応用物理D

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理D
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 やさしい基礎物理第2版(森北出版) 応用物理D実験テキスト
担当教員 大野 秀樹

到達目標

この授業を通じて物理的な見方・考え方を身につけ、自然現象を系統的、論理的に考えていく力を養っていく。物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において欠かせない知識である。応用物理Dでは、次のような到達目標を設定する。
【1】光の波動性と粒子性について実験結果を通して説明できる。
【2】電子などの量子論的粒子について粒子性だけではなく波動性も持っていることを実験結果を通して説明できる。
【3】ボーアの理論を用いて原子の構造やエネルギー準位、定常状態、励起状態を説明できる。また原子の発光や光の吸収についても説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1光の波動性と粒子性について実験結果を通して説明でき、その基本的な物理現象を数式で表し計算することができる。光の波動性と粒子性について実験結果を通して説明できる。それに関連した基本的な計算ができる。光の波動性と粒子性について実験結果を通して説明できない。
評価項目2電子などの量子論的粒子について粒子性と波動性について実験物理を通して説明でき、その基本的な物理現象を数式で表し計算することができる。電子などの量子論的粒子について粒子性と波動性について実験物理を通して説明できる。それに関連した基本的な計算ができる。電子などの量子論的粒子について粒子性と波動性について説明できない。
評価項目3ボーアの理論を用いて原子の構造やエネルギー準位、定常状態、励起状態を説明できる。また原子の発光や光の吸収について説明できる。それらの基本的な物理現象を数式で表し計算することができる。ボーアの理論を用いて原子の構造やエネルギー準位、定常状態、励起状態を説明できる。また原子の発光や光の吸収について説明できる。それに関連した基本的な計算ができる。ボーアの理論を用いて原子の構造やエネルギー準位、定常状態、励起状態を説明できない。また原子の発光や光の吸収について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
原子レベルのミクロな世界の物理を学ぶ。光や電子が波動性と粒子性を持つことやボーアの理論に基づいて原子の構造について、これらに関する実験結果を交えて考えていく。
授業の進め方・方法:
おもに講義形式で行う。グループごとの実験(3テーマ)を行い実験レポートを提出すること。また演習の課題提出がある。授業では前期に学んだ力学などの知識や簡単な微分方程式やベクトルを用いるためあらかじめ復習しておくこと。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ以下の評価が行われる。
「試験」は期末試験の成績である。中間試験は行わない。
「実験・課題レポート」は課題レポートと実験レポートの成績である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、ミクロな世界の物理へのアプローチ 本科目の学習目的を理解する。
2週 量子力学における光と電子 アインシュタインの関係式や量子論的粒子について理解できる。
3週 光の粒子性と波動性 光電効果、コンプトン効果などの実験結果から光が粒子性をもつこと、ヤングの実験やX線回折の実験結果から光が波動性を持つこと理解できる。
4週 光の粒子性と波動性(つづき) ※3週目のつづき
5週 電子の粒子性と波動性 ミリカンの実験やトムソンの比電荷の実験から電子の電荷や質量が求められ電子粒子性を理解できること、電子線回折の実験から電子が波動性を持つことを理解できる。
6週 電子の粒子性と波動性(つづき) ※5週目のつづき
7週 不確定性原理とボーアの理論 波動性と粒子性の2重性からに運動量と位置の不確定性原理があることを理解できる。ボーアの理論を理解できる。
8週 前半のまとめ 1〜7週目までのまとめ
4thQ
9週 原子の構造 ボーアの理論、水素原子モデルを用いて原子の構造を理解できる。
10週 定常状態と励起状態、原子の光の吸収と放出 エネルギー準位、定常状態、励起状態を理解して、原子からの発光や原子が光を吸収することが理解できる。
11週 実験1【光電効果の実験】 3・4週目で学んだ内容について理解を深める。
12週 実験2【フランクヘルツの実験】 7・9・10週目で学んだ内容について理解を深める。
13週 実験3【水素スペクトル観測によるリュードベリ定数の測定】 9・10週目で学んだ内容について理解を深める。
14週 後半のまとめ 9〜13週目までのまとめ
15週 本科目のまとめ 試験の解説、本授業のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後4
電気クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後9
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後11,後12,後13
安全を確保して、実験を行うことができる。3後11,後12,後13
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後11,後12,後13
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後11,後13
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後12
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後11,後12,後13

評価割合

試験実験・課題レポート合計
総合評価割合7525100
基礎的能力7525100
専門的能力000