科学技術論(教養ゼミⅡ)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 科学技術論(教養ゼミⅡ)
科目番号 0108 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要な資料は,講義中に配布する.
担当教員 河村 豊

到達目標

日本を含む,複数の国家における科学技術動向および科学技術政策に関する主要な特徴を理解する.そのために,文献調査,グループ討議,発表,全体討議などの調査・分析手法を学ぶ.この過程で,科学技術を分析する手法(科学技術社会論の手法)を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1調査課題として適切なテーマを主体的に決定できる調査課題として適切なテーマを相談しながら決定できる調査課題として適切なテーマを絞り込めない
評価項目2調査に必要な資料を主体的に見つけ出すことができる.調査に必要な資料を相談しながら見つけ出すことができる。調査に必要な資料を見つけ出すことができない。
評価項目3調査課題に対する資料分析、発表が十分にできた。調査課題に対する資料分析、発表が6割程度できた。調査課題に対する資料分析、発表が6割未満に終わってしまった。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
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学習・教育目標 B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術が将来の人類福祉や経済発展などに果たす期待は,今世紀(21世紀)に入って,加速的に高まっている.科学技術への期待感は,20世紀後半(第二次世界大戦後)から高まってきたが,そのための形態は,「企業を中心とした研究開発戦略」から,「国家を中心とした科学技術政策」へと転換してきた.すなわち「科学技術政策」の時代ともいえる.本ゼミでは,将来の日本の科学技術を考えるために,西欧および新興国の科学技術活動の動向や科学技術政策についてその特徴を調査を通してつかみだすことを目的としている.こうした調査を実施する過程で,関連論文の輪読方法,関連資料の分析方法,発表法などの応用的な知識を取得することも目的としている.
授業の進め方・方法:
各国の科学技術活動動向,科学技術政策の内容について資料調査を行う.授業は,講義部分と,グループ調査・発表の部分の2つより構成されている.講義部分では,調査対象,調査方法の概要を解説する.グループ調査では,(1)数人のグループをつくり,調査対象を決める,(2)関連する資料を発見,入手,分析を行う,(3)分析方法を学び,資料から見えてくる調査対象の特徴を見つけ出す,(4)プレゼンテーションができるようにまとめる,という手順で進める.
注意点:
資料収集のためにWebを利用するので,Web利用の基本的な知識を前提とする.グループ単位での調査・分析活動なので,協力する姿勢が必要である.自分なりの考えを持てるようにすること,テーマ選択においては,自分なりのテーマ設定ができ,かつ調査,発表できるようにすることが求められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション このゼミの概要,最終的な到達目標を確認する.役割分担を決める.
2週 各国科学技術動向(1) 最近の科学技術動向に関する主要な傾向を理解する.
3週 各国科学技術動向(2) 科学技術政策の概要を理解する.
4週 各グループのテーマ設定 グループごとのテーマ設定について第1回目の発表を行う.
5週 各国の科学技術政策(1) これまでに明らかになっている国別の科学技術政策の基礎的特徴を理解する.
6週 各国の科学技術政策(2) 前回に続き,科学技術政策の国ごとの違いを確認する.
7週 調査中間発表(1) 発表・討論を通し,調査資料の調査方法を理解する.
8週 調査中間発表(2) 発表・討論を通し,調査資料の分析法を理解する.
2ndQ
9週 調査中間発表(3) 発表・討論を通し,国別の科学技術政策に違いがあることを理解する.
10週 個別指導(1) 調査上の課題を確認し,個別の特徴ごとにまとめ方の違いを理解する.
11週 個別指導(2) 調査上の課題を確認し,個別の特徴ごとにまとめ方の違いを理解する.
12週 最終発表会(1) 他のグループの調査を理解し,評価するための基礎を理解する.
13週 最終発表会(2) 他のグループの調査を理解し,評価するための基礎を理解する.
14週 発表後の討論 分析することで新規に明らかになったことを討論し,確認する.
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。3
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。3
地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。3
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3

評価割合

調査報告最終発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力1060000070
専門的能力1010000020
分野横断的能力100000010