モノから見る世界史(教養ゼミⅠ)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 モノから見る世界史(教養ゼミⅠ)
科目番号 0148 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜、プリントを配布
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であるということを実感させる。
②ある特定のモノが、当時の社会に与えた影響を理解することで、新技術が社会に及ぼす影響について自分なりに考察することができる洞察力を養う。            
③自ら課題を設定して調査し、自分の考えをまとめて発表する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1歴史学を学ぶ意義を十分に理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。歴史学を学ぶ意義を理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができる。歴史学を学ぶ意義について、理解が不十分であり、歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができない。
評価項目2モノが人類の歴史の中で果たした役割について、十分に理解できている。モノが人類の歴史の中で果たした役割について、理解できている。モノが人類の歴史の中で果たした役割について、理解が不十分である。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「モノ」を通じて歴史を学ぶ意義は、各時代、各地域の人々の具体的な生活の様子を理解することができるという点です。教科書等で学ぶ歴史は、どうしても政治史が中心となってしまいがちです。本講座では、為政者だけではなく、当時を生きた多くの民衆の具体的な生活に注目することで、各地の文化や生活様式がどのようにして形成されたかを学んでいきます。
授業の進め方・方法:
前半部分では講義形式を中心に授業を進めていく。適宜、授業で扱ったテーマに関して、学生らにも考えをまとめ発表してもらう機会を設ける。後半部分では、前半の講義を参考にしながら、学生自身が興味をもったモノの歴史を調べるとともに、それらが社会に与えた影響について、自分の考えを交えながら報告を行ってもらう。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。            
②課題発表をきちんと済ませなかった場合は、学年末評価が単位不可となります。                                           
③授業は、ノート形式・空欄補充式のプリントのいずれかを採用します。ただし、黒板を丸写しするだけ、空欄補充だけではノート・プリントは完成したとはいえません。ですので、時代的背景や歴史的関連などしっかりメモをとりましょう。ノート・プリントにどんどん書き込むようにすると、不思議と歴史の流れがわかってきます。また、予習、復習で自分が調べてみたこともプリントへ書き込んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 歴史学と関連諸学について、それぞれの特徴を理解し、それらがどのように関連しているのか理解する。
2週 アイスマンから見た新石器時代 アイスマンに関する研究成果を概観しながら、新石器時代の人々の生活について知識を深める。
3週 沈没船から見た交易の歴史 これまで世界各で発見された沈没船が当時の交易を考える上で、どのような知見をもたらしたか理解する。
4週 貨幣から見た古代ローマ 古代ローマの貨幣制度について概観しながら、貨幣からどのような情報を読み取ることができるか考察する。
5週 魚から見た世界史 中世ヨーロッパにおけるニシン漁や日本におけるニシン漁などを比較しながら、東西の魚文化の特徴を理解する。
6週 茶から見た世界史 世界システム論について理解し、茶の交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
7週 コーヒーから見た世界史 世界システム論について理解し、コーヒーの交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
8週 ジャガイモから見た世界史 ジャガイモの起源とその特徴について理解し、その伝来により、各地の食糧事情がどう変化したのか考察する。
4thQ
9週 クレイパイプ・タバコから見た世界史 世界システム論について理解し、タバコの交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
10週 塹壕跡から見た第一次世界大戦 考古学調査の対象が近・現代史にまで及ぶことを理解するとともに、塹壕跡に残された戦争の痕跡から戦争の悲惨さを理解する。
11週 産業考古学 近現代の産業を支えた工場やインフラストラクチャーなどを概観し、それらを後世に残す意義を考察する。
12週 モノから見た世界史① これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
13週 モノから見た世界史② これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
14週 モノから見た世界史③ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
15週 モノから見た世界史④ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
16週 モノから見た世界史⑤ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3後4,後5,後8
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3後1,後2,後5,後8
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3後2,後5,後8,後9
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3後1,後3,後5,後9
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3後3,後5,後15
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3後3,後5,後6
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。3後10,後11,後14
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。3後6,後10,後11
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。3後7,後13,後14
地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3後12,後13,後14,後15,後16
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3後12,後13,後14,後15,後16
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3後12,後13,後14,後15,後16
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3後12,後13,後14,後15,後16
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3後12,後13,後14,後15,後16
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3後12,後13,後14,後15,後16
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3後12,後13,後14,後15,後16
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3後12,後13,後14,後15,後16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合060020200100
基礎的能力060020200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000