【教養選択Ⅰ】生活の中の法律

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 【教養選択Ⅰ】生活の中の法律
科目番号 00680 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「新版 生活のなかの法律」細川幸一(著) 慶應義塾大学出版会
担当教員 加藤 絵美,鈴木 慎也,村瀬 智之

到達目標

(1)生活と密接な身の回りの社会制度と法律について理解し、説明することができる。
(2)労働、婚姻、育児等の将来のライフステージでの問題を想定し、解決方法を検討することができる。
(3)多様な消費者トラブルに対して問題意識をもち、解決のための理論と実践を具体的に示すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限のレベルに到達した目安到達レベルに達していない目安
評価項目1生活と密接な身の回りの社会制度と法律について理解し、説明することができる生活と密接な身の回りの社会制度と法律について概ね理解し、概要を説明することができる生活と密接な身の回りの社会制度と法律について最低限の知識を有している。生活と密接な身の回りの社会制度と法律について知識が6割未満である。
評価項目2労働、婚姻、育児等の将来のライフステージでの問題を想定し、解決方法を検討することができる。労働、婚姻、育児等の将来のライフステージでの問題を想定し、解決するための制度について知識を有している。労働、婚姻、育児等の将来のライフステージでの問題を想定し、解決するための制度についての最低限の知識を有している。労働、婚姻、育児等の将来のライフステージでの問題を想定することができず、また解決するための制度についての知識が6割未満である。
評価項目3多様な消費者トラブルに対して問題意識をもち、解決のための理論と実践を具体的に示すことができる。消費者問題の発生経緯、解決に必要な考え方(権利・責任・法律)の基本原則を概ね理解している。消費者問題の発生経緯、解決に必要な考え方(権利・責任・法律)の基本原則について最低限の知識を有している。消費者問題の発生経緯、解決に必要な考え方(権利・責任・法律)の基本原則についての知識が6割未満である

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
私たちの身の回りには、数え切れないくらいの法律があるが、一つ一つの法律の条文全てを理解することは困難である。しかし実生活の中で何らかのトラブルに遭遇した場合に、それを解決するときに必要な法律を知っておくことは、これからの人生に大変重要である。学生時代に知っておくべき制度や法律、また将来のライフステージ(例:労働、婚姻、育児等)を想定して知っておくべき制度や法律、消費生活に関わるトラブルを解決するための制度や法律などを学ぶことは、「生きていく力」にも直結するものである。

例えば「消費者トラブル」の分野では、オンラインショップで洋服を買ったがサイズが合わなかった場合に返品はできるのか、買ったばかりの自動車のエンジンがどうもおかしいとディーラーに言っても取り合ってくれない、無料サンプルを取り寄せただけなのに翌月から正規商品と請求書が届くようになったが支払いたくない、先輩からマルチ商法が儲かると誘われて断れず契約してしまった、などのトラブルにあったらどのように解決するか。本授業では、問題の発生経緯に関わる知識および解決に必要な「権利」「責任」「法律」に関わる基礎的な知識を定着させ、その上で問題解決に向けた実践的理論を学び、実社会・実生活で活用できるようにする。
授業の進め方・方法:
(1)座学形式で消費者問題および消費者法の基本的事項を学ぶ.
(2)受講生がグループを作り,教科書や参考資料(講義内で配布)をグループ学習し,授業中に発表する.
(3)与えられた課題についてグループディスカッション,あるいはクラス全体でのディスカッションを行う.

※必要に応じて、映像教材や他の資料を利用する。
※現代社会では、日々、新たな問題が発生するため、最新情報をニュース等から積極的に情報収集することが望まれる。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 本授業の概要を理解し、次週以降の学習範囲を把握する。
2週 学生生活
~学生の法的立場を考える~
学生の身分、未成年者の法的保護、喫煙、飲酒、ギャンブルなどの問題点を把握し、制度を理解する。
3週 学生生活
~契約と消費者トラブル~
消費者契約がどのようなものか知り、消費者保護のための法律を理解する。
4週 学生生活
~一人暮らし、アルバイト、SNSトラブル~
学生生活で起こりやすいトラブルの実態を知り、注意点や対処法を理解する。
5週 仕事に就く
~働くことを考える~
労働の意味、労働者の位置づけ、法人・会社とは何かを理解する。
6週 仕事に就く
~就職活動と法律~
就職活動をめぐる問題点やトラブルを理解する。
7週 仕事に就く
~労働者の保護~
労働法、多様化する雇用形態、労働組合について理解する
8週 結婚生活
~婚姻について~
婚約とは何か、夫婦に関する法律、死別・離婚、同性パートナー制度について理解する。
2ndQ
9週 結婚生活
~子どもの権利・子育て~
胎児の法律上の扱い、子どもの権利、新たな子育て支援制度について理解する。
10週 生活設計と生活上のトラブル
~生活設計~
税金と社会保険料、借金の仕組みと問題点を理解する。
11週 生活設計と生活上のトラブル
~犯罪と私たちの生活~
犯罪、刑事裁判、刑罰、被害者の人権、裁判員制度について理解する。
12週 生活設計と生活上のトラブル
~交通事故~
くらしと事故、交通事故、民事・刑事責任、運転免許、自動車保険の制度について理解する。
13週 健康と高齢化への対応
~公的医療保険・介護保険制度~
社会保険制度、公的医療保険制度、介護保険制度について理解する。
14週 健康と高齢化への対応
~年金・相続~
年金制度と相続について理解する。
15週 まとめ
~より良い社会のために~
これまでの講義を振り返り、改めて民主主義、資本主義、市民社会の在り方について考え、自身の生活との結びつきを理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合602020000100
基礎的能力40202000080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000