科学技術から見る歴史Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 科学技術から見る歴史Ⅱ
科目番号 00310 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は配布プリント。補助教材として『詳説世界史B』山川出版/担当教員:工藤璃輝,小山桂佑,河村 豊
担当教員 河村 豊,鈴木 慎也,村瀬 智之

到達目標

この講義(Ⅱ)では,Ⅰで設定した「到達目標」を発展させていく.その内容は以下の通り.科学および技術に関するテーマを扱うことを通して「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」を⾝につける。「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」とは、社会事象を捉える際に働かせる,①時系列に関わる視点(時代・年代など),②諸事象の推移に関わる視点(展開・変化・継続など),③諸事象の⽐較に関わる視点(類似・差異など),④事象相互のつながりに関わる視点(背景・原因・結果・影響・関係性・相互作⽤など),⑤現在とのつながり,などの視点である.汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)の到達目標としては、習得収集と分析の力を養う。特に歴史的事実を時代区分すること(分類作業)、および歴史的事実の背後にある背景要因を見つけ出すこと(精査作業)を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各時代の基本的事項に関する事象を適切に理解している.各時代の基本的事項に関する事象を7割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象を6割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象の理解が6割に満たない.
評価項目2その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴をほぼ理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を7割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を6割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴の理解が6割に満たない.
評価項目3時代ごとによる科学技術のあり方に違いがあることを適切に理解している.時代ごとによる科学技術のあり方に違いがあることを7割程度理解している.時代ごとによる科学技術のあり方に違いがあることを6割程度理解している.時代ごとによる科学技術のあり方に違いがあることの理解が6割に満たない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半期科目(この科目はⅡであり、Ⅰの内容および方法を踏まえている).Ⅱでは,主に「近現代,現代社会における科学・技術」を理解するための基礎的な学習を行う.この科目「科学技術から見る歴史」は,同一のシラバスを⽤いるが,クラスごとに異なる教員が担当する予定である.そのため,この科目の目的および到達目標に至るプロセスは,教員ごとに,異なる事例(西欧科学,アジア科学など),異なる授業形式(座学,グループワークなど)を利⽤する場合がある.担当教員による具体的な授業内容や毎回の授業の進め⽅の詳細は,このシラバスには示していない.
 主に「社会の中の科学,技術」を理解するための基礎的な学習を行う.
この期で扱う主な学習内容:(古代から中世)
 具体的には,古代社会から中世社会の科学および技術を扱い,①人類進化と技術との関わり,②技術がその時代の社会制度にもたらした役割,③科学や技術がその時代の社会制度から受けた影響などを分析してゆく.
授業の進め方・方法:
授業の中心は、講義形式となる.配布するプリント資料などを⽤いながら,講義を進めて行く.必要に応じて画像資料や映像資料なども活⽤する。授業中は,黒板に書かれた事項をノートに取るだけではなく,講義で話したことも率先してノートのメモを取るなどの工夫が必要である.また,授業中には⼩レポートを作成して提出することや,グループワークなどの調査・発表を部分的に採り入れる場合もある.⼩レポートやグループワークの場合は,当該授業で扱った内容やそれに派生したテーマとなる.また,授業冒頭では,前回の授業の振り返りを行うなど,学習した内容,授業中に気づいたことなどを明確化する工夫も採り入れる予定である.料や映像資料なども活⽤する。授業中は,黒板に書かれた事項をノートに取るだけではなく,講義で話したことも率先
してノートのメモを取るなどの工夫が必要である.
 授業中には⼩レポートを作成し,提出してもらう場合がある.⼩レポートの事例としては,当該授業で扱った内容に
対する⼩テストであったり,授業中“気づき”,あるいは,質問事項などをを記載することなどである.翌週の授業冒頭で
は,前回の授業での振り返りを行うなど,⼩テストの答え,「気づき」の内容,あるいは質問事項についての解説など
を行う.
注意点:
利用する「教科書」は、配布プリント(ワークブック形式).これを、講義に加え、補助教材として購入してある『詳説世界史B』などを利用して、完成させることが必要である.授業内容を理解するいは、ノートを取ることと連動させて、補助教材を予習用テキストとして利用し、配布プリントを復習用に利用することが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 C1.近現代における科学・技術(1) 科学革命後の近代科学の発展について理解する
2週 C2.近現代における科学・技術(2) 科学革命後の近代科学とその社会との関係を理解する
3週 C3.近現代における科学・技術(3) 科学革命後の近代科学の拡張過程について理解する
4週 C4.近現代における科学・技術(4) 科学革命後の近代科学および近代技術の関係について理解する
5週 C5.近現代における科学・技術(5) 国別の近代科学の拡張過程について理解する
6週 C6.近現代における科学・技術(6) 国別の近代科学の拡張過程の違いなどについて理解する
7週 C7.近現代における科学・技術(7) 国別の近代科学・近代技術の発展の特徴について理解する
8週 予備日 近現代社会における科学と技術の発展の特徴を理解する
4thQ
9週 D2.現代社会における科学・技術(1) 第二次科学革命など,現代社会をささえる科学の発展の特徴を理解する
10週 D3.現代社会における科学・技術(2) 第二次科学革命など,現代社会における科学・技術の起源について理解する
11週 D4.現代社会における科学・技術(3) 国別の現代科学,現代技術の特徴を理解する
12週 D5.現代社会における科学・技術(4) 国別の現代科学,現代技術の関連生を理解する
13週 D6.現代社会における科学・技術(5) 現代社会における科学の機能,技術の機能の特徴について理解する
14週 D7.現代社会における科学・技術(6) 現代社会における科学の機能,技術の機能の変化などについて理解する
15週 予備日 1年間の講義を通して、科学技術と社会との関わりについて、再確認する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力5000002070
専門的能力200000020
分野横断的能力100000010