化学II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 化学II
科目番号 104 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 (東京書籍)化学基礎・化学・ニューステップアップ化学基礎・ニューステップアップ化学・図説化学 (森北出版)例題で学ぶ基礎化学
担当教員 高橋 三男

到達目標

まず、酸化還元反応の応用である化学電池や電気分解について学ぶ。次いで、物質の状態や気体・溶液の性質について学習する。
前期の後半は、化学反応とエネルギーについて学ぶほか、化学反応速度の表し方、求め方を説明する。
これらについて、高校化学の教科書レベルの基礎知識を習得し、基礎的な問題が解けるようになることを到達目標とする。
後期の前半は化学平衡の概念について学び電離平衡や緩衝溶液など関連する単元を学習する。後半の後半は代表的な無機物質の性質の分類と性質の概略を学ぶ。
これらについて、高校化学の教科書レベルの基礎知識を習得し、基礎的な問題が解けるようになることを到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
酸化還元反応の応用電池や電気分解の電極反応について、イオン反応式を記述し、種々の計算ができる。電池の仕組みや電気分解について、基本的なことがらを説明できる。金属のイオン化傾向の大小を理解していて、金属の反応性を説明できる。金属のイオン化傾向の大小を理解していない。
物質の状態と平衡気液平衡、気体の状態方程式、希薄溶液に関する計算問題ができる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造について、基本的なことがらを説明できる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造にかかわる化学用語を答えられる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造にかかわる化学用語を答えられない。
固体の構造金属結晶やイオン結晶の単位格子の特徴(配位数など)を述べることができ、密度や充填率の計算ができる。金属結晶やイオン結晶の構造を理解しており、単位格子の特徴(配位数など)を述べることができる。金属結晶の構造の種類を挙げることができる。金属結晶の構造の種類を挙げることができない。
化学反応とエネルギー熱化学方程式を記述し、ヘスの法則を利用した反応熱の計算ができる。熱化学方程式を記述できる。反応熱の種類を挙げることができ、定義を説明できる。反応熱の種類を挙げることができない。
化学反応の速さ化学反応速度に関する計算ができる。反応速度式を反応式の係数や次数を考慮して記述できる。化学反応式について基本的なことがらを理解し、反応速度式を記述できる。化学反応式について基本的なことがらを理解できす、反応速度式を記述できない。
化学平衡化学平衡、電離平衡、緩衝溶液に関する計算ができる。ルシャトリエの原理の骨子が理解できる平衡移動について説明ができる。平衡移動について、基本的なことがらを理解していない。
無機物質(典型元素)典型元素の特徴を理解しており、いくつかの物質の工業的・実験室的製法、および、金属の定性分析について説明できる。典型元素の特徴、および、いくつかの物質の工業的・実験室的製法について説明できる。典型元素の特徴、および、無機物質の工業的・実験室的製法について概略は説明できる。典型元素の特徴、および、無機物質の工業的・実験室的製法について何も説明できない。
無機物質(遷移元素)遷移元素の特徴を理解しており、工業的製錬方法、および、金属の定性分析について説明できる。遷移元素の特徴を理解しており、工業的製錬方法について説明できる。遷移元素の特徴として、典型元素との違いについては説明できる。遷移元素の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生で学習した化学Iおよびものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、その内容を説明していく。
注意点:
化学 I の内容を理解しておくこと。講義用ノートを準備すること。副教材の問題集等を利用して予習・復習を欠かさず、自学自習の習慣を確立させること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・復習 酸化還元についての基本事項を確認する。
2週 電池 電池の仕組み、一次電池、二次電池を説明できるようになる。
3週 電気分解(1) 電気分解の電極反応を理解する。
4週 電気分解(2) ファラデーの法則を利用した計算ができる。
5週 物質の状態 物質の三態、気液平衡と蒸気圧について理解する。
6週 気体の性質 ボイルシャルルの法則を説明し、気体に関する計算ができるようになる。
7週 中間試験 前期前半の学習内容を確認する。
8週 溶液の性質(1) 溶解現象の説明ができ、溶液の濃度を計算できるようになること。
2ndQ
9週 溶液の性質(2) 希薄溶液の性質およびコロイド溶液を理解する。
10週 固体の構造(1) 金属結晶の構造について説明ができ、結晶格子に関する計算ができる。
11週 固体の構造(2) イオン結晶の構造について説明ができ、結晶格子に関する計算ができる。
12週 反応熱と熱化学方程式(1) 反応熱の種類を説明できる。
13週 反応熱と熱化学方程式(2) 熱化学方程式を記述できる。
14週 ヘスの法則 ヘスの法則を説明でき、反応熱を計算できる。
15週 前期末試験 前期後半の学習内容を確認する。
16週 前期まとめ 前期末試験をふりかえり、定着度を確認する。
後期
3rdQ
1週 化学反応の速さ(1) 化学反応の反応速度式を記述し、説明することができる。
2週 化学反応の速さ(2) 化学反応速度に関する計算ができる。
3週 化学平衡(1) 可逆反応と化学平衡を説明できる。
4週 化学平衡(2) 平衡の移動(ルシャトリエの原理)を説明できる。
5週 化学平衡(3) 電離平衡を説明し、それに関する計算ができる。
6週 化学平衡(4) 緩衝溶液について説明し、それに関する計算ができる。
7週 周期表と元素・典型元素(1) 周期表を原子の電子配置と関連づけて説明できる。また、水素、希ガスについて、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
8週 中間試験 後期前半の学習内容を確認する。
4thQ
9週 無機物質・典型元素(2) 水素、希ガス、ハロゲン、酸素、硫黄、について、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
10週 無機物質・典型元素(3) 窒素、リン、炭素、ケイ素について、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
11週 無機物質・典型元素(4) 典型金属元素の単体および化合物の特徴を説明できる。
12週 無機物質・遷移元素(1) 遷移元素の特徴および錯イオンについて説明できるようになる。また、鉄の単体および化合物の特徴を理解する。
13週 無機物質・遷移元素(2) 銅、銀の単体および化合物の特徴を説明できる。
14週 金属イオンの分離・確認 金属イオンの定性分析の手順および特徴的な反応について説明できる。
15週 学年末試験 後期後半の学習内容を確認する。
16週 後期まとめ 学年末試験をふりかえり、定着度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題提出合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000