機械工学実験実習I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械工学実験実習I
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 吉澤武男編著、堀幸夫他著、新編JIS機械製図第5版、森北出版株式会社、永井健一、丸山真一共著、システム計測工学、森北出版株式会社
担当教員 清水 昭博,堤 博貴

到達目標

(1)手仕上げ、フライス加工、旋盤加工、三次元CADなど基礎的な機械加工の実用的な技術と技能を修得する。
(2)JISに基づく機械製図法を習得し、正確な図面が描けるようになる。
(3)SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や簡単な統計的処理を理解し、正確に扱うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安基本的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1JISによる製図法を正しく習得し、正確な製作図が描ける。JISによる製図法をよく理解し、製作図が描ける。JISによる製図法を理解し、簡単な製作図が描ける。JISによる製図法を理解できず、製作図が描けない。
評価項目2機械製作法を十分に理解し、金属加工等が積極的に実践できる。機械製作法をよく理解し、金属加工等が指導を受けながら実践できる。機械製作法を最低限理解し、簡単な金属加工ができる。機械製作法を理解できず、簡単な金属加工等でもできない。
評価項目3SI単位系、不確かさ、有効桁数等の測定の基礎や簡単な統計的処理を理解し、正確に扱うことができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数、測定の基礎や簡単な統計的処理をある程度は理解し、扱うことができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数、測定の基礎や簡単な統計的処理を最低限理解し、扱うことができる。SI単位系、不確かさ、有効桁数、測定の基礎や簡単な統計的処理を理解できず、正確に扱うことができない。
評価項目4深く考察され十分に整理されたレポートを書くことができる。よく考察され整理されたレポートを書くことができる。ある程度考察されたレポートを書くことができる。レポートを書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械系技術者は、設計・製図・製作・実験・解析をそれぞれ行う必要がある。工学言語ともいわれる図面作成能力を養成するとともに、機械製作法を実習によって体験しながら習得する。さらに、計測技術や統計的処理の基礎を身に着け、工学現象を考察する能力を習得する。
授業の進め方・方法:
製図法講義と製図実習、計測工学の基礎、各種機械計測の原理の学習を教室や製図室で実施する。また、金属加工を中心にした機械製作法を実習を実際の機械や工具類を用いて行う。実習内容についてレポートを作成し、提出する。
注意点:
製図演習では、製図用具一式を用意し、方眼紙やケント紙を使用するので、指定の用紙を各自事前に準備して持参すること。授業時間内に作成が完了するように集中して取り組むこと。図面の提出期限は厳守すること。機械製作の実習では、作業服上下、安全靴、帽子を着用し、時間厳守で集合すること。安全上の留意事項を厳守し、事故のないように注意すること。授業の予習と復習は自学自習により積極的に取り組むこと。なお、未提出レポートおよび未提出図面が1つでもある場合は、不合格点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ノギスやマイクロメータの原理と使用法を理解し、測定演習を行う。 ノギスやマイクロメータを用いて寸法を測定することができる。
2週 (1)手仕上げ作業の概要・けがき実習
(2)製図用文字と記号・製図用具の使用方法
(3)量とSI単位・次元
(1)手仕上げ作業の基礎が理解できる。
(2)機械製図の基礎が理解できる。
(3)量とSI単位、次元について説明できる。
3週 (1)穴あけ・ねじ切り実習
(2)機械製図で用いる線の種類と用途
(3)不確かさ・誤差の定義
(1)穴あけ・ねじ切り作業を行うことができる。
(2)械製図で用いる線の種類と用途を理解し描くことができる。
(3)不確かさ・誤差・有効数字について説明できる。
4週 (1)測定・けがき・ポンチ実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)不確かさ(誤差)の種類・精度
(1)寸法を正しく測定し、けがき・ポンチ作業を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)不確かさ(誤差)の種類・精度について説明できる。
5週 (1)測定・穴あけ・ねじ切り実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)平均値・標準偏差・標準誤差・近似計算
(1)寸法を正しく測定し、穴あけ・ねじ切り作業を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)平均値・標準偏差・標準誤差について説明でき、簡単な近似計算ができる。
6週 中間試験(計測のみ) 計測に関する理解度の確認。
7週 (1)穴あけ実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)中間試験までの計測の基礎の復習
(1)穴あけ作業を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
8週 (1)やすりがけ・面取り実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)やすりがけ・面取り作業を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる
(3)計測の基礎を理解し説明することできる。
2ndQ
9週 (1)フライス盤概要説明・六面体加工実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)フライス盤の基礎を理解し、六面体加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎を理解し説明することできる。
10週 (1)溝加工実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)溝加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
11週 (1)溝加工実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)溝加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
12週 (1)溝加工実習
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)溝加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
13週 (1)テーパ溝加工
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)テーパ溝加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
14週 (1)テーパ溝加工
(2)投影法と寸法記入法
(3)計測の基礎
(1)テーパ溝加工を行うことができる。
(2)投影法と寸法記入法を理解し、図面を描くことができる。
(3)計測の基礎が理解できる。
15週 まとめ (1)基礎的な機械加工の実用的な技術と技能を修得し、実際に加工を行うことができる。
(2)JISに基づく機械製図法を習得し、正確な図面を描くことができる。
(3)測定の基礎や簡単な統計的処理を理解し、正確に扱うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。3
製図用具を正しく使うことができる。3
線の種類と用途を説明できる。3
物体の投影図を正確にかくことができる。3
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。3
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。3
部品のスケッチ図を書くことができる。3
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3

評価割合

試験レポート図面合計
総合評価割合204040100
基礎的能力204040100
専門的能力0000
分野横断的能力0000