応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:物理と工学のベーシック数学(河辺哲次著)裳華房、プリント、後期の参考図書 応用数学(高専テキスシリーズト:森北出版)、複素関数(マセマ出版)
担当教員 藤井 俊介

到達目標

【目的】本講義で、取り扱う応用数学は、電気回路(特に交流回路)や電磁気学を本格的に学ぶためにはなくてはならない基礎概念を学ぶ。実際の電気現象と関連させながら、使い方を学んでいく。

【目標】
1.学生はベクトル量とスカラー量の違いを常に区別しながら、計算を進めることができる。
2.学生は、考えるべき問題の作図を行い、目標を見定めてから計算できる。
3.学生が、ベクトル記法と成分による表示を関連付けることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ベクトル量とスカラー量が区別できる積分形などにされても、ベクトル量とスカラー量が区別できるベクトル量とスカラー量が区別できるベクトル量とスカラー量が区別できない
ベクトル記法と成分表示が対応付けられる物理量と対応付けることができるベクトル記法と成分表示が対応つけられるベクトル記法と成分表示が対応つけられない
複素数の図形的意が分かる複素数の図形的意味を、電気回路や電磁気学に応用できる複素数の図形的意味が分かる複素数の図形的意味が分からない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 応用数学でも特に、電気回路や電磁気学と関連の深いところを基礎から応用まで発展させる形で講義を進める。前期では、ベクトル演算を中心とし、後期ではその発展として線積分・面積分を扱う。その上で、複素数の扱い方に慣れたうえで、複素関数の初歩について軽く触れる。
授業の進め方・方法:
 講義は、過去の数学の知識を整理しながら、新しい知識を足していく形で行う。すでに習った、内容と新しい知識が飛ぶことの無いように、細心の注意をしながら講義を行う。演習問題についても適宜、追加し、小テスト・課題なども必要に応じて出していく。対話的に授業することを目指すので、学生諸君も積極的に発言をしてほしい。
注意点:
講義を1/3以上休んだ場合は、Dとなるので注意すること。中間テスト・期末テスト・課題・提出物・小テストを加味して成績評価をはしっかり取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・今まで習った数学と物理のに復習1 (身近な関数の近似、複素数の活用) 任意の次数で近似ができる。(マクローリン展開)オイラーの公式が確認できる。
2週 今まで習った数学と物理のに復習2 (複素数の活用) 複素数を極形式に直せる。複素平面と単振動の関係が分かる。振動タイプの微分方程式をオイラーの公式を使って解ける。
3週 今まで習った数学と物理のに復習3 (初等関数の復習) 逆関数の特徴が説明できる。指数関数と対数関数の関係が説明できる。ラジアンの意味が説明できる。三角関数の諸公式(二乗の和、加法定理、半角の公式を導ける)
4週 ベクトルの基礎知識、ベクトルの成分と正射影 スカラーとベクトルの違いが分かる
5週 ベクトル同士の積(内積・外積) ベクトル積を図形的に説明できる、ベクトル積を計算できる
6週 常微分・偏微分
常微分の各種関係が使える、常微分と偏微分の違いが説明できる
7週 偏微分・全微分 偏微分の各種関係が使える
8週 前期中間試験、前期中間試験解説
2ndQ
9週 ベクトル関数の微分、1変数の積分 内積や外積が入り混じっていても、ベクトル関数の微分演算ができる
10週 多重積分、線積分 ヤコビアンが計算できる、線積分が計算できる
11週 面積分、ベクトル場とスカラー場の違い 面積分が計算できる、ベクトル場とスカラー場の具体例を挙げることができる
12週 スカラー場の勾配∇Φ スカラー場の勾配を図で書ける、線積分と関連付けられる
13週 ベクトル場Aの発散∇・A ベクトル場の発散が計算できる、図形的意味が説明できる
14週 ベクトル場Aの回転∇×A ベクトル場の回転が計算できる、図形的意味が説明できる
15週 前期末試験、前期末試験解説
16週 復習
後期
3rdQ
1週 ラプラシアン∇・∇ ラプラシアンの計算ができる、図形的意味が説明できる
2週 発散定理 ベクトル解析の知識に基づいてガウスの発散定理が説明でき、使える
3週 ストークスの定理 ベクトル解析の知識に基づいてストークスの定理が説明でき、使える
4週 複素平面・極形式の復習、複素関数、基本的な複素関数 基本的な複素関数が説明できる
5週 w=z^2と等角写像 w=z^2を例にして2価関数を説明できる
6週 w=logzと多価関数、w=√zとリーマン面 w=logzや√zを例にして多価関数を説明できる
7週 複素関数の極限、コーシー・リーマンの関係式 複素関数の極限やコーシーリーマンの条件が説明できる。使える。
8週 後期中間テスト、後期中間テスト解説
4thQ
9週 正則関数とその導関数 正則感想鵜の導関数が説明できる。
10週 微分方程式、変数分離法 変数分離型の微分方程式が解ける
11週 積分因子法、物理工学への応用問題 積分因子法を用いて微分方程式が解ける
12週 行列と行列式 行列式展開で3次以上の行列式を計算できる
13週 復習 期末テストに向けての復習
14週 復習 期末テストに向けての復習
15週 後期末試験、後期末解説
16週 クラメルの公式で連立1次方程式を解く、線形変換 クラメルの公式の成立過程が説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力5500002075
専門的能力200000020
分野横断的能力0000055