電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 西巻・森・荒井:電気回路の基礎(森北出版)
担当教員 樫村 真由,教務系

到達目標

1.抵抗,コイル,コンデンサにおける電圧と電流の関係を理解し,電気回路の計算に用いることができる.
2.キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し,電気回路の計算に用いることができる.
3.瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを正弦波交流回路の計算に用いることができる.
4.共振回路や結合回路等を計算できる.
5.3相交流に関する基本事項を理解し,対称3相交流回路の電圧・電流・電力が計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗,コイル,コンデンサにおける電圧と電流の関係を理解し,電気回路の計算に用いることができる.抵抗,コイル,コンデンサにおける電圧と電流の関係を理解し,基本的な電気回路の計算に用いることができる.抵抗,コイル,コンデンサにおける電圧と電流の関係を理解し,基本的な電気回路の計算に用いることができない.
評価項目2キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し,電気回路の計算に用いることができる.キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し,基本的な電気回路の計算に用いることができる.キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し,基本的な電気回路の計算に用いることができない.
評価項目3瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを正弦波交流回路の計算に用いることができる.瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを基本的な正弦波交流回路の計算に用いることができる.瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを基本的な正弦波交流回路の計算に用いることができない.
評価項目4共振回路や結合回路等を計算できる.基本的な共振回路や結合回路等を計算できる.基本的な共振回路や結合回路等を計算できない.
評価項目5対称3相交流回路の電圧・電流・電力が計算できる.基本的な対称3相交流回路の電圧・電流・電力が計算できる.基本的な対称3相交流回路の電圧・電流・電力が計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 直流回路,交流回路および3相交流回路における取り扱い方を習得し,電気・電子工学を履修するのに必要な基本的な能力を養う.
授業の進め方・方法:
教科書の演習問題により各個人の理解度を確認しながら講義・演習を行う.
注意点:
電気回路は演習問題を自分で解かなければ身に付かない.講義を受けるだけではなく,教科書の演習問題を自習すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路と基礎電気量 電流,電圧,電力,電力量の物理的意味,定義式および単位について理解する.
2週 回路要素の基本的性質 抵抗,コイル,コンデンサの基本式を理解する.また,短絡・開放の概念を理解する.
3週 直流回路の基本 オームの法則,直流電源の等価回路,抵抗の直列接続および並列接続について理解する.
4週 直流回路網 合成抵抗の求め方を理解する.また,ブリッジ回路の平衡条件について理解する.
5週 直流回路網の基本定理 直流回路各部の電圧・電流のキルヒホッフによる求め方を理解する.
6週 直流回路網の諸定理 鳳-テブナンの定理による直流回路網の計算法を理解する.
7週 交流回路計算の基本 複素数の表示法とその加減乗除計算について理解する.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 正弦波交流 正弦波の周期,最大値,実行値,周波数について理解する.また,2つの正弦波の位相差について理解する.
10週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示 正弦波の瞬時値(時間関数),フェーザ,複素数による表現法と,それらの変換手法を理解する.
11週 交流における回路要素の性質と基本関係式 受動回路3素子(R,L,C)の交流における性質と各素子の電圧と電流の関係のフェーザ表示について理解する.
12週 回路要素の直列接続 R-L直列回路とR-C直列回路におけるインピーダンスの物理的意味を,フェーザ図を用いて理解する.
13週 回路素子の並列接続 R-L並列回路とR-C並列回路におけるアドミタンスの物理的意味を,フェーザ図を用いて理解する.
14週 2端子回路の直列・並列接続 2素子の直列回路または並列回路が直列または並列接続されたより複雑な回路の計算法を理解する.
15週 前期末試験
16週 試験返却,解答解説 試験問題の解説により間違った箇所を理解できる.
後期
3rdQ
1週 交流の電力 交流回路における有効電力,無効電力,皮相電力の定義式とその物理意味について理解する.
2週 交流回路網の解析 交流回路網のキルヒホッフの法則による計算について理解する.
3週 交流回路網の諸定理 鳳-テブナンの定理による交流回路網の計算法を理解する.
4週 電磁誘導結合回路 電磁誘導現象を回路として扱う方法を理解する.
5週 変圧器結合回路 変圧器を含む回路とそれによるインピーダンス変換について理解する.
6週 交流回路の周波数特性 簡単な素子の組み合わせ回路のインピーダンスおよびアドミンタンスの周波数特性と,それらの複素平面上の軌跡について理解する.
7週 後期中間試験
8週 直列共振 R-L-C直列回路の直列共振現象について理解する.
4thQ
9週 並列共振 LとCを並列に接続した回路の並列共振現象について理解する.
10週 対称3相交流回路1 対称3相交流回路の電圧・電流・インピーダンスのY-Δ変換を理解する
11週 対称3相交流回路2 対称3相交流回路の電圧・電流・インピーダンスのY-Δ変換を理解する.
12週 対称3相交流回路3 対称3相交流の電力について理解する.
13週 演習 総合演習を行う.
14週 演習 総合演習を行う.
15週 学年末試験
16週 試験返却,解答解説 試験問題の解説により間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後9
R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算に用いることができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000