機械工学基礎力学II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工学基礎力学II
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 木本恭司編著、機械工学概論、コロナ社
担当教員 小山 幸平

到達目標

機械工学の基礎力学として、工業力学、材料力学、水力学、熱力学、の機械4力学がある。特に、水力学(流体工学、流体力学)、熱力学について、基本的な考え方を理解して、説明できるようになるとともに、いくつかの初歩的な計算を自分でできるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安基礎的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1水力学の基礎を正確に説明し計算できる。水力学の基礎をほぼ説明し計算できる。水力学の基礎をある程度説明し計算できる。水力学の基礎を説明できない。
評価項目2熱力学の基礎を正確に説明し計算できる。熱力学の基礎をほぼ説明し計算できる。熱力学の基礎をある程度説明し計算できる。熱力学の基礎を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学の基盤である基礎力学の4力学の内、水力学及び熱力学を中心にその基本的な内容を学習して、それらの力学の目的と概要を理解し、説明できるようになる。
授業の進め方・方法:
基礎的事項、考え方を学び、簡単な演習問題を解き、応用されている分野を理解する。
注意点:
簡単な計算をするので、関数電卓を毎回持参する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体の定義、静水力学と動水力学、水力学で用いる物理量と単位、流体の性質 流体の定義、静水力学と動水力学、水力学で用いる物理量と単位、流体の性質についてで説明できる。
2週 静水力学、静水の深さと圧力、大気圧、ゲージ圧、絶対圧、真空圧、浮力とアルキメデスの原理 静水力学、静水の深さと圧力、大気圧、ゲージ圧、絶対圧、真空圧、アルキメデスの原理について説明できる。
3週 動水力学、流れの表し方、定常流と非定常流、連続の式、ベルヌーイの定理,ピトー静圧管、ベンチュリ管 動水力学、流れの表し方、定常流と非定常流、連続の式、ベルヌーイの定理,ピトー静圧管、ベンチュリ管
について説明でき、簡単な計算ができる。
4週 管路の損失、層流と乱流 管路の損失、層流と乱流について説明できる。
5週 流体抵抗、揚力と抗力 流体抵抗、揚力と抗力について説明できる。
6週 運動量の法則 運動量の法則について説明できる。
7週 演習;機械設計技術者試験3級の流体力学の問題に挑戦する。 機械設計技術者試験3級の流体力学の問題をある程度解答できる。
8週 中間試験 理解度のチェックをする。
4thQ
9週 熱力学、温度と熱、熱量、比熱と熱容量、顕熱と潜熱 熱力学、温度と熱、熱量、比熱と熱容量、顕熱と潜熱について説明できる。
10週 圧力と仕事 圧力と仕事について説明できる。
11週 熱力学の第1法則、エネルギー保存則、エンタルピー 熱力学の第1法則、エネルギー保存則、エンタルピーについて説明できる。
12週 熱力学の第二法則、可逆変化と不可逆変化、エントロピー、T-S線図 熱力学の第二法則、可逆変化と不可逆変化、エントロピー、T-S線図について説明できる。
13週 完全ガスと蒸気 完全ガスと蒸気について説明できる。
14週 サイクルと熱機関、カルノーサイクル、オットーサイクル、ディーゼルサイクル、ランキンサイクル 熱機関の熱力学的サイクルについて理解し、カルノーサイクル、オットーサイクル、ディーゼルサイクル、ランキンサイクルについて説明できる。
15週 演習:機械設計技術者試験3級の熱力学に挑戦する。 機械設計技術者試験3級の熱力学の問題をある程度解答できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。1
パスカルの原理を説明できる。1
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。1
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。2
物体に作用する浮力を計算できる。2
定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。1
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。1
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。1
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。2
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。1
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。1
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。1
熱力学の第二法則を説明できる。2
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。1
サイクルをT-s線図で表現できる。3

評価割合

試験課題、まとめ合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000