流体力学及び演習

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 流体力学及び演習
科目番号 0149 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 流体力学 JSMEテキストシリーズ 日本機械学会
担当教員 小山 幸平

到達目標

流体力学の基礎事項を学ぶ中で、流体の性質、流れの現象やその原理を理解し、実際の設計開発に適用できるような応用力を身につけることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安基礎的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1流体の性質が十分に説明できる.流体の性質が説明できる.流体の性質が理解できる.流体の性質が理解できない.
評価項目2流体力としての圧力のイメージが十分に認識でき計算ができる.流体力としての圧力のイメージがある程度認識でき計算ができる.流体力としての圧力のイメージがある程度認識でき基礎的な計算ができる.流体力としての圧力のイメージが無く計算が出来ない.
評価項目3管内流れのイメージと摩擦損失、流体力が十分に認識でき計算ができる.管内流れのイメージと摩擦損失、流体力がある程度認識でき計算ができる.管内流れのイメージと摩擦損失、流体力がある程度認識でき基礎的な計算ができる.管内流れのイメージと摩擦損失、流体力のイメージができず計算が出来ない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
容器内の静止流体、管内流れ、物体周りの流れにおける圧力、流速変化と物体に及ぼされる流体力の関係を学びながら、配管、ポンプ、ターボ機械、自動車、飛行機など様々な産業機械、輸送機械の設計開発に必要な基礎理論を理解する。
授業の進め方・方法:
現象の理解を第1目標とし、それに関連した基礎式との対応を説明を行う。また授業の単元と終了時に質問時間枠を設ける。
注意点:
説明をよく聞き、現象を頭の中でイメージできるように努める。試験問題は基本的に教科書の例題と課題レポートに準じるので定期試験前までに必ず配布演習問題のレポートを作成しておくこと.、

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の性質と分類1 学習の目的を理解する。
2週 流体の性質と分類2 流体の基本的性質を説明できる。
3週 流体の性質と分類3 流体の分類について把握する。
4週 流体の性質と分類4 流体でつかわれる単位と次元について理解する。
5週 流れの基礎1 流れを表す基本的物理量について理解する。
6週 流れの基礎2 様々な流れの種類について説明できる。
7週 静止流体の力学1 静止流体中の圧力について理解する。
8週 静止流体の力学2 面に働く静止流体力と圧力の関係、計算式を理解する。
2ndQ
9週 静止流体の力学3 浮力の原理を理解し、浮揚体の安定性について議論できる。
10週 静止流体の力学4 相対的平均での圧力分布の把握と、応用問題が解ける。
11週 準一次元流れ1 準一次元流れにおける連続の式の導出ができる。
12週 準一次元流れ2 準一次元流れにおける質量保存則について内容を理解する。
13週 準一次元流れ3 準一次元流れについてエネルギーバランスの原理を理解する。
14週 準一次元流れ4 準一次元流れについてエネルギーバランスの式を導出できる。
15週 準一次元流れ5 準一次元流れにおけるベルヌーイの法則を理解する。
16週 準一次元流れ6 準一次元流れにおけるベルヌーイの法則の応用問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 運動量の法則1 一般的な流れにおける質量保存則を理解する。
2週 運動量の法則2 一般的な流れにおける運動量の法則を理解する。
3週 運動量の法則3 一般的な流れにおける角運動量の法則を理解する。
4週 管内の流れ1 管内流れの基本的性質(層流、乱流)、摩擦損失について理解する。
5週 管内の流れ2 直円管内の流れ(層流、乱流)を理解し、関連する計算式を把握する。
6週 管内の流れ3 拡大・縮小管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
7週 管内の流れ4 曲がる管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
8週 管内の流れ5 矩形管内の流れを理解し、関連する計算式を把握する。
4thQ
9週 物体周りの流れ1 物体周りの流れにより生ずる抗力と揚力を理解する。
10週 物体周りの流れ2 円柱周りの流れを理解し、カルマン渦を説明できる。
11週 物体周りの流れ3 円柱周りの流れに関係したロックイン現象を理解する。
12週 流体の運動方程式1 3次元流体における連続の式を理解し、導出できる。
13週 流体の運動方程式2 一般的な粘性法則と関連する式を理解する。
14週 流体の運動方程式3 ナビエストークス方程式の内容について理解し説明できる。
15週 流体の運動方程式4 非粘性極限であるオイラーの式を理解できる。
16週 流体の運動方程式5 特殊な条件でのナビエストークス方程式の解析法を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3

評価割合

試験発表相互評価演習レポート合計
総合評価割合700030100
基礎的能力700030100