機械材料学A

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械材料学A
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械材料学 平河賢爾・大谷泰夫・遠藤正浩・坂本東男著 朝倉書店
担当教員 武雄 靖

到達目標

機械を構成する主材料である金属材料について、自動車、家電などで実際の材料使用事例を調査学習し、金属の結晶構造、金属組織、熱処理を理解する。機械設計を行う上で重要となる金属材料の引張試験、硬さ試験、組織観察などの評価技術を学び、Fe-C系平衡状態図から鋼の組織を予測できること、金属の強度に影響を及ぼす転位や加工硬化を理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属の主な結晶構造と塑性変形の関連について説明できる金属の結晶構造について説明できる金属の結晶構造について説明できない
評価項目2Fe-C系平衡状態図から鋼の組織を予測できること共晶系2元合金系平衡状態図を理解し説明できる全率固溶型2元系平衡状態図が説明できない
評価項目3鋼の焼入り、焼き戻し、焼準しを理解し説明できる鋼の焼き入れを理解できる鋼の熱処理について説明できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械を構成する主材料である金属材料について、自動車、家電などで実際の材料使用事例を調査学習し、金属の結晶構造、金属組織、熱処理を理解する。機械設計を行う上で重要となる金属材料の引張試験、硬さ試験、組織観察などの評価技術を学び、Fe-C系平衡状態図から鋼の組織を予測できること、金属の強度に影響を及ぼす転位や加工硬化を理解することを目標とする。 鋼に関する強度、ヤング率、硬さ、焼入れ・焼戻し等の熱処理の基礎知識を身につけ、鋼を使用する機械設計が行えるようにする。機械設計のために必要な基礎科目である機械設計法(3年次履修)、材料力学(3・4年次履修)、基礎機械要素(4年次履修)のための鉄鋼材料の知識および鉄鋼材料選択能力を提供する。

授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う、講義中は集中して聴講する。
・必要に応じてレポート課題を出すので、期限に遅れず提出する。
・必要に応じてノートチェックを行うので、普段からノートを取ること。
注意点:
試験問題はノ-トの内容を中心として出題をするので,普段からノートを取ること.教科書・ノートは忘れないこと.ルーズリーフではなくA4サイズのノートが望ましい。
電卓・グラフ用紙は持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.機械工学における材料とは 自動車、航空機、船舶、電車に使用されている材料の概要を説明できる。
2週 金属とは何か(強さの秘密、どうして変形できるのか、どうして電気・熱を伝えるのか)
 
機械材料に求められる性質を説明できる。
3週 2.金属の結晶構造
体心立方格子、面心立方格子、六方晶
金属と合金の結晶構造を説明できる。
4週 ミラー指数、面方位、面方向、格子定数、面密度、結晶面間隔 ミラー指数を理解できる
5週 3.金属の機械的性質
引張試験(公称応力、公称ひずみ、ヤング率、降伏点、引張強さ、0.2%耐力)、硬さ試験、衝撃試験
引張試験の方法を理解し、応力ひずみ線図を説明できる。フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。応力-ひずみ線図を説明できる。
6週 中間試験 金属材料の結晶構造、引張試験について説明できる。
7週 4.結晶欠陥と拡散
点欠陥(原子空孔、侵入型・置換型原子)、
点欠陥を理解できる。
8週 4.結晶欠陥と拡散
転位、結晶粒界、積層欠陥、空隙、自己拡散、相互拡散
転位とその移動について理解できる。線欠陥・面欠陥・体積欠陥について理解できる。
2ndQ
9週 9状態図
 全率固溶型、
合金の状態図の見方を理解できる。
10週 10状態図
共晶型
合金の状態図の見方を理解できる。
11週 Fe-C系平衡状態図と熱処理 Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる。
12週 鋼の組織、焼入れ、焼戻し、 焼入れの目的と操作を説明できる。焼戻しの目的と操作を説明できる。
13週 焼鈍し、焼き準し、. 焼きなましの目的と操作を説明できる。焼きなましの目的と操作を説明できる。
14週 回復と再結晶 回復と再結晶について理解できる。
15週 期末試験 合金の状態図、Fe-C系平衡状態図の見方、鋼の熱処理について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前2
応力とひずみを説明できる。3前2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3前9
応力-ひずみ線図を説明できる。3前6
許容応力と安全率を説明できる。3前5
材料機械材料に求められる性質を説明できる。3前2
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。1前1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3前10
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3前2
金属と合金の結晶構造を説明できる。3前3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3前9
合金の状態図の見方を説明できる。3前9,前10,前11
塑性変形の起り方を説明できる。3前5,前7
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3前14
鉄鋼の製法を説明できる。3前11
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3前11,前12,前13
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3前12
焼きなましの目的と操作を説明できる。3前13,前14
焼きならしの目的と操作を説明できる。3前15
焼入れの目的と操作を説明できる。3前14
焼戻しの目的と操作を説明できる。3前14

評価割合

試験レポートノートチェック態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力3001000040
専門的能力4020000060
分野横断的能力0000000