制御工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学
科目番号 20350 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 江口弘文著「初めて学ぶPID制御の基礎」東京電気大学出版局
担当教員 木村 知彦

到達目標

伝達関数表現を理解するとともにブロック線図を用いてシステムを表現できる。動的制御システムのインパルス応答やステップ応答を求めることができる。システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。周波数伝達関数を理解し、ボード線図やベクトル軌跡の手法を使って特性を表現できる。伝達関数で与えられたフィードバック制御システムの安定性を判別することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1伝達関数とインパルス/ステップ応答を説明できる伝達関数とインパルス/ステップ応答を理解する伝達関数とインパルス/ステップ応答が理解できない
評価項目2周波数伝達関数とボード線図を説明できる周波数伝達関数とボード線図を理解する周波数伝達関数とボード線図が理解できない
評価項目3フィードバック制御系の安定性を説明できるフィードバック制御系の安定性を理解するフィードバック制御系の安定性が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、伝達関数表現に基づいて動的システムを扱う「古典制御」と呼ばれる分野を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行う。理解を深めるための演習を適宜行う.
この科目は、企業で情報通信・制御に関する研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、関連する技術等について講義形式で授業を行うものである。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として予習・復習を行うこと。
注意点:
制御工学は数学が必須である。「複素数の取り扱い方」、並びに「ラプラス変換による微分方程式の解法」などの基礎的な数学を復習しておくこと。
遅刻3回につき1回の欠席として扱うので注意すること。
単位の取得には予習・復習等の自学自習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 制御工学の概要 身近な制御装置の動作を理解する
2週 関連する数学の復習 複素数の復習を行う
3週 ラプラス変換と逆ラプラス変換 ラプラス変換、逆ラプラス変換、それらの諸定理を理解する
4週 伝達関数 古典制御の基本である伝達関数を理解する。
5週 システムのモデル化 制御システムのモデル化、伝達関数、ブロック線図を理解し表現できる
6週 制御系の応答(1) インパルス応答やステップ応答など制御系の過渡応答を理解し説明できる
7週 制御系の応答(2) 定常偏差およびフィードバック系の応答を理解し説明できる
8週 中間試験
4thQ
9週 制御系の周波数応答(1) 制御系の周波数応答、周波数伝達関数を理解し説明できる
10週 制御系の周波数応答(2) ベクトル軌跡とボード線図を理解し説明できる
11週 制御系の安定性(1) ラウス・フルビッツの安定判別法を理解する
12週 制御系の安定性(2) ナイキストの安定判別法を理解する
13週 制御系の安定性(3) 根軌跡法を理解する
14週 PID制御系の設計 PID制御器を用いた具体的な設計例を理解する
15週 総復習
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後1,後5
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後6
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後1,後7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後9,後10
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後11,後12,後13

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力5020000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000