到達目標
生体材料工学とは生物工学とは生物材料を工学的に利用するための学問である。その概論を学び,発酵工学,酵素工学など一連の生物工学の基礎を理解してもらう.次にバイオプロセスの設計の基礎として,収支式をたてて,モデル化する基礎方程式を理解し,生物化学工学や生物物理化学などのより高度な生物工学への応用ができるようになる.また,生物を用いて環境の質の改善や評価を行う手法を学び,環境と生物の関連を理解することを到達目標とする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
生物反応と化学反応の違い | pHやDOなどの諸因子の関係 | 温度に依存することを理解する | 化学反応との相違点が分かること | 化学反応と同様というわけではないことが分からない |
生物反応の速度論 | 基質消費と生産物生産速度の理解 | 増殖速度論の理解 | 細胞数あたりの概念が理解できる | 細胞数に依存する概念が理解できないこと |
生物の培養方法 | 培養方法それぞれの利点と欠点 | 種々の培養方法があることを理解 | pHや温度や基質の必要性を理解 | 生物の培養に必要な環境条件が分からないこと |
発酵の基礎の理解 | 制御用件の理解 | 反応の理解 | 生成物の理解 | 発酵という反応が分からない |
生物と環境の関わりについて | これからあるべき環境と生物の姿を俯瞰できる | 生物と環境に密接な関わりがあることを,実例を示して説明できる | 生物と環境に関わりがあることを直感的に理解できる | 生物と環境の関わりについて,意識ができない |
生物の定義,生物の機能 | 生物の5つの機能が理解できること | 生物の定義が説明できること | 生物が生きるのに必要な条件が説明できること | 生物が生きるために必要な条件を複数個列挙できない |
生物を使った環境問題の解決方法について | 具体的な技術を複数説明できる | 具体的な技術の一つを説明できる | 生物を使った環境問題の解決法の存在を認識できる | 生物を使った環境問題の解決法の存在を認識できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学から生物を利用する立場からの学問である。よって工学的な切り口で生物現象を評価するセンスのよさが求められる。決して生物そのものを勉強するための授業ではない。そのため,本科目の履修に際しては,相当程度の化学のバックグラウンドが求められる.また,環境との関わりについても,切っても切り離せないので,貴君の専門という切り口から考えてもらう.
授業の進め方・方法:
授業では,発言や発表を求めることがある.定期試験とレポートと態度で評価する.レポートは毎時間に課す.このレポートの作成は予習・復習が必要である.レポートの題材の収集として,日常的に新聞の技術的な記事(生物工学など)などに目を通しておかれたい.態度とは遅刻,早退を含めた授業に対する集中度を評価する.10点を基準として授業中の内職,睡眠,私語について回数をマイナスにカウントし,逆に授業中の発言や発表の回数もプラスにカウントする.これらを算術的に足し引きして態度点として評価する.
注意点:
生物学,化学工学を基礎とする。本科目は予習と復習を前提としている。自学自習をしっかりやって授業に臨むこと.比較的人数が多くなるため,他人に迷惑をかけるような言動は慎むこと.評価割合の態度20%をしている.私語や内職などを厳に慎むこと.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業案内 |
生物材料工学とはどんな学問か?概要を理解する
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2週 |
生物とは?個体と細胞レベルの違い |
5つの機能の詳細が説明できるようになること
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3週 |
生物反応と工学プロセス |
生物反応の特徴,化学反応との違いを理解する
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4週 |
種々の生物工学関連学問 |
発酵工学,遺伝子工学との関係を理解する
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5週 |
生物活動の基礎 |
生物に必要な因子を理解する
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6週 |
増殖速度論 |
モノー式を理解する
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7週 |
基質の消費と代謝産物の生成,呼吸,培養のモデリング |
比基質消費速度など細胞数当たりの量を理解する.流下培養,連続培養の利点と欠点を知る.DOの制御方法の理解
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8週 |
中間的なまとめと試験 |
ここまでの授業の振り返りと試験
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2ndQ |
9週 |
生物と環境の関わりについて |
環境の構成要素である生物の役割,意義
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10週 |
生物多様性について |
絶滅危惧種,外来種などの定義や考え方が理解できること
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11週 |
生物への化学物質の移行,生態毒性について |
食物連鎖により生物濃縮を受けるメカニズムを理解する
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12週 |
バイオアッセイ |
生物を使った毒性試験の概要を理解する
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13週 |
生物を使った環境の浄化方法について |
活性汚泥処理,バイオレメディエーションを理解する
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14週 |
薬物代謝から人工臓器までを俯瞰する |
生物材料工学の応用を考察する
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15週 |
環境工学や生物工学との融合・複合 |
学際領域である生物材料工学を俯瞰する
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 60 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 30 | 20 | 60 |
専門的能力 | 5 | 20 | 0 | 25 |
分野横断的能力 | 5 | 10 | 0 | 15 |