電気数学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気数学
科目番号 0153 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 過渡現象の基礎(吉岡・作道共著,森北出版)/適宜プリントを配付
担当教員 伊藤 浩

到達目標

1.各種電気回路に様々な入力がなされた系の状況を理解し、その様子を微分方程式で表現することが出来る。
2.到達目標1で得られた微分方程式を基本解と定常解を求めることにより、微分方程式の解を求めることが出来る。
3.ラプラス変換を理解し、到達目標1で得られた微分方程式の解をラプラス変換を用いた解析法により、微分方程式の解を求めることが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 各種電気回路に様々な入力がなされた系の状況を理解し、その様子を微分方程式で表現することが理解でき、説明することが出来る。 各種電気回路に様々な入力がなされた系の状況を理解し、その様子を微分方程式で表現することが理解出来る。 各種電気回路に様々な入力がなされた系の状況を理解し、その様子を微分方程式で表現することができる。各種電気回路に様々な入力がなされた系の状況を理解し、その様子を微分方程式で表現することが理解出来ない。
評価項目2 到達目標1で得られた微分方程式を基本解と定常解を求めることにより、微分方程式の解を求めることが理解でき、説明することが出来る。 到達目標1で得られた微分方程式を基本解と定常解を求めることにより、微分方程式の解を求めることが理解出来る。 到達目標1で得られた微分方程式を基本解と定常解を求めることにより、微分方程式の解を求めることができる。到達目標1で得られた微分方程式を基本解と定常解を求めることにより、微分方程式の解を求めることが理解出来ない。
評価項目3 ラプラス変換を理解し、到達目標1で得られた微分方程式の解をラプラス変換を用いた解析法により、微分方程式の解を求めることが理解出来、説明することが出来る。 ラプラス変換を理解し、到達目標1で得られた微分方程式の解をラプラス変換を用いた解析法により、微分方程式の解を求めることが理解出来る。 ラプラス変換を理解し、到達目標1で得られた微分方程式の解をラプラス変換を用いた解析法により、微分方程式の解を求めることが理解できる。ラプラス変換を理解し、到達目標1で得られた微分方程式の解をラプラス変換を用いた解析法により、微分方程式の解を求めることが理解出来ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電気工学で学ぶ電気回路や制御工学などでは微分積分、ラプラス変換、フーリエ級数などの工学分野に特有な数学を用いて、解析等を行っている。そこで、そのような工業数学の基礎として、本講義では電気回路の過渡現象の解法を理解する上で必要となる微分方程式、ラプラス変換を中心に講義を行う。
授業の進め方・方法:
 本授業では、教科書、配布プリントを中心に、主に講義形式で進める。さらに理解を深めるために、適宜単元が終わった際に、数人でのグループ学習を行う。
講義の説明を聞いただけでは理解することは難しいため、例題、演習問題を自分で解き、自主的に取組み理解を深める必要がある。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、予習・復習を行うこと。
注意点:
 3年で履修した電気回路、数学を復習し、理解しておくこと。また授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
過渡現象を学ぶための基礎数学
過渡現象とは
電気回路素子の性質の理解と微分積分の基礎を理解する。
2週 微分方程式の立て方と解法 初期値 微分方程式の特性方程式を用いた解法を理解している。R,L,Cを含む電気回路に関する微分方程式を立てることが出来る。微分方程式を解くための初期条件を与えることができる。
3週 RC回路 DC(ステップ)入力 時定数 DC(ステップ)入力が与えられたRC回路の過渡応答を求めることできる。過渡応答の時定数を求めることができる。
4週 RL回路 DC(ステップ)入力 DC(ステップ)入力が与えられたRL回路の過渡応答を求めることできる。過渡応答の時定数を求めることができる。
5週 RC回路,RL回路 AC入力 AC入力が与えられたRC回路,RL回路の過渡応答を求めることができる。
6週 パルス回路 RC回路やRL回路による微分回路、積分回路の出力波形を求めることができる。
7週 中間試験
8週 複エネルギー回路 LC発振回路 複エネルギー回路であるLC発振回路の過渡応答を求めることができる。
2ndQ
9週 複エネルギー回路 LCR回路 複エネルギー回路であるLCR回路の過渡応答を求めることができる。
10週 ラプラス変換の概要 ラプラス変換法の概要を理解する。
11週 ラプラス変換を用いた過渡応答解析
部分分数展開法
部分分数展開法により、時間領域での出力を求めることができる。
12週 ラプラス変換の性質
ラプラス変換の性質を理解する。
13週 RC回路,RL回路,LCR回路の
過渡応答解析(Ⅰ)
ラプラス変換法により、DC(ステップ)入力が与えられたRC回路,RL回路,LCR回路の過渡応答を求めることが出来る。
14週 RC回路,RL回路,LCR回路の
過渡応答解析(Ⅱ)
ラプラス変換法により、AC入力が与えられたRC回路,RL回路,LCR回路の過渡応答を求めることが出来る。
15週 総復習 電気回路の過渡現象を理解し、微分方程式を立て、その解を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000