工学倫理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 工学倫理
科目番号 0143 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 黒田光太郎編『誇り高い技術者になろう 工学倫理のススメ 第二版』(名古屋大学出版会)
担当教員 河村 豊

到達目標

エンジニア(工学研究者)必要とされる専門職業者としての職業倫理について,(1)過去におけるトラブル事例,参考にすべき事例の特徴を理解すること,(2)学協会の倫理綱領,企業等の行動規範ついて,その基礎的な特徴を理解する.(3)新たな技術が登場した場合に発生する「倫理的配慮」について,その基礎的事項を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1過去におけるトラブル事例,参考にすべき事例の特徴を十分に理解している過去におけるトラブル事例,参考にすべき事例の特徴を理解している過去におけるトラブル事例,参考にすべき事例の特徴を理解していない
評価項目2学協会の倫理綱領,企業等の行動規範ついて,その基礎的な特徴を十分に理解している学協会の倫理綱領,企業等の行動規範ついて,その基礎的な特徴を理解している学協会の倫理綱領,企業等の行動規範ついて,その基礎的な特徴を理解していない
評価項目3新たな技術が登場した場合に発生する「倫理的配慮」について,その基礎的事項を十分に理解している新たな技術が登場した場合に発生する「倫理的配慮」について,その基礎的事項を理解している新たな技術が登場した場合に発生する「倫理的配慮」について,その基礎的事項を理解していない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (b) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 A3 説明 閉じる
学習・教育目標 A4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術が社会・経済に大きな影響を果たすようになり,研究活動に対して大きな期待がよせられている.こうした中で,工学研究者には,確かな工学的基礎知識と高い職業的倫理観が求められるようになった.本講義では,職業的倫理観を高めるために,(1)過去の事例の検討(知ること),(2)技術者倫理の原則を検討(理解すること), (3)技術者と企業の関わりを検討(身につけること),という3側面から取り扱う
授業の進め方・方法:
(1)座学形式で工学倫理の概要を学ぶ.(2)受講生がグループを作り,教科書をグループ学習し,授業中に発表する.(3)与えられた課題についてグループディスカッション,あるいはクラス全体でのディスカッションを行う. 
注意点:
本科目は人文社会系基礎科目の履修を前提とした人文社会系応用科目の1つである.すなわち,倫理思想,政治・経済・日本史・科学技術史・文章表現法などの科目履修が前提である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 「工学倫理」講義の目標について理解する.
2週 知ること編
 過去の事例分析(1)
事故原因と再発防止策について理解する.
3週  過去の事例分析(2) 事故原因の背景にある「論理」について理解する.
4週 学び取る編
 グループ学習(1)
学生プレゼンを通して,
工学倫理の目的を理解する.
5週  グループ学習(2) 「技術者」,「技術業」の特徴について理解する.
6週  グループ学習(3) 技術者の責任ある行動に関する基礎知識を理解する.
7週  グループ学習(4) 技術者を取り巻く,法律的,制度的サポートについて理解する.
8週  グループ学習(5) 事故事例などを調べ,その原因,再発防止策を学ぶ.
4thQ
9週  グループ学習(6) 事故事例を学ぶ(その2)
10週  グループ学習(7) 学協会の倫理綱領の特徴について理解する.
11週  グループ学習(8) 企業の行動規範の特徴について理解する.
12週 考える編
 ディベート(1)
価値バランスを取るための手法を学ぶ(1)
13週  ディベート(2) 価値バランスを取るための手法を学ぶ(2)
14週  総合討論 工学倫理の役割と限界について理解する.
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理技術者倫理技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、及び個人情報保護法、著作権などの法律との関連について理解できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを理解できる。3
技術者を目指す者として、環境問題について配慮することができる。3
技術者を目指す者として、社会と地域について配慮することができる。3
技術者を目指す者として、知的財産に関する知識(関連法案を含む)、技能、態度を身につける。3
知的財産の社会的意義や重要性を技術者として理解し、知的創造サイクルを支えることができる。3
技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性を発揮できる。3
技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることができる。3
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。2
技術者を目指す者として持続可能な開発を通じて全ての人々が安心して暮らせる未来を実現するために配慮することができる。3
技術者を目指す者として、さまざまな課題に力を合わせて取り組んでいくことができる。3

評価割合

試験発表レポート等態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合602020000100
基礎的能力40202000080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000