到達目標
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 状態方程式の自由応答と入力応答を計算できる | 状態方程式の自由応答を計算できる | 状態方程式の自由応答を計算できない |
評価項目2 | 伝達関数と状態方程式の変換が自由に行える | 状態方程式から伝達関数を変換できる | 状態方程式と伝達関数の変換ができない |
評価項目3 | 可制御性・可観測性を理解し,判別条件を使いこなせる | 可制御性・可観測性の判定条件を使いこなせる | 可制御性・可観測性の判定条件も使えない |
評価項目4 | 極配置による状態フィードバックゲインを設計できる | 極配置と状態フィードバックを理解している | 状態フィードバックを設計できない |
評価項目5 | 状態フィードバック併合のオブザーバを設計できる | オブザーバを設計できる | オブザーバを設計できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目では,状態方程式をベースとした現代制御理論の基礎を学ぶ.1960年にKalmanにより提唱された状態方程式をもとにした現代制御理論は,その後モデルベースド制御の根幹として大きく発展し,実社会での豊富な応用例もともない,横断的学問として確立した.ここでは動特性という概念をもとにして,与えられた微分方程式から状態方程式を構築し,古典制御で学んだ伝達関数との関連や応答などの計算法を学ぶ.また,可制御性や可観測性といったシステムの重要な性質や,安定性といった平衡点の性質を学び,現代制御におけるシステム解析の手法を身につける.そして,所望の特性をもつ制御系を設計するための状態フィードバック,および,そのための極配置と最適レギュレータという二大手法を学ぶ.さらに,オブザーバの概念を修得することで,実用的な出力フォードバックの設計方法も学ぶ.また,実用上重要となる設定値追従の際に必要になる積分型サーボ系の構成法についても学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義形式を主としてすすめるが,随時,演習を加えることで理解の確認を行う.また,教科書で足りないところもあるので,随時説明する.
注意点:
授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
講義の概要・ねらい.制御のについての入門的事項を講義する.状態方程式の構築法を学ぶ. |
状態方程式の考え方について理解する.
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2週 |
機械系や電気系など,工学に身近な例で,状態方程式の構築方法を学ぶ. |
微分方程式から状態方程式を構築できる.非線形システムを平衡点周りで線形化できる.
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3週 |
状態方程式を扱ううえで必要な線形代数の基礎を学ぶ. |
一次独立・従属,ランク,逆行列,固有値・固有ベクトル,対角化,正定行列の性質を理解する.
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4週 |
状態方程式と伝達関数の関係を学ぶ. |
状態空間と伝達関数表現の相互の変換を行うことができる.状態方程式の自由度も理解する.
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5週 |
状態方程式の自由応答および入力応答を計算・理解する. |
入力がない場合の状態方程式の自由応答(初期値応答)の計算ができる.また,入力が印加された場合の状態方程式の応答を計算できる.
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6週 |
状態方程式の解軌道の安定性を理解する.安定性の種類,それぞれの等価条件を享受する. |
解軌道の安定性の等価条件を使いこなす.リアプノフ不方程式を低次の場合で解くことができる.
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
状態フィードバックと極配置について学ぶ.所望の極に配置するゲインの計算を修得する. |
状態フィードバックを理解する.また極配置を行うためのゲインの計算法を身につける.
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2ndQ |
9週 |
可制御・可観測性,最小実現,極・零相殺との関連を学ぶ. |
可制御・可観測の考え方を説明できる.また,行列を用いた判定法も使いこなすことができる.
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10週 |
最適レギュレータによる状態フィードバックの構成法を学ぶ. |
最適レギュレータと関連するリカッチ方程式も理解する.低次のリカッチ方程式も計算できる.
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11週 |
状態オブザーバの設計について講義する. |
オブザーバ導入の背景や役割を理解する.またその構成法も習得する.
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12週 |
状態オブザーバと状態フィードバックの併合系を講義する. |
分離定理や,状態フィードバックを併合した際の注意点を理解する.
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13週 |
サーボ系の設計を講義する. |
定常偏差をなくすための積分器を併合した積分型サーボ系を理解する.
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14週 |
オブザーバを併合したサーボ系を講義する. |
オブザーバを併合した積分型サーボ系の設計を理解する.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
講義を振り返る.期末テストの説明 |
講義で学んだ現代制御理論の基礎の理解を確認する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 3 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 3 | |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 3 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 3 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 3 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |