機械・構造物の動的挙動の解明,記述するための機械系基礎科目である.機械・構造物の等価ばね質量によるモデル化法,振動を中心とした動的挙動の解析法について体得する.
概要:
機械・構造物の動的挙動の解明,記述するための機械系基礎科目である.本講義により,機械・構造物のモデル化法,動的応答(定常,過渡)の解析法を体得することができる.本講義では最初に,エネルギー法を用いて,実構造物を等価なばね質量モデルに変換する方法を学ぶ.そして,動的挙動を支配する運動方程式を導けるようにする.次に一自由度系を対象に,動的応答の解析法を体得する.実際の機械・構造物の複雑な挙動に対応するために,二自由度系のモード解析法を体得する.さらにフラムダンパー、動吸振器について言及し積極的な振動抑制法について理解を深める。そして、棒・梁・円環の連続体振動の運動方程式についてエネルギー法を用いて理解する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式を主体とする.
・毎回の講義で演習を実施する.演習課題は全て提出すること.
・この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施する.事前・事後学習として予習・復習をおこなうこと.
また,当該科目は,民間企業等において業務を担当していた教員が担当し,その経験を活かし,実際の現場における最新の工学的知識等についての講義を含めて実施するものである.
注意点:
・確実にノートをとること. ・授業で実施した演習問題は全て自力で解けるようにすること. ・線形代数Ⅲ,Ⅳ,材料力学Ⅰ,Ⅱの内容を理解しておくこと. ・特に「固有値・固有ベクトル」,「梁のたわみ変形、曲げモーメント」について復習しておくこと.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
エネルギー法による等価ばね定数 |
エネルギー法による等価ばね定数、等価質量の導出法を理解する。
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2週 |
基本機械要素の等価ばね定数 |
基本機械要素の等価ばね定数の導出法を理解する。
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3週 |
エネルギー法による運動方程式の導出 |
ラグランジュの運動方程式を理解する。
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4週 |
1自由度無減衰系の自由振動 |
1自由度無減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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5週 |
1自由度減衰系の自由振動 |
1自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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6週 |
1自由度無減衰系の強制振動 |
1自由度無減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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7週 |
1自由度減衰系の強制振動 |
1自由度減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
2自由度無減衰系の自由振動 |
2自由度無減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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10週 |
2自由度減衰系の自由振動 |
2自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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11週 |
2自由度無減衰系の強制振動 |
2自由度無減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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12週 |
2自由度減衰系の強制振動 |
2自由度減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
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13週 |
フラムダンパー、動吸振器 |
フラムダンパー、動吸振器の原理を運動方程式を用いて理解する。
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14週 |
棒、梁、円環の連続体振動 |
棒、梁、円環の連続体の自由振動の運動方程式の導出をエネルギー法により理解する。
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15週 |
棒、梁、円環の連続体振動 |
棒、梁、円環の連続体の自由振動の固有振動数を理解する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | |
許容応力と安全率を説明できる。 | 3 | |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 3 | |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 3 | |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 3 | |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 3 | |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 3 | |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 4 | |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 4 | |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 4 | |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 4 | |
多軸応力の意味を説明できる。 | 3 | |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 3 | |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 4 | |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 4 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |