加工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 加工学
科目番号 0180 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「生産加工入門」コロナ社,「生産加工の原理」日刊工業新聞社
担当教員 角田 陽

到達目標

 ものづくりにおいて,形状や機能の創成はかかせない.それらを実現する技術により,さまざまな利便が生み出される.自動車,電機,素形材や半導体製造などにおける構造または機能はそのよき事例である.すなわち,そうした形状や機能の創成のための方法論を身につけておくことはエンジニアには必須である.本講義では,それらの各種加工方法を理解し,説明でき,それらを組み合わせて,性能・コストなどの諸条件にあった適切な材料や加工方法を選択できるようになることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種加工方法を理解し説明できる各種加工方法を理解できる各種加工方法を理解していない
評価項目2設計仕様に適した材料と加工方法の組み合わせを理解し説明できる設計仕様に適した材料と加工方法の組み合わせを理解できる設計仕様に適した材料と加工方法の組み合わせを理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 講義形式を基本とする.適宜,視聴覚教材の活用,実機による実演,実機の見学や展示会見学などによって,具体的な知識を深めるようにする.所望の各種形状や機能創成のための,熱処理,表面改質,鋳造,溶接・接合技術,粉体加工,塑性加工,プラスチック成形などの形状や機能創成加工技術を学ぶ.
授業の進め方・方法:
 この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として,予習・復習を行うこと.事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施します.
注意点:
 講義に出席し,ノートをとり,自身でも各種加工技術についての理解を自修する.本科目の成績は,予習や復習等の実施状況も考慮して判断するため,自学自修は必須である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ものづくりの歴史と生産加工技術 ものづくりの歴史が理解できる.
2週 切削加工・研削砥粒加工 切削加工や研削砥粒加工が説明できる.
3週 切削加工・研削砥粒加工 切削加工や研削砥粒加工が説明できる.
4週 塑性加工 ①主な塑性加工法②加工力・材料流動・成形限界③板材成形と成形不良④塑性加工による材質変化⑤塑性加工の摩擦と潤滑 ⑥CNC転造加工 塑性加工法を説明できる.
5週 塑性加工 ①主な塑性加工法②加工力・材料流動・成形限界③板材成形と成形不良④塑性加工による材質変化⑤塑性加工の摩擦と潤滑 ⑥CNC転造加工 塑性加工法を説明できる.
6週 鋳造 ①主な鋳造法②凝固現象③鋳鉄の材質とその制御 鋳造方法,鋳型,構造,鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる.
7週 鋳造 ①主な鋳造法②凝固現象③鋳鉄の材質とその制御 鋳造方法,鋳型,構造,鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる.
8週 プラスチック成形 ①主なプラスチック成形法②プラスチック成形金型③3Dプリンタ
プラスチック成形方法と特徴を説明できる.
2ndQ
9週 プラスチック成形 ①主なプラスチック成形法②プラスチック成形金型③3Dプリンタ
プラスチック成形方法と特徴を説明できる.
10週 溶接 ①主な溶接法②溶接の熱伝道③溶接部の組織と機械的性質④溶接の欠陥とその防止法
アーク溶接,TIG,MIG,ガス溶接の方法とその特徴を説明できる.
11週 溶接 ①主な溶接法②溶接の熱伝道③溶接部の組織と機械的性質④溶接の欠陥とその防止法
アーク溶接,TIG,MIG,ガス溶接の方法とその特徴を説明できる.
12週 高エネルギ加工 高エネルギ加工方法を説明できる.
13週 粉体加工 ①粉体の特性と粉体加工 ②焼結 粉体加工方法を説明できる.
14週 深化する形状創成技術 新しい形状創成技術を説明できる.
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4前6,前7
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4前6,前7
鋳物の欠陥について説明できる。4前6,前7
溶接法を分類できる。4前10,前11
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4前10,前11
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4前10,前11
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4前10,前11
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4前4,前5,前8,前9
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4前2
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4前2
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4前2
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前2,前3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前2,前3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前2,前3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前2,前3
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前2,前3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4前2,前3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4前2,前3
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4前2,前3,前11
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4前2,前3,前11
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4前2,前3,前11
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4前1,前15
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4前1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4前1
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4前1
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前1
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前1
合金の状態図の見方を説明できる。4前1
塑性変形の起り方を説明できる。4前4,前5
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4前1
鉄鋼の製法を説明できる。4前1
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4前1
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4前1
焼きなましの目的と操作を説明できる。4前1
焼きならしの目的と操作を説明できる。4前1
焼入れの目的と操作を説明できる。4前1
焼戻しの目的と操作を説明できる。4前1

評価割合

試験小テスト・レポート・発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力6010000070
専門的能力105000015
分野横断的能力105000015