情報通信工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 情報通信工学
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:情報通信工学 著者:岩下基 発行所:共立出版
担当教員 岩下 基

到達目標

【目的】
 情報通信に関する基礎知識を身に付けるために、電話およびインターネットを中心とした情報通信の基本的な仕組みを理解し、状況に応じて各要素技術の適用性を判断できるようになる。

【到達目標】
1.情報通信を支えるネットワーク・システムの全体像を理解できる
2.各要素技術の長所および短所を理解し、状況に応じて使い分けの判断ができる
3.情報通信ネットワークの簡単な性能評価ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1与えられた諸条件より、どの通信ネットワークを適用すべきかの判断ができる。サービスや利用用途に応じて適用される各種通信ネットワークの特徴を説明できる。サービスや利用用途に応じて適用される各種通信ネットワークの特徴を説明できない。
評価項目2デジタル符号化を用いて、デジタル伝送における様々なメディアの情報量を算出できる。デジタル符号化の仕組みを説明でき、基本的な情報量を解くことができる。デジタル符号化の仕組みを説明できず、基本的情報量を解くことができない。
評価項目3呼量と確率分布を用いて、交換機の性能を決める呼損率の簡単な計算ができる。交換機の性能を決める呼損率を求める際に基本となる呼量を計算できる。交換機の性能を決める呼損率を求める際に基本となる呼量を計算できない。
評価項目4損失条件が複数存在する光ファイバ伝送における光の損失を計算できる。光ファイバ伝送における光の損失を計算できる。光ファイバ伝送における光の損失を計算できない。
評価項目5複雑なシステム構造における信頼性の計算ができる。基本的なシステム構造における信頼性の計算ができる。基本的なシステム構造における信頼性の計算ができない。
評価項目6IPアドレスとサブネットマスクを利用してネットワーク設計ができる。IPアドレスとサブネットマスクの関係を説明でき、ネットワーク及びホストアドレス部を計算できる。IPアドレスとサブネットマスクの関係を説明できない。
評価項目7通常のネットワークとネットワークの仮想化の相違点を説明できる。ネットワークの仮想化について説明ができる。ネットワークの仮想化について説明ができない。
評価項目8インターネット上で各種サービスを提供するための課題と対策を説明できる。インターネット上で提供される各種サービスの特徴とネットワーク構成の特徴を説明できる。インターネット上で提供される各種サービスの特徴とネットワーク構成の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電話、携帯電話、パソコンなどを用いて、多くの人たちが様々な情報通信サービスを普段無意識のうちに享受しているが、本科目ではこれらのサービスを提供する基礎技術(伝送・交換等の要素技術)について学習する。特に電話網を対象にサービス品質を確保するための技術を、インターネットを対象にサービスの利便性を確保するための技術を学習する。講義は教科書に沿って進め、実例を採り入れ各要素技術を紹介するので、それら技術の背景(必要性など)や基本概念を身に付ける。各回で教科書の演習問題を実施し、理解を深める。また、理解度を確認するため、提示課題に対してレポートを作成する(1回)。
授業の進め方・方法:
講義は教科書に沿って進める(各章が1回分に相当)。各回で教科書の演習問題を実施し、理解を深める。質問等は随時受け付ける。講義内容をもとに、理解度を確認するため、レポートを1回課題として提示するので、決められた期限内に提出する。
注意点:
講義に相当する教科書の章を事前に熟読し、不明な点をまとめ、講義での質問等で確認する。講義後は、内容に関するメモを整理して、理解を深める。また、演習問題を実施する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 通信ネットワークの概要 サービスや利用用途に応じて適用される各種通信ネットワークの特徴を説明できる。
2週 情報を伝達する伝送技術 アナログ信号をデジタル符号化する仕組みを説明でき、デジタル伝送における情報量を計算できる。
3週 情報通信ネットワークを支える情報交換技術 交換機の役割とトラヒック輻輳時の対処方法を説明できる。
4週 ネットワーク性能評価のための通信トラヒック理論 通信トラヒックが何かを説明でき、交換機の性能を決める呼損率の簡単な計算ができる。
5週 面的な通信設備管理のためのアクセスフィールド技術 各種土木設備、ケーブル設備の特徴を説明でき、屋外状況における適用判断ができる。
6週 情報通信ネットワーク構成技術 サービス品質を保持するための要素を説明でき、システム信頼性の簡単な計算ができる。
7週 経済的にネットワークを伝達するLANの概要 LANの基本構成を説明でき、状況に応じた利用機器の判断ができる。
8週 効率的にネットワークを設計するIP技術 IPアドレスについて説明でき、簡単なネットワークの設計ができる。
2ndQ
9週 ネットワーク利便性を支えるTCP/IP インターネットで利用されている各種プロトコルの特徴を説明できる。
10週 IPネットワークサービス技術 インターネット上で提供される各種サービスの特徴とネットワーク構成の特徴を説明できる。
11週 高速サービスアクセス技術 高速サービスを提供する有線系ネットワーク種別とその特徴を説明できる。
12週 移動通信技術 移動通信の仕組み、有線系ネットワークとの違いを説明できる。
13週 情報通信オペレーション技術 情報システムのオペレーションについて説明できる。
14週 ネットワークセキュリティ技術 ネットワークの脅威と対策を説明でき、基本的な問題に対して、適切な対策を判断できる。
15週 期末試験の解説および次世代情報通信ネットワークとその展望 本講義のこれまでの内容を概観し、今後のネットワークのあり方を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力4000002060
専門的能力3000001040
分野横断的能力0000000