電子物性工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子物性工学
科目番号 30360 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤本 晶著「基礎電子工学 第2版」森北出版
担当教員 一戸 隆久

到達目標

【目的】本授業の目的は材料の性質を電子のはたらきから理解し、エレクトロニクスの分野でどのように利用されているかを学ぶために必要な考え方を修得することにある。
【到達目標】
1. 電子の基本的な性質、および原子の構造を理解し、説明することができる
2.結晶やエネルギーバンド構造を理解し、電子の振る舞いを説明することができる
3.金属や半導体の性質を理解し、各種の値を計算できる
4.材料の各種性質を理解し、説明することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 電子の基本的な性質と原子構造電子の基本的な性質と原子構造について十分に理解し、正しく説明できる電子の基本的な性質と原子構造について理解し説明できる電子の基本的な性質と原子構造について簡単に説明できる電子の基本的な性質と原子構造について説明できない
評価項目2 エネルギーバンド構造結晶やエネルギーバンド構造について十分に理解し、電子の振る舞いを正しく説明できる結晶やエネルギーバンド構造について理解し、電子の振る舞いを説明できる結晶やエネルギーバンド構造について理解し、電子の振る舞いを簡単に説明できる結晶やエネルギーバンド構造について理解し、電子の振る舞いを説明できない
評価項目3 金属や半導体の性質金属や半導体の性質について十分に理解し、各種の値を正しく計算できる金属や半導体の性質について理解し、各種の値を計算できる金属や半導体の性質について理解し、基本的な値を計算できる金属や半導体の性質について各種の値を計算できない
評価項目4 材料の各種性質材料の各種性質を十分に理解し正しく説明することができる材料の各種性質を理解し、説明することができる材料の各種性質を理解し、簡単に説明することができる材料の各種性質を理解し説明することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の諸性質を電子のはたらきから理解し、エレクトロニクスの分野でどのように利用されているかを学ぶために必要な考え方を修得する。内容は以下の通り。
1. 電子の基本的な性質と原子構造  2. 結晶とエネルギーバンドの形成  3. 導電性  4. 半導体の基礎  5. 半導体の光学的性質  6. 各種材料の性質
授業の進め方・方法:
学生の自発的な学習を促すため、時々課題や小テストを行う。
注意点:
物理の基礎、電磁気学の復習が必要であれば自分で取り組むことが必要。
本科目は学修単位科目のため,事前・事後学習など自学自習が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電子の基本的な性質
授業の進め方、評価方法について理解する
電子の基本的な性質について説明することができる
2週 原子の構造と電子配置 原子の構造、パウリの排他律を理解し,原子の電子配置を説明できる
3週 結晶とエネルギーバンド 化学結合と結晶構造、電子のエネルギー準位とエネルギーバンドの形成を理解し、エネルギーバンド図について説明できる
4週 導電性 金属の電気伝導メカニズムを理解し、移動度や導電率などの各種値を計算できる
5週 結晶の電子状態 フェルミ分布を理解し、金属、半導体、絶縁体についてエネルギーバンド図を用いて説明できる
6週 半導体の基礎 真性半導体と不純物半導体について理解し、説明することができる
7週 前半のまとめ これまでの学習内容について振り返り、計算や説明ができる
8週 中間試験 これまでの学習内容について標準的な問題を解くことができる
2ndQ
9週 p-n接合 p-n接合を理解し、エネルギーバンド図を用いて電流-電圧特性を説明できる
10週 半導体の光物性 半導体の光吸収、発光現象について理解し、説明することができる
11週 光物性応用 各種光電変換素子について理解し、説明することができる
12週 誘電体 誘電分極、強誘電現象について理解し、説明することができる
13週 磁性体 磁気現象、磁性体、強磁性現象について理解し、説明することができる
14週 各種機能性材料とデバイス 各種機能性材料とデバイス応用について理解し、説明することができる
15週 まとめと振返り 学習した内容を振り返り、自分で達成度を評価できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1
原子の構造を説明できる。4前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前3,前5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前6
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000