情報セキュリティ演習II

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 情報セキュリティ演習II
科目番号 0003 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 特別学修 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書/教材は適宜配布する
自身のWindowsPC(Windows10 or 11、8BG以上のメインメモリ、100GB以上のHDD)が必要です

【 重要 】CPUのアーキテクチャは、x64 でお願いします
※アップルシリコンやスナップドラゴンでは、動作の保証ができませんので、x64 にてお願いします
担当教員 米村 恵一,中田 亮太郎

到達目標

世界はICTシステムなしには動かないものとなっている。そして、ICTシステムにはサイバー空間が存在しており、陸・海・空・宇宙に次ぐ重要な空間である。近年、サイバーセキュリティに関する出来事が多く人の目に触れることになり、普段の生活の中でサイバーセキュリティを意識するようになってきている現状がある

安全・安心な生活を確保するためには、安全なICTシステムの存在が必須であり、その安全を支えるサイバーセキュリティ技術が必須である。本講義では、演習を通して、社会の安全・安心を確立し、保っていくための守る力を得る。サイバー攻撃が社会に与える影響を学び、倫理観をより高める

サイバー攻撃を知らなければ、守る力を得ることはできない。守る方法としては、直接、不正な侵入を阻止するための手段の他に、侵入されてしまったケースに対する、侵入後の状況の把握、安定状態への復旧、さらなる侵入を阻止するための堅牢化(要塞化)といった方法論があり、本講義では、その知識・スキルを習得する

到達目標は、サイバーセキュリティの法律・心理学を知る、マルウェアデータサイエンス・AI×サイバーセキュリティを理解する、OSINT演習/Red team演習・Blue team演習を通してサイバー攻撃と防御の本質を習得することである

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
サイバーセキュリティの法律・心理学サイバーセキュリティの法律・心理学をよく理解し、適切な対応ができるサイバーセキュリティの法律・心理学を理解し、対応ができるサイバーセキュリティの法律・心理学を理解できない
マルウェアデータサイエンス・AI×サイバーセキュリティマルウェアデータサイエンス・AI×サイバーセキュリティをよく理解し、適切な対応ができるマルウェアデータサイエンス・AI×サイバーセキュリティを理解し、対応ができるマルウェアデータサイエンス・AI×サイバーセキュリティを理解できない
OSINT演習/Red team演習・Blue team演習OSINT演習/Red team演習・Blue team演習をよく理解し、適切な対応ができるOSINT演習/Red team演習・Blue team演習を理解し、対応ができるOSINT演習/Red team演習・Blue team演習を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、サイバーセキュリティの法律・心理学、マルウェアデータサイエンス、AI×サイバーセキュリティ、OSINT演習/Red team演習、Blue team演習を、座学と演習を通して実践的に学ぶ

本講義は集中講義であり、令和7年度のスケジュールは以下の通りである
第1回 8/19(火) 13:00-14:30 オリエンテーション
第2回〜第4回 8/20(水) 13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50 OSINT演習/Red team演習
第5回〜第7回 8/21(木) 13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50 Blue team演習
第8回〜第9回 オンデマンド サイバーセキュリティの法律
第10回〜第11回 9/2(火) 13:00-14:30, 14:40-16:10] マルウェアデータサイエンス
第12回〜第13回 9/3(水) 14:40-16:10, 16:20-17:50] サイバーセキュリティの心理学
第14回〜第15回 9/4(木) 13:00-14:30, 14:40-16:10] AI×サイバーセキュリティ
授業の進め方・方法:
【 授業の進め方 】
知識ベースの内容に関しては、実践事例を考えることで活きる知識としての定着を図る
演習ベースの内容に関しては、自身のPCに演習環境を構築し、サイバーセキュリティ演習を実践する
また、講師が用意した演習環境にアクセスし、サイバーセキュリティ演習を実践する

【評価方法】
サイバーセキュリティの法律のレポート課題(15%)
サイバーセキュリティの心理学のレポート課題(15%)
マルウェアデータサイエンスのレポート課題(15%)
AI×サイバーセキュリティのレポート課題(15%)
OSINT演習/Red team演習のレポート課題(20%)
Blue team演習のレポート課題(20%)
で評価する
注意点:
理想的な結果を得ることは重要であるが、いわゆる正解を導き出すことよりも大切なのは、その過程で考えること・考えたことである
例えば、受講している他の高専生との議論も大切な時間となる

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション:サイバーセキュリティとは、演習環境の使い方、Linuxの使い方、プログラミング系演習で必要になる知識、ツールの操作方法 サイバーセキュリティとは何かを概観し、本科目にて触れる範囲を把握する
演習形式の講義において用いる演習環境の使い方、Linuxの使い方について、演習に耐えうる一定以上のスキルを習得する
演習形式の講義では、プログラミングスキルが必要になるものもあるため、その演習の課題を達成することができるレベルまで到達する
2週 OSINT演習1 オープンソースから情報収集する観点を理解する
3週 OSINT演習2 機密情報へアクセスするために情報を統合して考える
4週 Red team演習:サイバー攻撃の流れ サイバー攻撃の流れを理解し、システムに対する攻撃を実施する
5週 Blue team演習1:組織のITセキュリティ戦略とソリューション(一部演習を含む) エンドポイントとネットワーク双方のセキュリティソリューションを活用する一般的な企業環境におけるITセキュリティ構成を理解する
6週 Blue team演習2:侵害を検知、防御、解析するための要素技術(一部演習を含む) エンドポイントとネットワーク双方で侵害を検知、防御、解析するための基本的な技術要素とセキュリティソリューションの適用方法を理解する
7週 Blue team演習3:インシデントへの対応(CTF形式の演習) 基礎技術やセキュリティソリューションを活用して疑似的なインシデント対応を行う
8週 サイバーセキュリティの法律1:プライバシー・個人情報保護 サイバーセキュリティに関する法律の概要を知る
プライバシー・個人情報保護の法的課題を知る
4thQ
9週 サイバーセキュリティの法律2:サイバー犯罪 コンピュータウイルス、不正アクセス、迷惑メールなどのサイバー犯罪の法的課題を知る
10週 マルウェアデータサイエンス1:コード分析 コードの分析から、マルウェアの挙動を調べる
11週 マルウェアデータサイエンス2:データの視覚化 データを視覚化することで、マルウェアの目的を考える
12週 サイバーセキュリティの心理学1: 情報セキュリティ事故やサイバー犯罪について、心理学の視点から理解する
13週 サイバーセキュリティの心理学2: 多角的に対策を考えるための知識や考え方を習得する
14週 AI x サイバーセキュリティ1:AIセキュリティの研究動向 AI自身の脆弱性を理解する
15週 AI x サイバーセキュリティ2:生成AI x セキュリティ 生成AIのセキュリティ応用の可能性と新しい脅威を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
サイバーセキュリティの法律1515
サイバーセキュリティと心理学1515
マルウェアデータサイエンス1515
AI x サイバーセキュリティ1515
OSINT演習/Red team演習2020
Blue team演習2020