社会と文化からみる歴史II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 社会と文化からみる歴史II
科目番号 0052 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 詳説日本史B(山川出版)
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であるということを実感させる。 ②第一次世界大戦〜現代までの歴史についての知識を身につけ、それを基に現代社会の諸問題について考察を深められる。
③自ら課題を設定して調査し、自分の考えをまとめて発表する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1歴史学を学ぶ意義を十分に理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。歴史学を学ぶ意義を理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができる。歴史学を学ぶ意義について、理解が不十分であり、歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができない。
評価項目2日本を中心とした東アジアの基本的知識を十分に身につけている。日本を中心とした東アジアの基本的知識を身につけている。日本を中心とした東アジアの基本的知識が不十分である。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・東アジア史、および、日本史の基本的な知識を身につけ、自ら課題を設定して、資料を取捨選択しながら客観的に考察して分析し、自らの意見を発表する積極的な姿勢が求められる。このような授業を通して、国際社会に主体的に生きる日本人技術者としての資質を養う科目と位置づけられる。         ・日本とそれ以外の東アジアや東南アジア諸地域との関係性について、各地の地理的な特徴が産業に与えた影響や実際に交易品としてやり取りされた文物などから理解を深める。このような授業内容を通して、世界の多様性のある生活や文化がどのように形成されたのかを理解し、諸外国で活躍することができる教養を身につけた日本人技術者としての資質を養う科目と位置付けられる。
授業の進め方・方法:
上記の目的を果たすために、前期は通常の歴史の授業を行い、夏休みにレポートを課し、後期の本授業では通常の授業に交えて一人一人がレポートを発表する演習形式をとる。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。                                       ②課題発表をきちんと済ませなかった場合は、学年末評価が単位不可となります。                                    ③授業は、ノート形式・空欄補充式のプリントのいずれかを採用します。ただし、黒板を丸写しするだけ、空欄補充だけではノート・プリントは完成したとはいえません。ですので、時代的背景や歴史的関連などしっかりメモをとりましょう。ノート・プリントにどんどん書き込むようにすると、不思議と歴史の流れがわかってきます。また、予習、復習で自分が調べてみたこともプリントへ書き込んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 昭和時代の日本1 戦後恐慌〜世界恐慌までの日本の経済状況について様々な経済指標を読み解き、考察する。
2週 昭和時代の日本2 世界恐慌から第二次世界大戦勃発までの過程を世界史的な視点から概観し、日中戦争の過程を理解する。
3週 昭和時代の日本3 太平洋戦争の展開を、国内政治、外交政策、経済政策など多面的な視点から捉え、その歴史的意味を捉える。
4週 昭和時代の日本4 戦時統制下での庶民の生活について、当時の様々な資料を読み解き、理解を深める。
5週 現代社会の諸問題1 日本だけではなく、世界各国まで対象を広げ、現代社会の諸問題について調べ、報告を行う。
6週 現代社会の諸問題2 日本だけではなく、世界各国まで対象を広げ、現代社会の諸問題について調べ、報告を行う。
7週 後期中間試験 戦前~復興期までの歴史的な基礎知識の定着度合いを確認する。
8週 戦後の東アジア1 戦後のGHQ占領下で行われた諸改革がその後の日本にどのような影響を与えたかを考察する。
4thQ
9週 戦後の東アジア2 高度経済成長期の背景を理解するとともに、その後のドル危機や石油危機が日本経済に与えた影響を考察する。
10週 戦後の東アジア3 経済大国となった日本の産業構造や社会の変化、国際社会に与えた影響を多角的に捉え、理解する。
11週 戦後の東アジア4 バブル経済、アジア通貨危機、リーマンショック、0金利政策などの背景と社会に与えた影響について考察する。
12週 現代社会の諸問題3 日本だけではなく、世界各国まで対象を広げ、現代社会の諸問題について調べ、報告を行う。
13週 現代社会の諸問題4 日本だけではなく、世界各国まで対象を広げ、現代社会の諸問題について調べ、報告を行う。
14週 現代社会の諸問題5 日本だけではなく、世界各国まで対象を広げ、現代社会の諸問題について調べ、報告を行う。
15週 後期期末試験 戦後から現代までの歴史的な基礎知識の定着度合いを確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3後1,後2,後4
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3後2,後10
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3後9,後10
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3後3,後10
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3後1,後3,後11
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3後2,後3,後4,後8
公民民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。3後8,後9
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3後1,後8,後9,後11
地歴・公民今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。3後1,後8,後11
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。3後8,後9
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。3後1,後9
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3後5,後6,後12,後13,後14
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3後5,後6,後12,後13,後14
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3後5,後6,後12,後13,後14
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3後5,後6,後12,後13,後14
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3後5,後6,後12,後13,後14
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3後5,後6,後12,後13,後14
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3後5,後6,後12,後13,後14
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3後5,後6,後12,後13,後14

評価割合

試験発表とレポート小テスト・提出物等合計
総合評価割合502525100
基礎的能力502525100
専門的能力0000
分野横断的能力0000