機械工学演習Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械工学演習Ⅰ
科目番号 10020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 吉澤武男編著、新編JIS機械製図第5版、森北出版、長澤貞夫他、基礎製図練習ノート、実教出版、中村邦雄編著、計測工学入門、森北出版、住野和男他、絵解きでわかる機構学、オーム社
担当教員 齊藤 浩一,冨沢 哲雄,多羅尾 進

到達目標

(1)JISに基づく機械製図法を習得し、正確な図面が描けるようになる。
(2)SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、各種の基本的な物理量,工業量を求める機械計測の原理や手順を理解し、応用できるようになる。
(3)機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算ができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1JISによる製図法を正しく習得し、正確な製作図が描ける。JISによる製図法をよく理解し、製作図が描ける。JISによる製図法を理解し、簡単な製作図が描ける。JISによる製図法を理解できず、製作図が描けない。
評価項目2SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を深く理解し、応用することができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解し、扱うことができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解できる。SI単位系、不確かさ、有効桁数、測定の基礎や簡単な統計的処理を理解できない。
評価項目3機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算が正確にできる。機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算ができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解できる。機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案ができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械系技術者は、設計・製図・製作・実験・解析をそれぞれ行う必要がある。工学言語ともいわれる図面作成能力を養成するとともに、計測技術や統計的処理の基礎を身に着け、工学現象を考察する能力を習得したり、機械の基本である機構学の基礎を習得する。
授業の進め方・方法:
製図法講義と製図実習、計測工学・機構学の基礎の講義と演習を教室で実施する。製図実習について毎回のドリルを終了させ提出する。計測工学と機構学については、筆記試験を実施する。
注意点:
製図演習では、製図用具一式を用意し、方眼紙を使用するので、指定の用紙を各自事前に準備して持参すること。授業時間内に作成が完了するように集中して取り組むこと。図面等の提出期限は厳守すること。授業の予習と復習は自学自習により積極的に取り組むこと。なお、単位取得にはすべてのレポートや図面が受理されているとともに試験で最低限の得点を取得することが要する。計測工学と機構学では数学、物理学、化学の分野を復習しておくこと。電卓をいつも持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 (1)計測の意味、物理量と工業量
(2)ノギス、マイクロメータ
(1)計測の意味、物理量と工業量について説明できる。
(2)ノギス、マイクロメータを用いた測定ができる。
2週 (1)製図用文字・記号・線と用具の使用方法
(2)直接、間接測定法および量と単位、SI単位系
(1)機械製図の文字・記号・線の種類と用途を理解できる。
械製図の線の種類と用途を理解し、描ける。直線のつなぎ方、円弧の描き方を理解し、描ける。
(2)直接、間接測定法および量と単位、SI単位系について説明できる。
3週 (1)数字・記号
(2)標準とトレーサビリティ、誤差、精密さ、正確さなど
(1)機械製図で用いる数字・記号を描ける。
(2)準とトレーサビリティ、誤差、精密さ、正確さなどについて説明できる。
4週 (1)ラテン文字
(2)最小二乗法、確率密度関数
(1)機械製図で用いるラテン文字を描ける。
(2)最小二乗法、確率密度関数について説明できる。
5週 (1)漢字
(2)正規分布や確率分布、有効数字
(1)機械製図で用いる漢字を描ける。
(2)測定値の誤差、誤差の種類について説明できる。
6週 (1)線の種類と練習
(2)近似式、定値の信頼度
(1)機械製図で用いる線の種類を区別して描ける。
(2)近似式、定値の信頼度について説明できる。
7週 (1)直線のつなぎ方
(2)力、圧力の測定
(1)機械製図で用いる直線を適切につなげて描ける。
(2)力、圧力の測定について説明できる。
8週 (1)円弧の練習
(2)粘度、温度の測定、 電気計測の基礎
(1)機械製図で用いる円弧を描ける。
(2)粘度、温度の測定、 電気計測の基礎について説明できる。
2ndQ
9週 中間試験 ここまでを概観し、試験問題と解答を理解する。
10週 (1)投影法
(2)機械、機構、自由度、機構の自由度
(1)投影法を理解し、図面を描ける。
(2)機械、機構、自由度、機構の自由度について説明できる。
11週 (1)寸法記入法
(2)瞬間中心、速度、加速度
(1)寸法記入法を理解し、図面を描ける。
(2)瞬間中心、速度、加速度、リンク機構について説明でき、機構の各部速度が求められる。
12週 (1)等角図と展開図
(2)リンク機構
(1)等角図と展開図を理解し、図面を描ける。
(2)リンク機構について説明でき、簡単なリンク機構の各部の速度が求められる。
13週 (1)表面性状
(2)カム機構
(1)表面性状について理解し、図面中に描ける。
(2)カム機構について説明でき、簡単なカム線図を描ける。
14週 (1)公差
(2)摩擦伝導
(1)公差を理解し、図面中で使用できる。
(2)摩擦伝導について説明できる。
15週 (1)幾何公差
(2)歯車
(1)幾何公差を理解し、図面中で描ける。
(2)歯車について説明できる。
16週 (1)展開図
(2)歯車列
(1)展開図を理解し、描ける。
(2)基本的な歯車列の速比を計算できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野設計製図図面の役割と種類を適用できる。3前2
製図用具を正しく使うことができる。3前2
線の種類と用途を説明できる。3前6,前7,前8
物体の投影図を正確にかくことができる。3前10,前11
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。3前12
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。3前13
部品のスケッチ図を書くことができる。3前12
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3前13,前15,前16
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4前2,前9
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4前5,前6
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前3,前4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4前9
分野別の工学実験・実習能力機械系分野(実験・実習能力)機械系分野(実験・実習能力)ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3前1
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3前1
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3前1

評価割合

試験図面合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100