加工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 加工学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械技術者のための材料加工学入門(吉田総仁ら共著):共立出版 
担当教員 武雄 靖

到達目標

自動車、電機、素形材、半導体製造において材料の機械的性質と各種加工方法を組み合わせて、性能・コスト・納期が適切な材料と加工方法を選択できること。卒業研究への応用ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を理解できる金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を理解できない
評価項目2各種加工方法の条件を理解し説明できる各種加工方法の条件を理解できる各種加工方法の条件を理解できない
評価項目3製品に適した材料と加工方法の組み合わせを理解し説明できる。製品に適した材料と加工方法の組み合わせを理解できる。製品に適した材料と加工方法の組み合わせが理解できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料の構造と機械的性質ならびに温度による材質変化、熱処理、表面改質、鋳造、溶接・接合技術、粉体加工、塑性加工、プラスチック成形、機械加工技術を学ぶ。また最新の鉄道・自動車・電子機械への材料加工技術について具体的に調査し発表する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う、講義中は集中して聴講する。
・必要に応じてレポート課題を出すので、期限に遅れず提出する。
注意点:
試験問題はノ-トの内容を中心として出題をするので,普段からノートを取ること.教科書・ノートは忘れないこと.ルーズリーフではなくA4サイズのノートが望ましい。電卓・グラフ用紙は持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.材料の構造と機械的性質①材料試験(引張,硬さ,衝撃,疲労,クリープ)②材料のミクロ構造③材料の機械的性質とミクロ構造 応力ひずみ線図,硬さ試験,脆性・靱性,衝撃試験,疲労試,S-N曲線,機械的性質と温度の関係,クリープを説明できる.
2週 2.材料組織と機械的性質に及ぼす温度の影響 ①平衡状態図 ②拡散③時効と析出④回復と再結晶⑤高温における金属材料の機械的性質
Fe-C系平衡状態図を理解できる。
3週 3.機械材料の種類と特性 ①鉄鋼材料②非鉄金属材料③工具材料④非金属材料
機械材料に求められる性質を説明できる。金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。
4週 4.材料加工の力学①弾塑性体の三次元応力-ひずみ②延性破壊 ③熱伝導と熱伝達
塑性変形の起りかたを説明できる。
5週 5.熱処理と表面改質 ①鋼の熱処理②非鉄金属の時効析出処理③湿式めっき処理④PVDとCVD 熱処理と表面処理を説明できる。
6週 6.鋳造 ①主な鋳造法②凝固現象③鋳鉄の材質とその制御 鋳造方法、鋳型、構造、鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる。
7週 7.溶接 ①主な溶接法②溶接の熱伝道③溶接部の組織と機械的性質④溶接の欠陥とその防止法
アーク溶接、TIG,MIG,ガス溶接の方法とその特徴を説明できる。
8週 8.粉体加工 ①粉体の特性と粉体加工 ②焼結 粉体加工方法を説明できる。
2ndQ
9週 9.塑性加工 ①主な塑性加工法②加工力・材料流動・成形限界③板材成形と成形不良④塑性加工による材質変化⑤塑性加工の摩擦と潤滑 ⑥CNC転造加工 塑性加工法の種類を説明できる。鍛造とその特徴を説明できる。プレス加工とその特徴を説明できる。転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。
10週 10.プラスチック成形 ①主なプラスチック成形法②プラスチック成形金型③3Dプリンタ
プラスチック成形方法の種類と特徴を説明でき、射出成形法・金型の仕組みを理解できる。
11週 11.機械加工 ①切削加工②研削加工③砥粒加工 切削加工の原理,切削工具,工作機械の運動,研削加工の原理,砥石の三要素,超仕上げ,ラッピング等を説明できる.
12週 12.半導体製造 ①シリコンウエハ製造②リソグラフおよびエッチング ③実装技術
シリコンウエハ、半導体製造の前工程・後工程を説明できる。
13週 13.微細加工 ①MEMS②ナノプリント③HDDの技術④薄膜技術⑤PVD ⑥CVD⑦湿式めっき
微細加工について説明できる。
14週 自動車・航空機・鉄道車両における材料加工事例の発表 輸送機器の材料加工について説明できる.プレゼンテーション力の獲得。
15週 半導体・電子機器・エネルギ産業における材料加工事例の発表 電機・半導体・エネルギ産業の材料加工を説明できる.プレゼンテーション力の獲得.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。5前6
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。5前6
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。5前6
鋳物の欠陥について説明できる。5前6
溶接法を分類できる。5前7
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。5前7
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。5前7
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。5前7
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。5前4,前7,前9
鍛造とその特徴を説明できる。5前9
プレス加工とその特徴を説明できる。5前9
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。5前9
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。5前9
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。5前11
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。5前11
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。5前11
切削工具材料の条件と種類を説明できる。5前11
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。5前11
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。5前11
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。5前11
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。5前11
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。5前11
材料機械材料に求められる性質を説明できる。5前2
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。5前3,前15
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。5前4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。5前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。5前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。5前1
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。5前1
金属と合金の結晶構造を説明できる。5前3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。5前6
合金の状態図の見方を説明できる。5前2
塑性変形の起り方を説明できる。5前3
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。5前5
鉄鋼の製法を説明できる。3前5
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。5前3
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。5前12
焼きなましの目的と操作を説明できる。5前5
焼きならしの目的と操作を説明できる。5前5
焼入れの目的と操作を説明できる。5前5
焼戻しの目的と操作を説明できる。5前5

評価割合

試験レポート・発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2010000030
専門的能力4020000060
分野横断的能力010000010