化学IV

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学IV
科目番号 0117 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (東京書籍)化学・ニューステップアップ化学・図説化学 (森北出版)例題で学ぶ基礎化学
担当教員 小野 勇

到達目標

前半は化学平衡の概念について学び電離平衡や緩衝溶液など関連する単元を学習する。後半は代表的な無機物質の性質の分類と性質の概略を学ぶ。
これらについて、高校化学の教科書レベルの基礎知識を習得し、基礎的な問題が解けるようになることを到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
化学反応の速さ化学反応速度に関する計算ができる。反応速度式を反応式の係数や次数を考慮して記述できる。化学反応式について基本的なことがらを理解し、反応速度式を記述できる。化学反応式について基本的なことがらを理解できす、反応速度式を記述できない。
化学平衡化学平衡、電離平衡、緩衝溶液に関する計算ができる。ルシャトリエの原理の骨子が理解できる平衡移動について説明ができる。平衡移動について、基本的なことがらを理解していない。
無機物質(典型元素)典型元素の特徴を理解しており、いくつかの物質の工業的・実験室的製法、および、金属の定性分析について説明できる。典型元素の特徴、および、いくつかの物質の工業的・実験室的製法について説明できる。典型元素の特徴、および、無機物質の工業的・実験室的製法について概略は説明できる。典型元素の特徴、および、無機物質の工業的・実験室的製法について何も説明できない。
無機物質(遷移元素)遷移元素の特徴を理解しており、工業的製錬方法、および、金属の定性分析について説明できる。遷移元素の特徴を理解しており、工業的製錬方法について説明できる。遷移元素の特徴として、典型元素との違いについては説明できる。遷移元素の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに学習した化学I、化学Ⅱ、化学Ⅲ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。3年生で開設される化学Ⅴ、化学Ⅵと関連する。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、その内容を説明していく。
注意点:
化学 I 、化学Ⅱ、化学Ⅲの内容を理解しておくこと。講義用ノートを準備すること。副教材の問題集等を利用して予習・復習を欠かさず、自学自習の習慣を確立させること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学反応の速さ(1) 化学反応の反応速度式を記述し、説明することができる。
2週 化学反応の速さ(2) 化学反応速度に関する計算ができる。
3週 化学平衡(1) 可逆反応と化学平衡を説明できる。
4週 化学平衡(2) 平衡の移動(ルシャトリエの原理)を説明できる。
5週 化学平衡(3) 電離平衡を説明し、それに関する計算ができる。
6週 化学平衡(4) 緩衝溶液について説明し、それに関する計算ができる。
7週 周期表と元素・典型元素(1) 周期表を原子の電子配置と関連づけて説明できる。また、水素、希ガスについて、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
8週 無機物質・典型元素(2) 水素、希ガス、ハロゲン、酸素、硫黄、について、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
4thQ
9週 中間試験 後期前半の学習内容を確認する。
10週 無機物質・典型元素(3) 窒素、リン、炭素、ケイ素について、元素、単体、化合物の特徴を説明できる。
11週 無機物質・典型元素(4) 典型金属元素の単体および化合物の特徴を説明できる。
12週 無機物質・遷移元素(1) 遷移元素の特徴および錯イオンについて説明できるようになる。また、鉄の単体および化合物の特徴を理解する。
13週 無機物質・遷移元素(2) 銅、銀の単体および化合物の特徴を説明できる。
14週 金属イオンの分離・確認 金属イオンの定性分析の手順および特徴的な反応について説明できる。
15週 学年末試験 後期後半の学習内容を確認する。
16週 後期まとめ 学年末試験をふりかえり、定着度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
配位結合の形成について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100