機械工学演習I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械工学演習I
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 吉澤武男編著、新編JIS機械製図第5版、森北出版、長澤貞夫他、基礎製図練習ノート、実教出版、永井健一他著、システム計測工学、森北出版
担当教員 齊藤 浩一,清水 昭博

到達目標

(1)JISに基づく機械製図法を習得し、正確な図面が描けるようになる。
(2)SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、各種の基本的な物理量,工業量を求める機械計測の原理や手順を理解し、応用できるようになる。
(3)機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算ができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1JISによる製図法を正しく習得し、正確な製作図が描ける。JISによる製図法をよく理解し、製作図が描ける。JISによる製図法を理解し、簡単な製作図が描ける。JISによる製図法を理解できず、製作図が描けない。
評価項目2SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を深く理解し、応用することができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解し、扱うことができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解できる。SI単位系、不確かさ、有効桁数、測定の基礎や簡単な統計的処理を理解できない。
評価項目3機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算が正確にできる。機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案、簡単な計算ができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や統計的処理及び、機械計測の原理や手順を理解できる。機構と各部の運動について理解し、目的にあった機構の提案ができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械系技術者は、設計・製図・製作・実験・解析をそれぞれ行う必要がある。工学言語ともいわれる図面作成能力を養成するとともに、計測技術や統計的処理の基礎を身に着け、工学現象を考察する能力を習得したり、機構学の基礎を習得する。
授業の進め方・方法:
製図法講義と製図実習、計測工学・機構学の基礎の講義と演習を教室や製図室で実施する。製図実習について毎回のドリルを終了させ、提出する。計測工学と機構学については、簡単な演習で描いた作図等を提出したり、試験を実施する。
注意点:
製図演習では、製図用具一式を用意し、方眼紙やケント紙を使用するので、指定の用紙を各自事前に準備して持参すること。授業時間内に作成が完了するように集中して取り組むこと。図面等の提出期限は厳守すること。授業の予習と復習は自学自習により積極的に取り組むこと。なお、単位取得にはすべてのレポートや図面が受理されているとともに試験で最低限の得点を取得することが要する。計測工学と機構学では数学、物理学、化学の分野を復習しておくこと。電卓をいつも持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ノギスやマイクロメータの測定原理と演習 ノギスやマイクロメータを用いて寸法を測定することができる。
2週 (1)製図用文字・記号・線と用具の使用方法
(2)物理量と工業量、直接測定と間接測定、零位法と偏位法、量と単位,SI単位系、次元
(1)機械製図の文字・記号・線の種類と用途を理解できる。
(2)物理量と工業量、直接・間接測定、零位法と偏位法、量と単位,SI単位系、次元などについて説明できる。
3週 (1)数字・記号
(2))有効数字、測定値の不確かさ(誤差)と精度
(1)機械製図で用いる数字・記号を理解し、描ける。
(2)有効数字、測定値の不確かさ(誤差)と精度について説明できる。
4週 (1)ラテン文字・漢字
(2)平均値・標準偏差・標準誤差、簡単な近似計算、最小二乗法、標準とトレーサビリティ、長さの標準,標準尺
(1)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(2)平均値・標準偏差・標準誤差、簡単な近似計算、最小二乗法、標準とトレーサビリティ、長さの標準,標準尺について説明できる。
5週 (1)線の種類と練習
(2)光波干渉法、光てこ、ダイヤルゲージ,アッベの原理,熱膨張による誤差、差動変圧器,デジタルスケール、サインバー 、角度定規な
(1)機械製図の線の種類と用途を理解し、描ける。
(2)差動変圧器,デジタルスケール、サインバー 、角度定規などについて説明できる。  
6週 (1)直線のつなぎ方、円弧の練習
(2)キログラム原器,てんびん,ロバーバルの機構,力の標準,ひずみゲージ,動力計
(1)直線のつなぎ方、円弧の描き方を理解し、描ける。
(2)キログラム原器,てんびん,ロバーバルの機構,力の標準,ひずみゲージ,動力計について説明できる。
7週 (1)投影法と寸法記入法
(2)温度の標準,水の三重点,ガラス棒温度計,熱電対、サーミスタ,測温抵抗体,放射温度計、ピトー静圧管,ベンチュリ管,オリフィス、ロータメータ,各種流速計
(1)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描ける。
(2)温度の標準,水の三重点,ガラス棒温度計,熱電対、サーミスタ,測温抵抗体,放射温度計、ピトー静圧管,ベンチュリ管,オリフィス、ロータメータ,各種流速計などについてなどについて説明できる。
8週 中間試験 ここまでを概観し、試験問題と解答を理解する。
2ndQ
9週 (1)等角図と展開図
(2)機械、機構、瞬間中心、速度、加速度、自由度、機構の自由度
(1)等角図と展開図を理解し、図面を描ける。
(2)機械、機構、瞬間中心、速度、加速度、自由度、機構の自由度について説明できる。
10週 (1)寸法、表面性状の図式記号
(2)リンク機構
(1)寸法記入、表面性状の図式記号を理解し、図面を描ける。
(2)リンク機構について説明でき、簡単なリンク機構の各部の速度が求められる。
11週 (1)交差、幾何公差、溶接記号
(2)カム機構
(1)公差、幾何公差、溶接記号を理解し、図面を描ける。
(2)カム機構について説明でき、簡単なカム線図を描ける。
12週 (1)製作図(締め付け金具、Vブロック)
(2)摩擦伝導
(1)締め付け金具、Vブロックの図面を描ける。
(2)摩擦伝導について説明できる。
13週 (1)製作図(異形ブロック、段附丸棒)
(2)歯車列
(1)異形ブロック、段附丸棒の図面を描ける。
(2)歯車列について説明できる。
14週 (1)製作図(段附リング、フランジ)
(2)巻掛け伝導
(1)段附リング、フランジの図面を描ける。
(2)巻掛け伝導について説明できる。
15週 期末試験とその解説 これまでの学修内容を概観し、試験問題と解答を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。3
製図用具を正しく使うことができる。3
線の種類と用途を説明できる。3
物体の投影図を正確にかくことができる。3
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。3
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。3
部品のスケッチ図を書くことができる。3
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4

評価割合

試験図面合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100