材料学通論

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料学通論
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 黒田大介編著「機械・金属材料学」実教出版 3,190(税10%込)
担当教員 青葉 知弥

到達目標

固体の構造、格子欠陥、拡散など材料学の基礎事項を簡単に説明できる。鉄およびアルミの製造法概要を説明できる。
簡単な模式的平衡状態図を読むことができる。転位の定義およびはたらきを簡単に説明できる。また材料の強化機構を簡単に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体の構造、格子欠陥、拡散、鉄・アルミ製造法、転位の定義・はたらき、強化機構相互の関係まで説明できる。それぞれを簡単に説明できる。定義を説明できない。
平衡状態図の読み方、Fe-C系平衡状態図材料の製造工程や部品の使用環境において、材料のとる相を状態図から予測することができる。指示された組成および温度における平衡相およびそれが混合相の場合はそれぞれの相の溶質濃度および体積分率を答えることができる。全率固溶体型状態図、共晶(共析)型状態図、包晶(包析)型状態図を正しく読むことができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
機械を設計するには、部品に適した材料を選択できなければならない。また、機械をメンテナンスするには、部品に使われている材料が使用環境から受ける影響や経時変化を知っていなければならない。これらに必要な材料学の基礎的な知識を学ぶ。予備知識として高校の化学、物理および関数の知識が必要である。材料学については何も知らないという前提で進める。
授業の進め方・方法:
【方法】講義、演習を組み合わせる。講義中も積極的に指名して質問を投げかける。
【内容】
固体の構造、格子欠陥、拡散など材料学の基礎事項を概観する。
材料の地図とも言える平衡状態図の読み方を学び、平衡状態図をもとに鉄鋼材料の熱処理を理解する。
20世紀における金属学の最大の成果とも言える転位について概観した後、転位の理解をもとに材料の強度とは何か、強度を高めるにはどうすればよいかを学ぶ。
注意点:
いくつかの概念が相互に説明しあっていることも少なくないので、1回の授業で説明されたことがその授業中に必ずしもすべて理解できなくても気にしなくてよい。そのかわり、理解できない事項があってもめげずに、とりあえずそこを保留にしたまま先へ進むことと、復習を十分行うこととが大切である。ジグソーパズルの欠けていた部分にあてはまるピースがずっと後で見つかるように、最後には「ああ、そういうことだったのか」と全体が理解できるようになるはずである。
授業90分に対して教科書・参考図書・配布物を活用して180分以上の予習・復習を行うこと

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 金属材料の性質 金属材料の性質を簡単に説明できる。
3週 結晶構造 結晶構造を簡単に説明できる。
4週 格子欠陥 格子欠陥を簡単に説明できる。
5週 金属の塑性変形 金属の塑性変形の機構と、すべり系について説明できる。
6週 金属の強化機構 金属の強化機構について簡単に説明できる。
7週 相変態と平衡状態図 相変態の概念を簡単に説明できる。全率固溶体型・共析型・包析型状態図を読める。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の返却と解説
10週 Fe-C系状態図と熱処理 Fe-C系状態図におけるフェライト、オーステナイト、セメンタイト、パーライトを簡単に説明できる。
11週 鉄鋼材料の製法 鉄鋼材料の製法について簡単に説明できる。
12週 炭素鋼の熱処理1 炭素鋼を熱処理によって起こる現象について簡単に説明できる。
13週 炭素鋼の熱処理2 TTT線図とCCT線図について簡単に説明できる。
14週 金属の凝固過程 金属の凝固過程について簡単に説明できる。
15週 定期試験
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000