デザイン工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 デザイン工学
科目番号 10420 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 PPTスライド、資料を別途配布。ロボットシステムの製作にはSTEM教材キットを各班に貸与する。
担当教員 原口 大輔

到達目標

我が国の新産業として期待されるロボットシステム・インテグレーター(ロボットSIer)ビジネスの概要を知り、システムデザイン&インテグレーションのプロセスに沿ったロボットシステム開発の実践を通じて、ロボットSIer人材の素養を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットSIerの業態と産業課題について国内外の動向や具体的事例を交えて説明できるロボットSIerの業態と産業課題について概要を説明できるロボットSIer事業について概要を説明できない
評価項目2ロボットシステムインテグレーションのプロセスモデルに沿って実際のものづくり工程を分割し計画することができるロボットシステムインテグレーションのプロセスモデルの概要を説明できるロボットシステムインテグレーションのプロセスモデルについて説明できない
評価項目3要件定義、基本設計、検証計画など上位の小規模な技術文書を適切に作成することができる上位の技術文書の概要を説明でき、設計図面やテスト報告書などの下位の技術文書を作成することができる一連の技術文書の概要を説明できない
評価項目4システムを機能ごとに分割設計し、品質やユーザビリティを考慮して適切に実装できるシステムの主要機能や動作を実装できる決められた設計仕様に沿ってシステムを実装できない
評価項目5グループワークを積極的に主導し、成果を魅力的に発表することができるグループワークに貢献し、成果を発表することができるグループワークに参加せず、成果を発表できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
我が国の新産業として期待されるロボットシステム・インテグレーター(ロボットSIer)ビジネスの概要を知り、システムインテグレーションのプロセス標準に沿って顧客の課題や要望に応えるロボットシステムの設計開発プロセスを、少人数のグループ活動を通じて演習し模擬体験する。Project-Based Learning形式の授業である。
授業の進め方・方法:
毎回の授業において前半はロボットシステム・インテグレーションの各プロセスの概要と進め方についてPPTスライドを使った短い講義を行い、後半では各グループで計画したロボットシステムの設計開発に取り組む形式で進める。開発における実際のものづくりは、STEMキット教材および3Dプリンタを用いて行う。各フェーズでの成果についてレビュー会を開催し、グループメンバーで分担して資料作成と発表を行う。
注意点:
履修科目でありグループで作業を行うことから、積極的な参加が単位取得の必須要件となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ロボットSIerの役割と魅力
課題テーマ(ユーザー要望)提示
ロボットSIerの概要について説明できる。グループにて課題解決のためのロボットシステムについてディスカッションを行う。
2週 ロボットシステム・インテグレーションのプロセスモデルとシステムエンジニアリング ロボットシステム・インテグレーションのプロセスモデルの概要ならびにシステムエンジニアリング手法との関係性を説明できる。
3週 企画構想フェーズの概要と見積仕様書の内容 企画構想フェーズのアウトプットとして見積仕様書の作成要領を説明できる。
4週 ロボットシステムの構想検討、先行技術検証、見積仕様書の作成 開発するロボットシステムの構想および見積仕様書の分担作成を実施する。
5週 企画構想レビュー グループメンバーが分担して、作成した見積仕様書の内容を発表する。
6週 設計/製造フェーズの概要と設計仕様書/テスト仕様書の内容 設計/製造フェーズのアウトプットとしての各種設計仕様書およびテスト仕様書の作成要領を説明できる。
7週 リスクアセスメント
ロボットシステムの基本設計
ロボットシステム設計におけるリスクアセスメントの手法を説明できる。ロボットシステムの基本設計を完了する。
8週 ロボットシステムの詳細設計、各仕様書の作成 ロボットシステムの詳細設計および各仕様書の分担作成を実施する。
2ndQ
9週 仕様定義レビュー グループメンバーが分担して、作成した設計仕様書およびテスト仕様書の内容を発表する。
10週 テストフェーズの概要とテスト報告書の内容 テストフェーズのアウトプットとしてのテスト報告書の作成要領を説明できる。
11週 品質マネジメント
ロボットシステムの内部テスト実施
品質マネジメントシステムの概要を説明できる。ロボットシステムの内部テスト(単機能テスト)を完了する。
12週 ロボットシステムの統合テスト実施
テスト報告書の作成
ロボットシステムの各種テストの結果を報告書として作成する。
13週 テストレビュー グループメンバーが分担して、作成したテスト報告書の内容および動作試験の様子を動画等を含めて発表する。
14週 アフターサービス
ユーザーテスト(妥当性確認)ならびにロボットシステムの最終調整
アフターサービスの概要を説明できる。ロボットシステムのユーザーテストおよび最終調整を完了する。
15週 納品報告会(デモ発表会) 各グループが開発したロボットシステムの実機デモを交えた最終成果報告を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前3,前6,前10
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前3,前7,前11,前14
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前4,前6,前7,前8,前10
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前2,前3,前6,前8,前10,前12
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前5,前6,前9,前10,前12,前13,前15
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前4,前5,前7,前11,前14

評価割合

試験資料作成と発表チーム成果チームへの貢献合計
総合評価割合070201000100
基礎的能力0100100020
専門的能力0402000060
分野横断的能力020000020