到達目標
【目的】本講義で、取り扱う応用数学は、電気回路(特に交流回路)や電磁気学を本格的に学ぶためにはなくてはならない基礎概念を学ぶ。実際の電気現象と関連させながら、使い方を学んでいく。
【目標】
1.学生はベクトル量とスカラー量の違いを常に区別しながら、計算を進めることができる。
2.学生は、考えるべき問題の作図を行い、目標を見定めてから計算できる。
3.学生が、ベクトル記法と成分による表示を関連付けることができる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
ベクトル量とスカラー量が区別できる | 積分形などにされても、ベクトル量とスカラー量が区別できる | ベクトル量とスカラー量が区別できる | ベクトル量とスカラー量が区別できない |
ベクトル記法と成分表示が対応付けられる | 物理量と対応付けることができる | ベクトル記法と成分表示が対応つけられる | ベクトル記法と成分表示が対応つけられない |
複素数の図形的意味が分かる | 複素数の図形的意味を、電気回路や電磁気学に応用できる | 複素数の図形的意味が分かる | 複素数の図形的意味が分からない |
複素関数の微積分が計算できる | 複素関数の微積分が説明でき、計算もできる。 | 複素関数の微積分の定義が分かる。 | 複素関数の微積分の定義が分からない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
応用数学でも特に、電気回路や電磁気学と関連の深いところを基礎から応用まで発展させる形で講義を進める。前期では、ベクトル演算を中心とし、後期ではその発展として線積分・面積分を扱う。その上で、複素数の扱い方に慣れたうえで、複素関数の初歩について軽く触れる。
授業の進め方・方法:
講義は、過去の数学の知識を整理しながら、新しい知識を足していく形で行う。すでに習った、内容と新しい知識が飛ぶことの無いように、細心の注意をしながら講義を行う。演習問題についても適宜、追加し、小テスト・課題なども必要に応じて出していく。対話的に授業することを目指すので、学生諸君も積極的に発言をしてほしい。
注意点:
講義を1/3以上休んだ場合は、Dとなるので注意すること。中間テスト・期末テスト・課題・提出物・小テストを加味して成績評価をはしっかり取り組むこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・今まで習った数学と物理のに復習 (身近な関数の近似) |
マクローリン展開の一般こうまで予想できる。逆関数が説明できる。三角関数の諸公式(二乗の和、加法定理)が使える。指数関数・対数関数の違いが説明できる。
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2週 |
ベクトルの基礎知識、ベクトルの成分と正射影、ベクトル同士の積(内積・外積) |
スカラーとベクトルの違いが分かる。ベクトル積を図形的に説明できる、ベクトル積を計算できる
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3週 |
復習/演習 |
消化不足の部分を探し出し、質問できる
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4週 |
曲線と曲面、接線ベクトル・法線ベクトル |
曲線と曲面の方程式を復習し、曲線の接ベクトル、曲面の法線ベクトルを偏微分を用いて求めることができる。
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5週 |
ベクトル関数の微分、1変数の積分 |
内積や外積が入り混じっていても、ベクトル関数の微分演算ができる
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6週 |
多重積分、線積分
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ヤコビアンが計算できる、線積分が計算できる
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7週 |
復習/演習 |
消化不足の部分を探し出し、質問できる
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8週 |
前期中間試験、前期中間試験解説 |
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2ndQ |
9週 |
面積分、ベクトル場とスカラー場の違い |
面積分が計算できる、ベクトル場とスカラー場の具体例を挙げることができる
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10週 |
スカラー場の勾配∇Φ |
スカラー場の勾配を図で書ける、線積分と関連付けられる
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11週 |
ベクトル場Aの発散∇・A |
ベクトル場の発散が計算できる、図形的意味が説明できる
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12週 |
ベクトル場Aの回転∇×A |
ベクトル場の回転が計算できる、図形的意味が説明できる
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13週 |
ラプラシアン∇・∇、発散定理 |
ラプラシアンの計算ができる、図形的意味が説明できる、ベクトル解析の知識に基づいてガウスの発散定理が説明でき、使える
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14週 |
ストークスの定理、グリーンの定理 |
ベクトル解析の知識に基づいてストークスの定理が説明でき、使える
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15週 |
前期末試験、前期末試験解説 |
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16週 |
復習 |
消化不足の部分を探し出し、質問できる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
複素数とは何か。複素数の実部・虚部・複素共役・絶対値、複素数の掛け算と回転の関係 |
複素平面上で複素数を扱える。実部や虚部を求めることができる。複素共役を用いて絶対値を計算できる。複素数をかけることと回転の関係が分かる
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2週 |
オイラーの公式、オイラーの公式と回転、複素関数 |
基本的な複素関数が説明できる
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3週 |
基本的な複素関数、複素関数の極限、平面から平面への変換 |
複素関数の極限を複素平面を用いて説明できる。複素関数の基本的な問題が解ける。
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4週 |
複素指数関数、複素指数関数の指数法則、複素三角関数、複素有理関数と写像 |
複素指数関数、複素三角関数、複素有理関数の写像の問題が解ける。
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5週 |
複素微分可能性とコーシー・リーマンの関係式 |
コーシーリーマンの条件が説明できる。使える。
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6週 |
逆関数と多価関数 |
逆関数が説明できる。w=logzや√zを例にして多価関数を説明できる
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7週 |
復習 |
消化不足の部分を探し出し、質問できる
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8週 |
後期中間テスト、後期中間テスト解説 |
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4thQ |
9週 |
複素有理関数・正則関数・特異点 |
複素有理関数から特異点を読み取れる。
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10週 |
複素関数の積分:複素積分と周回積分、多項式関数の周回積分 |
多項式関数の周回積分が計算できる
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11週 |
グリーンの公式とコーシーの積分定理 |
コーシーの積分定理が証明できる
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12週 |
積分経路の変形、実定積分への応用 |
実定積分に、コーシーの積分定理と有理関数の積分を応用して値を計算できる。
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13週 |
べき級数と収束半径、ローラン展開 |
z=0を中心としてローラン展開できる。
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14週 |
復習 |
消化不足の部分を探し出し、質問できる
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15週 |
後期末試験、後期末解説 |
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16週 |
留数定理 |
留数定理を定積分に応用できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 | 100 |
基礎的能力 | 55 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 75 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 |