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 5 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 4 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 4 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 4 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 4 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 4 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 4 | |