電子物性工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子物性工学
科目番号 0107 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配付プリント
担当教員 玉田 耕治

到達目標

 物性工学は新機能デバイスや新製品開発において極めて重要な分野である。電子デバイス動作の基礎となる固体内での電子の振る舞いを学ぶ。一昨年度カリキュラムが一斉に変更になり、過渡的な状況であるので、電子物性に加えて電子デバイスの基礎的な内容も盛り込む。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体中の電子の振る舞いを理解し、電気伝導機構を正しく説明することが出来る。半導体中の電子の振る舞いを理解し、電気伝導機構を理解することができる。半導体中の電子の振る舞いを理解し、電気伝導機構を理解することができない。
評価項目2種々の物性効果を理解し、半導体評価について説明することができる。種々の物性効果を理解し、半導体評価について理解することができる。種々の物性効果を理解し、半導体評価について理解することができない。
評価項目3電子物性に基づくデバイスの機能を説明することができる。電子物性に基づくデバイスの機能を理解することができる。電子物性に基づくデバイスの機能を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 物性工学は新機能デバイスや新製品開発において極めて重要な分野である。電子デバイス動作の基礎となる固体内での電子の振る舞いを学ぶ。一昨年度カリキュラムが一斉に変更になり、過渡的な状況であるので、電子物性に加えて電子デバイスの基礎的な内容も盛り込む。
授業の進め方・方法:
 本学科のカリキュラムは情報・通信、電子物性・デバイス、エネルギー・制御の3分野で構成されており、本科目は電子物性・デバイス分野に位置している。電子物性の基礎的な科目を理解した上で、固体内の電子の振る舞いを学ぶ。
注意点:
電磁気学,応用物理,電子物性の基礎的な事項を理解して受講すること。
教科書は指定しないものの、半導体工学(コロナ社,渡辺英夫著)を参考書として推薦する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよびイントロダクション 授業の進め方および評価方法を理解する
2週 真空の電子
粒子としての電子,電子の波動性
真空中の電子の振る舞いを理解する
3週 固体中の電子
原子のエネルギー準位,固体中の価電子の振る舞い
固体中の電子の振る舞いを理解する
4週 電気伝導度と伝導体の種類
電気伝導のメカニズム,絶縁体,半導体,移動度
バンド理論と伝道機構を理解する
5週 半導体中のキャリア濃度
フェルミ準位,真性半導体,不純物半導体,ホール効果
半導体中のキャリア濃度を理解する
6週 pn接合の電気的特性
pn接合の物理,pn接合を流れる電流,逆方向飽和電流
pn接合およびpn接合面における電流特性を理解する
7週 バイポーラトランジスタ1
基本構造,トランジスタの作用,電気的特性
バイポーラトランジスタの基本構造と動作原理を理解する
8週 バイポーラトランジスタ2
基本構造,トランジスタの作用,電気的特性
バイポーラトランジスタの基本構造と動作原理を理解する
2ndQ
9週 電界効果トランジスタ1
基本構造,動作メカニズム,電気的特性
電界効果トランジスタの基本構造と動作原理を理解する
10週 電界効果トランジスタ2
基本構造,動作メカニズム,電気的特性
電界効果トランジスタの基本構造と動作原理を理解する
11週 集積回路
集積回路の意義,回路素子の実現方法,具体例
集積回路の意義と実現方法を理解する
12週 オプトエレクトロニクス1
化合物半導体,光・電気変換素子,電気・光変換素子
オプトエレクトロニクス素子の構造と動作原理を理解する
13週 オプトエレクトロニクス2
化合物半導体,光・電気変換素子,電気・光変換素子
オプトエレクトロニクス素子の構造と動作原理を理解する
14週 プロセス技術
プレーナプロセスの特徴,前工程,後工程,周辺技術
プレーナプロセスの特徴と工程を理解する
15週 前期末試験 100点満点の試験において60点以上の理解ができる
16週 試験返却および解説
総まとめ
試験内容の不明な点を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3
公民民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。2
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。2
地歴・公民今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。3
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。2
地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力200000020
分野横断的能力200000020