電子物性Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子物性Ⅰ
科目番号 0124 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子物性 / 松澤剛雄、高橋 清、他 / 森北出版
担当教員 伊藤 浩

到達目標

1.基本的な結晶構造の結合力、種類について説明できる。
2.格子振動、固体の熱的性質について概要を説明できる。
3.電子伝導モデルについて基礎を理解し、説明できる。
4.量子力学の基礎を理解し、説明できる。
5.固体のエネルギーバンド理論の基礎を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1基本的な結晶構造の結合力、種類について説明できる。基本的な結晶構造の結合力、種類について知っている。基本的な結晶構造の結合力、種類について6割程度知っている。基本的な結晶構造の結合力、種類について説明できない。
評価項目2格子振動、固体の熱的性質について概要を説明できる。格子振動、固体の熱的性質について概要を知っている。格子振動、固体の熱的性質について概要を6割程度知っている。格子振動、固体の熱的性質について概要を説明できない。
評価項目3電子伝導モデルについて基礎を理解し、数式を使って説明できる。電子伝導モデルについて概要について説明できる。電子伝導モデルについて基礎を6割程度知っている。電子伝導モデルについて基礎を理解し、説明できない。
評価項目4量子力学の基礎を理解し、説明できる。量子力学の基礎を知っている。量子力学の基礎を6割程度知っている。量子力学の基礎を理解できていない。
評価項目5固体のエネルギーバンド理論の基礎を理解し、説明できる。固体のエネルギーバンド理論の基礎を理解し、説明できる。固体のエネルギーバンド理論の基礎を理解し、6割程度知っている。固体のエネルギーバンド理論の基礎を理

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子物性は物質や固体の電子の働きを解明・利用することによる電子デバイス等への応用技術を学ぶ学問である。
電子物性Ⅰでは結晶構造、格子振動、固体の熱的性質を前半に学習し、後半は電子物性を理解するのに必要な最小限の量子力学を用いて固体の電子エネルギーバンド理論を解説する 。
授業の進め方・方法:
本授業は、基本的に教科書の内容に沿って進めていき、適宜 重要な項目に絞って深く説明していく。
注意点:
電磁気学、物理、基礎電子量子工学で学んだ基礎事項を十分に理解していること。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス
結合力の概要
科目の概要を理解する。
結合力の概要を理解する。
2週 イオン結合,共有結合,金属結合 イオン結合,共有結合,金属結合の概要を理解する。
3週 空間格子,ミラー指数, ブラベー格子 空間格子,ミラー指数, ブラベー格子 について理解する。
4週 ダイヤモンド構造,X線回折 ダイヤモンド構造を理解し、X線回折の原理を理解する。
5週 古典的電子伝導モデル 古典的電子伝導モデルの概要と、導出に関わる関係式を理解する。
6週 合成抵抗率,抵抗率の温度依存性 合成抵抗率,抵抗率の温度依存性の原理を理解する。
7週 前半のまとめと演習
8週 中間試験
2ndQ
9週 量子力学の基礎
粒子性と波動性,ド・ブロイ波,不確定性原理
量子力学の基礎を理解する。
10週 シュレディンガーの波動方程式,
 井戸型ポテンシャル
量子力学の基礎を理解する。
11週 トンネル効果,量子数,パウリの排他率 量子力学の基礎を理解する。
12週 固体のエネルギーバンド
金属の自由電子モデル,周期的境界条件,フェルミディラック分布
金属の自由電子モデル,周期的境界を理解する。
13週 電子密度,フェルミ準位、クローニッヒペニーモデル,E-k関係
電子密度,フェルミ準位、クローニッヒペニーモデル,E-k関係を理解する。
14週 金属・絶縁体・半導体のバンド構造 金属・絶縁体・半導体のバンド構造を理解する。
15週 後半のまとめと演習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000