機械材料学B

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機械材料学B
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械材料学 平河賢爾・大谷泰夫・遠藤正浩・坂本東男著 朝倉書店
担当教員 武雄 靖

到達目標

自転車、バイク、自動車、家電、電子機器などでの材料使用事例を学習し、鉄鋼材料、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金などの実用機械金属材料について強度、組織、熱処理を理解する。金属材料との比較においてセラミック、プラスチックなどの非金属系材料の材料選択のポイントを理解し機械設計の基礎知識を獲得すること。機械設計仕様を満たす材料をカタログから選択できる能力を身につけることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。脆性および靱性、疲労、機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できない。
評価項目2実用鉄鋼材料および実用非鉄金属材料の性質と用途を説明できる。鉄鋼材料の性質と用途を説明できる。鉄鋼材料の性質と用途を説明できない。
評価項目3プラスチック材料、複合材料、セラミック材料および複合材料の性質と用途を説明できる。プラスチック材料の性質と用途を説明できる。プラスチック材料の用途を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ピアノ線を用いた焼き入れ、焼き戻しの提示実験によりFe-C系平衡状態図ならびに鋼の熱処理について体験的に学習する。身の回りのステンレス製品、アルミニウム製品、プラスチック製品について調査し、それらの材料の特徴ならびに使用されている理由を調査学習する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う、講義中は集中して聴講する。
・必要に応じてレポート課題を出すので、期限に遅れず提出する。
・必要に応じてノートチェックを行うので、普段からノートを取ること。
注意点:
試験問題はノ-トの内容を中心として出題をするので,普段からノートを取ること.教科書・ノートは忘れないこと.ルーズリーフではなくA4サイズのノートが望ましい。
電卓・グラフ用紙は持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 金属の強化法
 固溶強化、析出強化、加工硬化、変態強化、結晶粒微細化、複合強化
金属の強化方法を理解し説明できる。
2週 2.鉄鋼材料
 炭素鋼、亜共析鋼、共析鋼、過共析鋼、構造用鋼、機械構造用鋼、
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。
3週 軸受鋼、工具鋼、耐熱鋼 軸受鋼、工具鋼、耐熱鋼の性質と用途を説明できる。
4週 ステンレス鋼 ステンレス鋼の性質と用途を説明できる。
5週 3.鋳鉄
 片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄、鋳鋼
鋳鉄、鋳鋼の性質と用途を説明できる。
6週 4.アルミニウムおよびアルミニウム合金
 アルミニウム展伸合金、ジュラルミン、人工時効、アルミニウム鋳造合金
アルミニウム合金の性質と用途を説明できる。
7週 5.マグネシウム合金
 マグネシウム鋳造合金、マグネシウム合金展伸材
マグネシウム合金の性質と用途を説明できる。
8週 中間試験 鉄鋼、ステンレス、アルミニウム、マグネシウムの性質と用途を説明できる。
4thQ
9週 6.銅および銅合金
 丹銅、黄銅、青銅、高力黄銅、アルミニウム青銅、リードフレーム

.銅および銅合金の性質と用途を説明できる。
10週 7.チタン合金
 純チタン、α型チタン合金、α+β型チタン合金、β型チタン合金
チタン合金の性質と用途を説明できる。
11週 8.高分子材料
  熱可塑性プラスチック、
熱可塑性プラスチックに求められる性質と用途を説明できる
12週 熱硬化性プラスチック、 熱硬化性プラスチックに求められる性質と用途を説明できる
13週 複合材料
FRP、ゴム
繊維強化複合材料の性質と用途を説明できる。
14週 9.セラミック セラミック材料に求められる性質と用途を説明できる。
15週 10.金属の破壊とクリープ
 疲労破壊、延性破壊、ぜい性破壊、クリープ変形
疲労、脆性、靱性、機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3後1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3後1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3後1,後15
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3後1
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3後1,後15
金属と合金の結晶構造を説明できる。3後2
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3後2
合金の状態図の見方を説明できる。3後2
塑性変形の起り方を説明できる。3後1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3後1
鉄鋼の製法を説明できる。3後2
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3後1,後2
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3後2,後3,後5
焼きなましの目的と操作を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後10
焼きならしの目的と操作を説明できる。3後2,後3,後4,後5
焼入れの目的と操作を説明できる。3後2,後3,後4,後10
焼戻しの目的と操作を説明できる。3後2,後3,後4,後10

評価割合

試験課題レポート相互評価ノートチェックポートフォリオその他合計
総合評価割合7020010010110
基礎的能力000100010
専門的能力702000010100
分野横断的能力0000000