流体力学及び演習

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 流体力学及び演習
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 流体力学 JSMEテキストシリーズ 日本機械学会
担当教員

到達目標

流体力学の基礎事項を学ぶ中で、流体の性質、流れの現象やその原理を理解し、実際の設計開発に適用できるような応用力を身につけることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の性質が十分に説明出来る.流体の性質が説明出来る.流体の性質が説明出来ない.
評価項目2流体力としての圧力のイメージが十分に認識でき計算ができる.流体力としての圧力のイメージがある程度認識でき計算ができる.流体力としての圧力のイメージが無く計算が出来ない.
評価項目3管内流れのイメージと摩擦損失、流体力が十分に認識でき計算ができる.管内流れのイメージと摩擦損失、流体力がある程度認識でき計算ができる.管内流れのイメージと摩擦損失、流体力のイメージができず計算が出来ない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
容器内の静止流体、管内流れ、物体周りの流れにおける圧力、流速変化と物体に及ぼされる流体力の関係を学びながら、配管、ポンプ、ターボ機械、自動車、飛行機など様々な産業機械、輸送機械の設計開発に必要な基礎理論を理解する。
授業の進め方・方法:
現象の理解を第1目標とし、それに関連した基礎式との対応を説明を行う。また授業の単元と終了時に質問時間枠を設ける。
注意点:
説明をよく聞き、現象を頭の中でイメージできるように努める。試験問題は基本的に教科書の例題と課題レポートに準じるので定期試験前までに必ず配布演習問題のレポートを作成しておくこと.、

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の性質と分類1 学習の目的を理解する。
2週 流体の性質と分類2 流体の基本的性質を説明できる。
3週 流体の性質と分類3 流体の分類について把握する。
4週 流体の性質と分類4 流体でつかわれる単位と次元について理解する。
5週 流れの基礎1 流れを表す基本的物理量について理解する。
6週 流れの基礎2 様々な流れの種類について説明できる。
7週 静止流体の力学1 静止流体中の圧力について理解する。
8週 静止流体の力学2 面に働く静止流体力と圧力の関係、計算式を理解する。
2ndQ
9週 静止流体の力学3 浮力の原理を理解し、浮揚体の安定性について議論できる。
10週 静止流体の力学4 相対的平均での圧力分布の把握と、応用問題が解ける。
11週 準一次元流れ1 準一次元流れにおける連続の式の導出ができる。
12週 準一次元流れ2 準一次元流れにおける質量保存則について内容を理解する。
13週 準一次元流れ3 準一次元流れについてエネルギーバランスの原理を理解する。
14週 準一次元流れ4 準一次元流れについてエネルギーバランスの式を導出できる。
15週 準一次元流れ5 準一次元流れにおけるベルヌーイの法則を理解する。
16週 準一次元流れ6 準一次元流れにおけるベルヌーイの法則の応用問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 運動量の法則1 一般的な流れにおける質量保存則を理解する。
2週 運動量の法則2 一般的な流れにおける運動量の法則を理解する。
3週 運動量の法則3 一般的な流れにおける角運動量の法則を理解する。
4週 管内の流れ1 管内流れの基本的性質(層流、乱流)、摩擦損失について理解する。
5週 管内の流れ2 直円管内の流れ(層流、乱流)を理解し、関連する計算式を把握する。
6週 管内の流れ3 拡大・縮小管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
7週 管内の流れ4 曲がる管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
8週 管内の流れ5 矩形管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
4thQ
9週 物体周りの流れ1 物体周りの流れにより生ずる抗力と揚力を理解する。
10週 物体周りの流れ2 円柱周りの流れを理解し、カルマン渦を説明できる。
11週 物体周りの流れ3 円柱周りの流れに関係したロックイン現象を理解する。
12週 流体の運動方程式1 3次元流体における連続の式を理解し、導出できる。
13週 流体の運動方程式2 一般的な粘性法則と関連する式を理解する。
14週 流体の運動方程式3 ナビエストークス方程式の内容について理解し説明できる。
15週 流体の運動方程式4 非粘性極限であるオイラーの式を理解できる。
16週 流体の運動方程式5 特殊な条件でのナビエストークス方程式の解析法を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
質量保存則と連続の式を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。1
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。1
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。1
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。2
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。1
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。1
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。1
熱力学の第二法則を説明できる。2
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。1
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。1
サイクルをT-s線図で表現できる。3
熱の有効エネルギーを説明できる。1
水の等圧蒸発過程を説明できる。1
伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。3
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価演習レポート合計
総合評価割合700030100
基礎的能力700030100