物理II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理II
科目番号 0053 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 物理・上(森北出版)、物理問題集(森北出版)、物理ⅠBβコース(中部日本教育文化会編集部)、セミナー物理基礎+物理(第一学習社)
担当教員 大野 秀樹

到達目標

この授業を通じて物理的な見方・考え方を身に付け、自然現象を系統的、論理的に考えていく力を養っていく。物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において欠かせない知識である。物理Ⅱでは、次のような到達目標を設定する。
【1】力積、運動量、力積と運動量の関係、運動量保存の法則、反発係数を理解できる。それらについて基本的な計算ができる。
【2】仕事とエネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーの保存則を理解できる。それらについて基本的な計算ができる。
【3】ベクトルを用いて力や変位、速度、加速度、運動方程式を理解できる。相対速度、仕事の原理、水平投射運動、斜方投射運動、斜面上にある物体の運動、等速円運動、惑星の運動、単振動について理解できる。それらについて基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力積、運動量、力積と運動量の関係、運動量保存の法則、反発係数を説明できる。さらに法則を用いて具体的な計算ができる。力積、運動量、力積と運動量の関係、運動量保存の法則、反発係数を説明できる。それらについて基本的な計算ができる。力積、運動量、力積と運動量の関係、運動量保存の法則、反発係数を説明できない。
評価項目2仕事とエネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーの保存則を説明できる。さらに法則を用いて具体的な計算ができる。仕事とエネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーの保存則を説明できる。それらについて基本的な計算ができる。仕事とエネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーの保存則を説明できない。
評価項目3ベクトルを用いて力や変位、速度、加速度、運動方程式を理解できる。相対速度、仕事の原理、水平投射運動、斜方投射運動、斜面上にある物体の運動、等速円運動について説明できる。さらに法則を用いて具体的な計算ができる。 ベクトルを用いて力や変位、速度、加速度、運動方程式を理解できる。相対速度、仕事の原理、水平投射運動、斜方投射運動、斜面上にある物体の運動、等速円運動について説明できる。それらについて基本的な計算ができる。 ベクトルを用いて力や変位、速度、加速度、運動方程式を理解できない。相対速度、仕事の原理、水平投射運動、斜方投射運動、斜面上にある物体の運動、等速円運動について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
力学の基礎分野である「力積と運動量」、「力学的エネルギー」、「平面・空間での運動」について理解し、これら項目に関する基礎的な計算ができるようになることが目標である。
授業の進め方・方法:
主に講義形式で行うとともに3テーマの実験を予定している。実験後には実験レポートを作成し提出すること。また、演習問題は課題レポートとするので解答、自己採点を行い提出すること。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ以下の評価が行われる。
「試験」は2回行われる定期試験の成績である。
「ポートフォリオ」は実験レポートと演習の課題レポートとの成績である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 力積と運動量 力積と運動量について理解し、運動量の変化が力積に等しいことが分かる。また、それぞれの物理量の基本的な計算を行うことができる。
2週 運動量保存の法則と反発係数 運動量保存の法則を理解し、簡単な衝突現象などについて計算することができる。また、反発係数について理解し、その基本的な計算ができる。
3週 実験【一次元の衝突における運動量保存則】 実験を通じて2週目で学んだことの理解を深める。
4週 仕事とエネルギー、仕事率
運動エネルギーと位置エネルギー
仕事とエネルギーの概念について理解し、仕事率を含めそれらの物理量を計算することができる。運動エネルギーと位置エネルギーを理解し、それらの基本的な計算ができる。
5週 力学的エネルギーの保存則 力学的エネルギー保存の法則を理解し、保存される現象について基本的な計算ができる。
6週 実験【3力の合力】 本実験を通して力がベクトル量であることを理解する。また、力と同じように速度や加速度もベクトル量であることを理解する。
7週 力の合成と分解、速度の合成と分解、相対速度 ベクトルを用いて平面上の物体に働く力や速度などを理解できる。また、相対速度について理解できる。
8週 中間試験 前半の学習内容について試験を行う。
4thQ
9週 中間試験の返却、水平投射、斜方投射 中間試験の解説、水平投射、斜方投射の運動について理解し、基本的な問題を解くことができる。
10週 平面における運動量保存則
仕事の原理
2次元における運動量保存則をベクトルを用いて理解でき、基本的な問題を解くことができる。また、仕事の原理を理解できる。
11週 実験【2次元の衝突における運動量保存則】 本実験を通じて2次元の運動量保存則が成り立つこと、ベクトルを用いて説明できることを理解する。
12週 斜面上にある物体の運動 斜面上にある物体の運動について、摩擦がない場合と摩擦がある場合について物体の運動方程式を立て基本的な問題を解くことができる。
13週 等速円運動1
等速円運動の特徴を理解し、それに関する基本的な物理量を計算できる。また向心力についても理解できる。
14週 等速円運動2 等速円運動を基にして人工衛星や惑星の運動(ケプラーの法則)について理解できる。
15週 本科目のまとめ 期末試験の解説、本授業のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後9
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後4,後10
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4,後10
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後5,後10
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後1,後10
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後1,後10
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後2,後10
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後14
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3後14
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3後13
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後3,後11
安全を確保して、実験を行うことができる。3後3,後11
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後3,後6,後11
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後3,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力75000250100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000