制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 杉江・藤田:フィードバック制御入門(コロナ社)
担当教員 松井 義弘

到達目標

1.動的システムのインパルス応答やステップ応答を,ラプラス変換を用いて求めることができる.
2.微分方程式で表現された動的システムをブロック線図で表し,伝達関数を求めることができる.
3.動的システムの過渡応答と極・零点の関係が理解できる.
4.ラウスの安定判別法により伝達関数で与えられた動的システムの安定判別ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1動的システムのインパルス応答やステップ応答をラプラス変換により求めることができる.基本的な動的システムのインパルス応答やステップ応答をラプラス変換により求めることができる.基本的な動的システムのインパルス応答やステップ応答をラプラス変換により求めることができない.
評価項目2微分方程式で表現された動的システムをブロック線図で表し,伝達関数を求めることができる.微分方程式で表現された基本的な動的システムをブロック線図で表し,伝達関数を求めることができる.微分方程式で表現された基本的な動的システムをブロック線図で表し,伝達関数を求めることができない.
評価項目3動的システムの過渡応答と極・零点の関係が理解できる.基本的な動的システムの過渡応答と極・零点の関係が理解できる.基本的な動的システムの過渡応答と極・零点の関係が理解できない.
評価項目4ラウスの安定判別法により動的システムの安定判別ができる.ラウスの安定判別法により基本的な動的システムの安定判別ができる.ラウスの安定判別法により基本的な動的システムの安定判別ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本講義(制御工学Ⅰ)および制御工学Ⅱ(後期開講)では伝達関数表現に基づいて動的システムを扱う古典制御と呼ばれる分野の基本事項を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行う.また,理解を深めるための適宜,演習を行う.
注意点:
電気回路における複素数の扱い方を復習しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学の概要と基本的な制御系の構成 制御工学の観点からエアコンなどの身近な制御装置の動作の概要を説明することができる.
2週 ラプラス変換とその基本的性質について 線形性,時間領域での微積分,s領域・時間領域での推移,初期値定理,最終値定理を理解する.
3週 制御工学で使用する時間関数のラプラス変換 デルタ関数,ステップ関数,ランプ関数,指数関数,正弦波関数などのラプラス変換を理解する.
4週 逆ラプラス変換 部分分数展開による逆ラプラス変換を理解する.
5週 ラプラス変換・逆ラプラス変換の演習 ラプラス変換を用いて簡単な微分方程式を解くことができる.
6週 ラプラス変換・逆ラプラス変換の演習 制御工学で扱う時間関数のラプラス変換ができる.また,その逆ラプラス変換ができる.
7週 動的システムの微分方程式による表現 ばね,質量,ダンパで構成される機械系および抵抗,コンデンサ,コイルで構成される電気回路の微分方程式を導くことができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 ブロック線図表現と等価変換 複数のブロックの基本結合により表現されたシステムの伝達関数を求めることができる.
10週 インパルス応答とステップ応答
1次系と2次系の応答
インパルス応答とステップ応答の関係を理解できる.1次系のインパルス応答およびステップ応答を求めることができる.
11週 1次系と2次系の応答
極・零点と過渡応答
2次系のインパルス応答およびステップ応答を求めることができる.2次系の応答と極の関係を理解することができる.
12週 極・零点と過渡応答 高次システムの代表極について理解できる.不安定零点の影響を理解できる.
13週 動的システムの安定性
ラウスの安定判別法
動的システムの安定性と極の関係を理解でき,ラウスの安定判別法により動的システムの安定判別を行うことができる.
14週 総復習
15週 期末試験
16週 試験返却,解答解説 試験問題の解説により間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000