伝熱工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 伝熱工学
科目番号 0192 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 一色尚次、北山直方、伝熱工学 新装第2版、森北出版
担当教員 小山 幸平

到達目標

本授業を通じて、熱の移動に関する現象やその原理を理解し、実際の設計開発に適用できる応用力を身につけることを目標とする。具体的には以下の項目を到達目標とする。
(1)伝熱の3形式を正しく分類し説明することができる。
(2)伝熱の3形式の原理を理解したうえで計算に応用し、説明することができる。
(3)伝熱に関する実験式を工学的問題に応用することができる。
(4)材料学や流体工学など機械工学の他分野と関連付けて考察ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安初歩的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1伝熱の3形式を十分に理解し説明できる。伝熱の3形式を理解し説明できる。伝熱の3形式を理解できる。伝熱の3形式を理解できない。
評価項目2複雑な伝熱の計算ができ説明できる。基本的な伝熱の計算ができる。初歩的な伝熱の計算ができる。伝熱の計算ができない。
評価項目3伝熱の実験式を工学的問題に応用でき説明できる。伝熱の実験式を用いる基本的な計算ができる。伝熱の実験式を用いる初歩的な計算ができる。伝熱の実験式を用いる計算ができない。
評価項目4機械工学の他分野と関連付けて考察でき説明できる。機械工学の他分野と関連付けて考察できる。機械工学の他分野との関連がわかる。機械工学の他分野との関連がわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
伝熱工学は、熱の移動現象を扱う学問である。伝熱工学にまつわる現象は、身の回りのあらゆる領域に応用され、これを理解することは工学的に非常に重要である。本授業においては、(1) 伝熱工学の基礎を正しく理解できること、(2)現象を正しく定式化し工学問題を解くことができること、(3)機械工学の他の分野との関連付けができることに重点を置いた講義および演習を行う。
授業の進め方・方法:
指定の教科書を基本に講義を進め、必要に応じて他の専門書の内容を追加する。その際、資料は別途配布する。様々な工学問題に対する応用力を身に付けるため、演習問題を解き、解法や考え方を解説する。
注意点:
中間試験終了時および期末試験終了時の両方の成績が合格点に達している場合に単位を認定する。課題においては、解答が正解か否かのみならず、提出物としてふさわしい体裁が整っているかも評価対象とする。
なお、授業中に演習問題を課すので、関数電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 伝熱工学の意義・伝熱の3形式 伝熱工学の意義および伝熱の3形式が理解できる。
2週 熱伝導(1) 平板の熱伝導が理解できる。
3週 熱伝導(2) 円管の熱伝導が理解できる。
4週 熱伝導方程式 熱伝導方程式が導出できる。
5週 熱伝達と熱通過 平板および円管の熱伝達と熱通過が理解できる。
6週 熱交換器 熱交換器が理解でき計算ができる。
7週 フィンの伝熱 フィンつき面の伝熱が理解でき計算ができる。
8週 中間考査 理解度の確認ができる。
2ndQ
9週 対流熱伝達と無次元数 対流熱伝達の原理と無次元数が理解できる。
10週 対流熱伝達の実験式 対流熱伝達の実験式を用いた計算ができる。
11週 沸騰および凝縮熱伝達 沸騰および凝縮による伝熱の原理が理解できる。
12週 放射伝熱 放射伝熱の原理が理解できる。
13週 二面間の放射伝熱 二面間の放射伝熱の計算ができる。
14週 物質伝達 物質伝達の原理が理解できる。
15週 まとめ 伝熱工学の学習内容が整理できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3

評価割合

試験レポート課題その他合計
総合評価割合70300100
基礎的能力3515050
専門的能力3515050
分野横断的能力0000