機械製作法

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機械製作法
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械製作法Ⅰ鋳造・変形加工・溶接 朝倉書店
担当教員 清水 昭博

到達目標

機械製作法では実用機械材料とその変形特性を学び、変形加工に分類される塑性加工、鋳造および付加加工に分類される溶接、ろう接、接着について加工の原理や材料、加工条件を調査学習し、学生自身が変形加工と接合加工を用いた金属部品の製作条件設定、工程設計および概略のコスト計算ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の種類と性質を理解し製品に適した材料選択・加工方法の選択・加工条件・熱処理条件の設定ができる。金属材料に適した加工方法を理解できる。金属材料に適した加工方法が理解できない。
評価項目2各種鋳造方法を理解し鋳造条件を設定できる。砂型鋳造方法を理解できる。砂型鋳造方法が理解できない。
評価項目3各種溶接方法を理解し、溶接条件を設定できる。アーク溶接法とガス溶接法を理解できる。アーク溶接法を理解できない。
評価項目4各種塑性加工法を理解し、プレス機械、金型の構造を説明できる。塑性加工の種類と方法を理解できる。塑性加工の種類と方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料学A,B(3年次履修)、基礎材料力学A,B(3年次履修)材料力学および演習(4年次履修)の知識を実際の金属材料の加工に適用し、鋳造、溶接、塑性加工、プラスチック成形により機械部品を製作する技術および金型の役割を学び、これらの機械製作手法を応用した機械部品の設計とその加工工程の設定ができる。機械工作に関する基礎科目として位置づけ、5年次履修の加工学の基礎とする。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う、講義中は集中して聴講する。
・必要に応じてレポート課題を出すので、期限に遅れず提出する。
注意点:
試験問題は教科書とノ-トの内容を中心として出題をするので,普段からノートを取ること.教科書・ノートは忘れないこと.ルーズリーフではなくA4サイズのノートが望ましい。関数電卓・グラフ用紙は持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.機械製作の手順と加工法 1.1変形加工 1.2除去加工 1.3付加加工2.機械実用材料 2.1炭素鋼 2.2鋳鉄・鋳鋼 2.3ステンレス鋼 2.4アルミニウム合金 2.5黄銅 2.6チタン 2.7
マグネシウム
加工方法の種類と分類を理解し説明できること。機械材料に求められる性質を説明できる。炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。
2週 熱処理  Fe-C系状態図 5.2焼なまし、焼ならし、焼入れ、焼戻し 析出硬化 4回復、再結晶 Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる。焼入れ・焼戻し・焼ならし・焼なましの目的と操作を説明できる。加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。
3週 3.鋳造 3.1金属の凝固 3.2鋳造材料 3.3凝固組織 3.4砂型鋳造 鋳物のつくりかたを説明できる。
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物のつくりかたを説明できる。
鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる。
4週 3.5Vプロセス 3.6ロストワックス 3.7ダイカスト 3.8遠心鋳造
鋳物のつくりかたを説明できる。鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物のつくりかたを説明できる。鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる。
5週 4.溶接 4.1アーク・TIG・MIG溶接  溶接法を分類できる。
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを理解できる。
6週 4.2ガス溶接 4.3抵抗溶接 4.4レーザ溶接 4.5熱影響部 4.6はんだ 4.7摩擦圧接 4.8FSW 4.10接着

ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。
7週 5.金属の変形  5.1引張試験 5.2弾性と塑性 5.3変形温度と変形抵抗 5.4熱間加工、冷間加工
6.塑性力学の基礎 6.1真応力、真ひずみ 6.2応力ベクトルと応力テンソル 6.3降伏条件
荷重の種類および荷重による材料の変形を説明できる。塑性変形の起りかたを説明できる。
応力とひずみを説明できる。
8週 中間試験 熱処理・鋳造・溶接の種類が説明できる。
4thQ
9週 .塑性加工
7.1圧延 7.1.1圧延機構 7.1.2圧延機 7.1.3条件(温度、圧下率、荷重、張力、速度) 7.1.4孔型圧延
塑性加工法の種類を説明できる。圧延加工法を説明できる。鉄鋼の製法を説明できる。
10週 7.2押出し・引抜き 7.2.1前方押出し 7.2.2後方押出し 7.2.3押出し温度 7.2.4押出し管製造
7.2.5引抜き力 7.2.6引抜き機械 7.2.7線材
押出し、引抜きなどの加工法を説明できる。
11週 7.3プレス機械 7.3.1プレス機械の構造 7.3.2プレス能力
プレス機械の種類と加工能力を説明できる。
12週 7.4せん断 7.4.1せん断変形機構 7.4.2せん断加工力 7.4.3切り口面 7.4.4ファインブランキング 7.5曲げ  7.5.1板の曲げ変形 7.5.2スプリングバック 7.5.3管の曲げ変形 7.5.4板の矯正 せん断、曲げなどの加工法を説明できる。
13週 7.6鍛造  7.6.1鍛造温度 7.6.2自由鍛造、型鍛造 7.6.3鍛造加工力 7.6.4圧印加工
鍛造とその特徴を説明できる。
14週 7.7絞り・張出し 7.7.1絞り変形機構 7.7.2しわ押え 7.7.3工具形状 7.7.4材料異方性 7.7.5パンチ力
7.7.6対向液圧成形 7.7.7張出し成形 7.8金型設計 7.8.1金型の種類 7.8.2金型構造 7.8.3簡易せん断型設計
8.プラスチック成形
8.1射出成形 8.2圧縮成形 8.3トランスファーモールド 8.4 押出成形 8.5ブロー成形

プレス加工と金型の特徴を説明できる。
15週 期末試験 塑性加工の種類と方法を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3後12
応力とひずみを説明できる。3後12
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
応力-ひずみ線図を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3後8
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3後4
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3後4
鋳物の欠陥について説明できる。3後4
溶接法を分類できる。3後5
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3後6
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3後6
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3後5
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3後7
鍛造とその特徴を説明できる。3後8
プレス加工とその特徴を説明できる。3後14
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。3後15
材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後2
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3
金属と合金の結晶構造を説明できる。3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3
合金の状態図の見方を説明できる。3
塑性変形の起り方を説明できる。3後8
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3後7
鉄鋼の製法を説明できる。3後1
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3後2
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3後2
焼きなましの目的と操作を説明できる。3
焼きならしの目的と操作を説明できる。3
焼入れの目的と操作を説明できる。3
焼戻しの目的と操作を説明できる。3

評価割合

試験発表レポート合計
総合評価割合701020100
基礎的能力2001030
専門的能力5051065
分野横断的能力0505